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大学オケへの誘い

こんにちは。
そろそろ新歓が活発になってくる頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。進学先が決まった方、おめでとうございます。まだの方、あと少しですね。応援しています。

投稿も三回目というのに自己紹介がまだでしたが、私は修士一年の学生です。早稲田大学フィルハーモニー管弦楽団(通称:早稲フィル)を卒団しましたが、コロナ禍での活動が大変であったり現役生が少ないのもあって、今はサポート役のようなかたちでトロチューパートに関わらせてもらっています。noteは基本的に春から二年生になる後輩たちと私で更新しています。

さて、今回は"大学オケ"なるものを紹介していきたいと思います。ここでいう大学オケとは、早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団のように、○○大学と銘打っている学生オーケストラのことを指します。私が実際に経験したのは早稲フィル(+賛助で出演した他大学のオケがいくつか)のみになるので、何も大学オケ経験者の代表として語ろうとしているわけではありません。むしろ知らないことの方が多いでしょう。しかし、都内だけでも何百と存在するアマチュアオケのなかで、大学の名を冠するオケがいかに活動しているのか、そのような学生オケにどのようなメリットデメリットがあるかは意外にも理解されていない、理解されようとしていないのが現状ではないかと思います。昨今の状況も踏まえ、これら大学オケの雰囲気や実態を、見てきた限りにはなりますが、出来るだけ誠実に伝えていけたらと思いますので、新入生のみなさん、およびまだサークル活動を決めかねている二年生の方々は参考にしていただけたら幸いです。もちろんここに書いてあることが全てではないことはご承知おきください。

まず、私たちまでの世代がのびのびと活動できていた頃と今とでは、活動環境が大きく様変わりしてしまったことを述べないわけにはいきません。(このような時世における活動の様子は、第一回の投稿や以下のワセフィルブログの記事等にも書かれていますので、ぜひご覧ください。)

先に大学オケのデメリットを挙げておくと、名ばかりとはいえどもその大学の管轄下に置かれることになるので、大学の方針には必ず従わなければならないということがあります。例えば、緊急事態宣言発令中は課外でのサークル活動が認められてない大学(ほとんどがそのようです。早稲田の場合オンラインでの活動は許可されています。)の公認サークルの場合、決して外部会場を借りて練習することなどは出来ません。言わずもがな、学生会館やサークル棟など練習に必要な施設は基本的に閉鎖されているので、ちょっと部室に荷物を取りに行こうにも手続きが必要だったり、なにかと不便な状況が続いています。

その反面、緊急事態宣言下にあっても公共施設やホールが使えないわけではないので、同じ学生オケでも、様々な大学から有志が集まって完全に外部で活動しているような団体、また社会人が中心となって活動しているアマチュアオーケストラなどは、定期的に練習を行ったり、もちろん演奏会を開催することも出来ています(どの団体も細心の注意を払いながら活動されています)。これらのことは、例えば5月に予定されている定期演奏会に向けて緊急事態宣言が明けたらすぐに練習を開始する予定が、宣言の延長を受けて大学の方針を引き続き順守しなければならなくなった早稲フィルの今の状況などと比べると、リスクと引き換えてもいささか羨ましく思われるところではあるでしょう。

そのように、大学の名を冠している以上(だからと言ってなにか責任をとってくれるというわけでもないというのがなんとも世知辛い。当たり前なのかもしれませんが。)大学の言うことは聞かなければならない。それはこのコロナ禍においては少々きつい縛りとしてあるのが現状だろうと思います。ある意味仕方のないことであるとはいえ、日に日に募る焦りや不安と向き合わざるを得ないのはしんどいところでもあります。

では大学オケをおすすめしないか? と言われればそうではありません。大学でも引き続き楽器を続けたい、楽器上手になりたい、音楽を楽しみたいという方に一番おすすめしたいのが大学オケです。それはなぜか、いくつかの理由に分けて説明したいと思います。

