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中国で「note」書いたら年収2000万円! 中国のコンテンツ課金ビジネスと比較してみた

自己紹介・はじめに
中国でのデジタルマーケティング歴5年、大手広告代理店ADKやベンチャー企業を経験。中国のソーシャルメディアにおいて日本語と日本文化をメインとして紹介するコンテンツクリエイターとして8年間活動、日本領事館と関わったイベント多数参画。
こちらのマガジンでは「不思議」に発展している中国のインターネットビジネスを紹介し、皆様と諸々コミュニケーションができればと思います。

中国ではnoteに似ているサービスが多数あります。クリエイターの収入手段もより豊富です。ここではnoteにない機能や一部違うところを抜粋して紹介させていただきます。※全部で約3300文字、最後にまとめあり

まずnoteのサービスに定義付けます。キーワードは記事(サービスの基本・メインコンテンツ)と収入(ユーザーは作者であり読者でもあり、記事を投稿することで収入を得られます)。
この定義に従って、中国でもっとも近いサービスは三つあります。
一つ目は「简书」
https://www.jianshu.com/
名前は「簡単に書ける」(気楽に書ける)からの「簡書」。サービス開始の時間は2013年。2017年のシリーズBでは6.8億円の資金を調達完了。noteと一番似ているサービスです。
機能的に、エディターツールはリッチテキストとmarkdown機能が備わっていて、プロのライターにとっては大変便利なツールでもあります。

そしてここから本番に入ります。
個人で年収2000万円達成や会社を立ち上げることができるコンテンツ課金サービスは次の二つ。※年収2000万円は実際にあったケース

「WeChat購読アカウント」「Weibo記事」

まずプラットフォームについて簡単にまとめますと、
WeChatは日本のLINE、購読アカウントはラインの公式アカウントのようなもの(個人でもアカウント作れます)、
そしてWeiboはTwitterです。ただし、Twitterにない機能がたくさんあります。
膨大なユーザーベースを持っている二つのモンスタープラットフォーム。
Weibo のMAU(月間アクティブユーザー)は4億
WeChat の MAUは10億(グローバル)
※2018年中の公表より

「WeChat購読アカウント」、サービス開始は2012年

※WeChat購読アカウントPC管理画面、左側ではオートリプライをはじめ、投票・コメント・フォロワー管理、記事別集計、広告収益管理、開発など豊富な機能メニュー。ただし記事は基本WeChat経由で読まれるため、スマホ版しかないとの認識でよろしいかと思います

名前が「購読」なのに無料でしか読めない。要はフォローできますが「買う」機能がない。
サービス初期、クリエイターの収入源はnoteにもある「サポート」機能のみ。ただ違うところと言うと、手数料は一切かかりません。読者がサポートしてくれたお金は100%自分の財布に入ります。「WeChat」はLINEペイと同じ機能を持っているため(WeChatペイは日本のローソンでも使えるよ)、「サポート」のお金はシステム通知とともに即時自分のWeChatペイに入ります。これはクリエイターにとって魅力的ではないでしょうか。
初期では、「WeChat購読アカウント」の「サポート」機能は、フォロワー5000人以上のアカウント限定で付与されます。アカウントは誰でも無料で開設できますが、フォロワーが集まるまでに「サポート」はもらえないです。解決法として、支払い用のQRコード画像を文末に張り付けるのが一般的です。また、iOSストア料率変更に伴い、iOSの「サポート」ボタンもなくなりました。QRコード画像使用のみ。去年6月からは「オリジナル」記事を3本以上投稿すれば「サポート」機能が付くようになった。※「オリジナル」機能については最後に紹介します
近年では、記事内広告、文末広告機能も開発されています。※一部βテスト中

※画像は自分のアカウント投稿。文末には「サポート」用のQRコード、長押しで識別されます。広告はアカウントフォロー・バナー・動画などたくさんあります。アカウントの属性に合う広告が掲載される仕組みだそうです。最後にあるコメントは、クリエイター自身の判断で掲載させることができます

