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【小説】500文字しばり/桃型カプセル

桃型カプセルに乗り込み、鬼ヶ島からどんぶらして来た小鬼は焦っていた。人間達が住む島に流れ着いたらカプセルから出る予定だったが、出口が開かない。歓喜する爺婆。迫る包丁。

ダメだ!どんぶらし過ぎて出口が壊れた!
「おい!やめろ!中に居るんだよ!」
「これじゃ真っ二つだ!」

桃型カプセルは防音・耐衝撃機能を備えている。小鬼の叫び声と壁を叩く音は二人には届かない。力一杯振り下ろされる包丁!

「それっ!」
まあそうか。切れねえよな。安心する小鬼。

「…硬い桃じゃの」
「よし、ここはワシに任せなさい」
「柴刈り歴ウン十年のこのワシに!」

「まさか!こんな所でおじいさんのなた使いを見れるなんて!」

いや!そんな硬ってえ桃食えねえだろ!包丁が通らねえなら歯も通らねえよ!声援を受け力一杯振り下ろされる鉈!
「それっ!」

すごい音したけど。爺さんの腕大丈夫そ?
「…ダメじゃの」

助かった!よし!カプセルを直して脱出だ!
「残念ですね…」
「それよりおじいさん…いえ、アナタ」
「鉈を振るう貴方の姿シビれました」
「今夜は久々に一緒に寝ませんか…?」

「!」
見つめ合い頬を赤らめる二人。夜中にハッスルハッスル。桃の中の小鬼。防音で良かったと眠りに着く。


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