その前に、大学オケといっても大きく分けて二つのパターンがあることに触れておく必要があるでしょう。どこの大学のサークルにも共通することですが、一つにはその大学の学生だけで構成される団体と、二つにはあらゆる大学の学生で構成される団体(通常インカレなどと呼ばれます)があります。例えば、早稲田大学には二つの大学オケ(オーケストラサークル)がありますが、早稲田大学交響楽団は早稲田生オンリー、早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団はインカレとなっています。その大学の学生オンリーで活動している大学オケのなかには、大学から部のような扱いを受けて、式典などのイベントに駆り出されたりするところもあります。また細かいことを言えば、「一応」その大学の学生だけで構成されている、つまり大々的には公表してないものの、実質インカレのようになっている大学オケもあります。それぞれのメリットデメリットは今回置いておこうと思います。とはいえそんなにそれらを感じるような場面は少なく、ただ「色んな人がいておもしろい」状態はやはりインカレに軍配が上がるのかなあというくらいです。ちなみに早稲フィルの早稲田生と他大学生の割合は半々くらいです。

さて本題ですが、大学オケのメリットとして、まずは音楽を学ぶ機会の充実ということが挙げられると思います。例えば、セクションごと、あるいはパートごとにプロのトレーナーを呼んで、定期的に練習をみてもらう貴重な機会が制度として定着しているところがほとんどです。こうした機会の積み重ねは、音楽に対する意識的な部分を根本的に飛躍させてくれるものとなります。もちろん、楽器の腕前も上達していきます。

そして大学の施設が使い放題ということも大事な要素の一つです。練習場所には困らないということにも言い換えられるでしょう。しかしこのままだと語弊があるので詳しく説明すると、学生会館やサークル棟には、音楽サークル用の練習室が多数あり、主に合奏用の大部屋と個人練習用の小さめの部屋が整備されています。大体の場合事前に予約しなければ使うことができず、先着順なことが多いので(抽選の場合も)、激しい争奪戦になります。しかし練習日がずれていたり、部屋も無限にとれるわけではないので、なんとなく棲み分けはできているようです。もちろん部屋取り担当たちの奮闘あってのことなので、彼らには頭が上がりません。ちなみに個人練習は、部屋を使わなくても廊下でできるようになっているところが多いです。早稲田の学生会館の場合、通常時は朝の8時から夜の22時まで開いているので、その時間内であれば好きなときに好きなだけ練習することができます。

学年が上になってくると、運営代と呼ばれるようになり、そのサークルをその学年全体で回していくことになります。このサークル運営は大学オケではかならず経験することとなりますが、他のアマチュアオケではなかなか体験できません。本番の成功に向けて、みなで話し合い協力し合い、さらに切磋琢磨し合いながら過ごす濃密ゆえ貴重な時間は何物にも代えがたいものとなります。運営代になるまでは、年に何回かある合宿などをとおして親睦が深まっていきます。同学年同世代の仲間は一番の心の支えとなり、仲間との思い出は一生の宝物となります。

また、選曲に関してあらかじめコンセプトが決まっていることが多い世のアマチュアオケに比べると、コンセプトのようなものが存在しにくい大学オケはいい意味で自由とも言えるでしょう。団員の数や編成条件によるものの、基本的にプログラムは自由に組むことができます。選曲は運営代による話し合いで決めたり、全体から曲を募集して全団員の投票で決めたりするところが多いようです。

まだまだ語りつくせないところはありますが、大学オケの魅力、少しでも伝わったでしょうか。どの団体も、コロナ禍にあっても出来る限りの範囲で懸命に活動を続けています。気になる団体の新歓は(オンライン中心にはなるかと思いますが)気軽に覗いてみてください。優しい先輩が色々と教えてくれます。今は演奏会を配信しているところが多いので、それらを聴いてみるのもよいでしょう。ぜひ大学オケに入って、青春を謳歌しましょう!

(そ)

P.S
早稲フィルトロンボーン&チューバパートは新入生を募集しています。特にチューバ!!!!!!!!!は激募集中です。TwitterのDMでも質問箱でもよいので、気軽に質問等お待ちしております。


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