フォロワーの多いアカウントなら、プラットフォームの機能を使って、記事を投稿するたびに、広告収入(cpc)が上がります。こちらは即時決済ではなく、翌月にWeChatシステム自動送信の決済明細書メールから収益金額を確認できます。
また、購読アカウントはLINEと同じく、簡単な自動返信機能やメニュー機能がついてあり、エンジニアでなくても簡単に開発(設定)できます。配信した記事を分類し、オンラインマガジンのように仕上げられます。


「Weibo記事」は基本noteと同じ有料記事/有料マガジン/定期購読マガジンの仕組みになっていますが、細かいところで少々違います。購読(コンテンツ課金)サービスの開始は2017年11月頃、「サポート」機能は以前からあります。
・購読価格・税金・手数料などお金と関わるところ
1.Noteでは価格上限が設定されています。プレミアムですと50000円。Weiboでは、上限がありません。プレミアム制度もありません。ただし、定期購読(月間)の金額設定は必須になっていて、有料記事の単価は月間購読価格の10%以上に設定しなければなりません。
2.中国では確定申告がないため、所得税が課されます。月間所得800人民元(約13000円)以下は免税、4000元(約65000円)以下の場合、税金は800元超えた部分の14%、合計収入4000元超えた場合、税金は総額8割の14%。※简书も同じ
3.決済手数料・利用料に関しまして、noteの決済手数料クレカ5%、キャリア15%、利用料10%、定期購読20%に対し、Weiboの利用料は30%、読者がアップルストア経由の支払であれば、さらに30%の決済手数料が引かれます。結論:「note」の各種手数料が安い!
4.通常の購読収入のほか、Weiboでは様々なキャンペーンでクリエイターを支援しています。一番大きいのはクリエイターの投稿を促すための期間限定賞金山分けキャンペーン。大体一ヶ月の期間において、エントリーしたクリエイターの閲覧数順位で大額の賞金が与えられる仕組みになっています。平均閲覧数の少ないクリエイターでも、書けば書くほど閲覧数が増えますので、上位を狙えることも不可能ではありません。影響力の高いクリエイターは年末のフェスティバルに招待され、賞品などが与えられます。去年(2018年)「さんまの東大方程式」でインタビューされた東大生秋山燿平(マルチリンガル)は、Weiboで中国語の記事や動画を投稿し、渡辺直美と一緒に日本分野の人気インフルエンサーとして受賞されました。


・購読ルール
「Weibo記事」定期購読マガジンの購読期間内では、以前の記事も読めます。例えば1ヵ月だけ購読しても、以前投稿された記事を一気に読むことができます。読者側にすればかなりお得になりますが、クリエイター側からみれば少々不公平を感じられますね。

購読サービス開始から約1年、2018年年末Weiboが公開されたクリエイターの合計収益は2.4億人民元(約39億円)。この数字はユーザー収益ランキング3位にあります。2位は広告(記事のほか、Weibo投稿などによる広告収益)、芸能人などを除外された金額は12億元。そして1位はユーザー自発のE-commerce、売上は驚異の254億元。

最後に闇の部分についても少し触れます。中国では無断転載・パクリはよくある事情です。自分がすごい時間かけたコンテンツが知らないうちに他人・組織・企業のアカウントで掲載され、さらにバズてるととても痛いです。
この現象を解消するため、2017年5月にWechat「オリジナル保護」機能をリリースした。※「オリジナル保護」機能を起用するためにアカウント審査が必要です「オリジナル保護」を申請した記事に「オリジナル」マークが付けられ、新しい記事は配信される際に一度AIシステムより「オリジナル」記事と対照し、重なる部分が多い場合は転載情報(元作者アカウント情報)が記事の一番前に表示されます。Weiboの場合、去年7月に DCI(Digital Copyright Identifier)機能を搭載した。デジタル作品においての版権認証をを申込んだ記事に対し、厳しい審査を通せば作品登録ができ、デジタルの作品登録証明書が発行されます。これで作者が著作権・使用権を持つようになります。


「note」と中国の記事課金サービスと比べてみました!
中国の「note」特徴まとめ
1.編集ツールの機能がリッチ(動画を入れれる、HTML5実装など)
2.「サポート」の収益に手数料かからないですが、利用料は高め
3.購読以外の広告で収益を得られる
4.無断転載・改ざん現象がひどいため、クリエイター保護機能が実装されている


初noteは以上になります。
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