POOLのちょっとだけウンチク  第23回 Gorky's Zygotic Mynci
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POOLのちょっとだけウンチク  第23回 Gorky's Zygotic Mynci

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WOWOW MUSICがお送りする、音楽好きのためのコミュニティ"//POOL"
その企画・構成を担当する吉田雄生が、いつものあの曲の響きがちょっと変わる(かもしれない)
とっておきのウンチクを書き綴ります。

今回のアーティストはGLIM SPANKYの松尾レミさん。Gorky's Zygotic Mynciゴーキーズ・ザイゴティック・マンキという風変わりなバンドを、“とっておきのレコード”として紹介してくれた。彼らはサイケデリック・バンド。松尾さんは子供の頃からイギリスのフォークロアが好きだったことからお母さまが「レミ好きだと思うよ」と勧めてくれたそうだ。なんとも粋なお母さまである。音を聞いたとき、僕は完全に60年代か70年代のヒッピーのバンドだと思っていた。ところが調べてみると、1991年になんと15歳のウェールズの3人の少年たちが創ったバンドだということがわかった(!)。なるほど、面白いし、深いなぁ。

サイケデリック・ロックは、1960年代後半に発生し流行したロックのジャンルのひとつである。当時のロックシーンではLSDなどのドラッグが当たり前だった。その幻覚をサウンドとして表現したのがサイケデリックである。

サイケデリックをいち早くレコードにしたのはバーズだと言われている。1966年3月にサイケデリック・ムーブメントを先取りした先進的な楽曲「Eight Miles High」が発表した。こういう話になると必ずビートルズの話になってしまうのだが、バーズのロジャー・マッキンが12弦ギターの奏でるうねるような不協和音的イントロは、明らかにジョージ・ハリスンの影響だ、と本人も語っている。

ジョージ・ハリスンがシタールを知ったのは1965年4月、映画『HELP!』の撮影中のことだった。待機中のレストランで、インド人のミュージシャンが演奏していた。ジョージはこのギターのような形をした奇妙なサウンドを奏でているのが、インドのシタールという楽器であることを知った。シタールに興味を持ち、いろいろな人に話をすると、ジョージの耳に「ラヴィ・シャンカール」という名前が耳に入ってくる。バーズのロジャー・マッキンに話すと、彼もラヴィ・シャンカールの名前を知っていた。ジョージはオックスフォードの小さな楽器店でシタールを購入した。

その頃、ビートルズは「ノルウェーの森」のバッキング・トラックを録音中で、何かが足りないと感じていたジョージは、はじめてシタールを試しに演奏したみた。すると、ノルウェーの森に幻想的な雰囲気が加わった。1965年10月ことだったから、サイケデリックロックに関して録音はビートルズの方が先だった可能性もある。が、いち早く作品として発表したのはバーズだった。この曲のインパクトは大きく、いくつかのラジオ局が「ドラッグ体験を連想させる」との理由で放送禁止にした。ビートルズがLSDとインド音楽に影響を受けたアルバム「リボルバー」を発表したのはそのわずか5か月後。サイケデリックは一気にブームとなった。

その後、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスなどが続き、UFOクラブなどでライブ活動した当時のピンク・フロイドもサイケデリック・バンドだった。その後、80年代初期にはニュー・ウェイヴからネオ・サイケデリックと呼ばれるバンドが現れたが、もりろんドラッグの追体験ではなく、かつてのサイケデリック・ロックに影響され、ザ・キュアー、エコー&ザ・バニーメンなどが幻想的なサウンドを取りいれ、そう呼ばれていた。
それから久しくサイケデリック聞かなくなった。そうして、ウェールズのインディーレーベルからゴーキーズ・ザイゴティック・マンキが生まれ、サイケデリックとは縁遠い日本の片隅でそのサウンドに影響を受けた少女がいて、GLAM SPANKYが誕生した、、、。なんとも音楽の生命力は不思議だと思わざるを得ない。

(文・吉田雄生・WOWOW MUSIC//POOL企画・構成担当)

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