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POOLのちょっとだけウンチク  第19回『ゴーストバスターズ』

WOWOW MUSICがお送りする、音楽好きのためのコミュニティ"//POOL"
その企画・構成を担当する吉田雄生が、いつものあの曲の響きがちょっと変わる(かもしれない)
とっておきのウンチクを書き綴ります。

今回のアーティストはサニーデイ・サービスの曽我部恵一さん。どんなひねった曲を持ってくるのかな、と思っていたら、ド真ん中のストレート、レイ・パーカーJrの『ゴーストバスターズ』だった。「だって、“上がる”じゃないですか」むむ、確かに。“上がる曲”っていうのは、いつのどの時代にも、(言ってみれば古代から)共通するリズムがある。
『ゴーストバスターズ』は1984年の大ヒットコメディ映画で、主題歌『ゴーストバスターズ』もまた印象的なベースラインとキャッチーな「ゴーストバスターズ!」という合いの手(?)で瞬く間に大ヒットした。そりゃ、子供たちが歌うでしょ、と言う感じで、マシュマロマンのキャラクターとともに、社会現象となったほどだ。
『ゴーストバスターズ』のスピンオフ映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が現在公開中であることを考えると、この映画の生命力の強さを感じる。それはなんといってもレイ・パーカーJrの世代を超えた“上がる曲”の力によるところが大きいだろう。

あの曲を聴くと、コミカルなゴーストバスターたちの姿が思い浮かんでしまう。ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス、アーニー・ハドソンの4人組。実はビル・マーレイの博士役は、ジョン・ベルーシに決まっていた。だが、ベルーシの急死によって、急遽ビル・マーレイにこの役が回ってきたのだ。結果的にはビル・マーレイの出世作となる。『ブルース・ブラザーズ』の名コンビ、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの『ゴーストバスターズ』も観てみたかったなぁ。
さて、話題をレイ・パーカーJrの『ゴーストバスターズ』に戻そう。これは有名な話だが、後にヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの『I Want A New Drug』に酷似しているということで後に訴えられる。(後に和解。和解するときにレイ側が和解金を払ったという)
とりあえず、この2曲はこちらでチェックを。

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースはサンフランシスコのアメリカン・ロックバンドで1983年に3枚目のアルバム『Sports』が突如大ヒットした。テレ朝の「ベストヒットin USA」に出演して、アカペラで『So Much In Love』を披露したのを観て、「うわ、すごいなぁ」と感動したのを鮮明に記憶している。その後、映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の主題歌でさらに大ヒットを飛ばすのだから、ヒューイ・ルイスもすごいバンドであることは間違いない。

だが、このヒューイ・ルイスにもさらに元ネタがあるのをご存じだろうか。ロビン・スコットによる「M」というテクノ・ポップユニットの『Pop Muzic(ポップ・ミューヂック)』。
こちらもチェックを。

まあ、たしかにイントロのリズムは同じだし、曲の構成も似ている。世の中にはパクリのか、オマージュなのか、影響なのか、断定しづらい曲は多く存在する。しかし、この3曲に関して言えば、それぞれに良さがある気がする。ただし、世代や時代を超えた曲という点では、『ゴーストバスターズ』に分があるのでないか。曽我部恵一さんも「レイ・パーカーJrが決定版!」と断言していたことだし――。

(文・吉田雄生・WOWOW MUSIC//POOL企画・構成担当)

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