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D&Iを推進するCyberZ、「女性リーダー」が24.4%に躍進。 CDO室の今後の展望について。

国連のSDGsで、17の目標の一つに掲げられているジェンダー平等において日本は国際的に「遅れている」とされている中、日本は2020年までに『社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるよう期待する』という目標を立てました。
2021年現在、日本の女性の管理職の比率は8.9%に留まり、『30年まで』の目標に先送りされています。

CyberZではコロナ禍の2020年よりCDO室(Chief Diversity Officer)を立ち上げ、「WoW」という研修プログラムを導入したところ、翌年の女性リーダー職の割合が16.7%から24.4%にまで引きあがり、「女性リーダー30%」が目前に近付いています。
今回、CDO室の初代代表である高井と2代目代表の吉田の対談インタビューをおこないました。

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(左)高井里菜(たかい りな)
2014年CyberAgent入社、CyberZに配属。広告営業を経験後、同社広報部門に異動。広告事業をはじめ、eスポーツなどの新規事業広報を立ち上げる。
2018年より、株式会社eStreamの代表取締役社長、2020年にCyberZ CDOに就任。2022年5月に産休から復帰し、引き続き株式会社eStreamの代表取締役社長を務める。これまでにcyberagentgroup総会で最優秀スタッフ、マネージャー、スタートアップ賞を受賞。

(右)吉田莉穂(よしだ りほ)
2016年CyberAgent入社、CyberZに配属。1年半の広告営業の経験を経て2017年11月にリーダー、2019年4月からマネージャーに従事。※当時女性最年少マネージャー
その後2022年1月にシニアマネージャー、CDOに就任。現在は経営ボードとして社内全体の経営にも携わる。

────CDO室初代室長の高井さんから、当時どのような目標や想いでCDOの活動に取り組んだのか教えてください。

高井:
私がCDOに就任したのが2020年10月でした。
「ダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)に向けてCyberZの取り組みを話し合う場を作りたい」と代表の山内に声をかけていただいたことがきっかけですが、D&Iについて話し合っていくうちにCyberZ、並びに世の中において女性のリーダーなかでも幹部が圧倒的に足りないということに気が付きました。
「CyberZから女性幹部を輩出して、世の中にポジティブな影響を与えたい」というのが女性活躍プログラム『WoW』の始まりです。
私が担当した1年間は「CyberZの女性幹部輩出」を目的に取り組みました。
行った施策としては主に2つです。

1つ目は次世代女性活躍プログラムのWoWです。
Way Of Womanの略で、女性の新しい道を進む後押しになったらと思って開始したこちらのプログラムですが、参加したメンバーの30%が昇格を果たし、管理職への意向度をあげられていて、一定の手応えを感じております。
また、女性活躍の啓蒙を目的としたWoW報というnoteの更新も始めました。
そんな中、私は産休に入り、吉田に2代目CDOを任せました。

────CDO室に任命される以前から女性活躍についての考えはあったのでしょうか?

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高井:
新卒時代から、「女性・男性関係なく活躍できる会社で働きたい」という理由でサイバーエージェントを選びました。
実際に入社してから女性ならではの働きにくさや昇格できないといった経験はなかったので、環境を変えたいというよりも「環境も良くやる気もあるのにどうして女性幹部が少ないのか」と疑問に思っていました。

社内の女性と話してみるとこのようなモヤモヤを抱えているメンバーが多いことに気付いて、このギャップを埋めるためにプロジェクトとして何かしたいと常々思っていました。

────高井さんはまさにD&Iの走りの時期だと思うのですが、意識していたことはありますか?

高井:
「こういった女性像が正解だ」と提示するのはよくないと思っています。
これまでの女性活躍は、男性基準に合わせて女性が色々なものを捨てながら同質化することが求められていたと感じています。私自身その未来が描けず、自分らしい正解は何なのか考えていた時期がありました。
だからこそステレオタイプの理想像に縛られるのではなく、自分のことを一番理解した上で目指す働く女性の在り方を見つけていくことを意識しました。
周囲の声や自分の気持ちを大切にすることを意識して、色々なパターンの女性活躍を見せていきたいです。

────吉田さんが2代目CDOになられた際の気持ちや意気込みを教えてください。

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吉田:
高井からは前々から産休に入るタイミングで任せたいという話はもらっていたのですが、CyberZの組織体制発表の際に急に発表があり、とても驚きました。

まず初めに考えたこととしては、CyberZの現状です。
現在日本では、2030年までに女性管理職比率を30%まで引き上げることを目指していますが、そこに対して今CyberZはどのくらいギャップがあるのかをまず考えました。
その当時CyberZの女性管理職比率は約11%で、仮に男性が1人も昇格しない場合でも女性の昇格率が2030年までに30%に届かないことが分かりました。

そこで、最初の半年は母集団を増やすことを目的に置き、新しく新卒・中途の採用や広報強化を行いました。
結果として女性社員も増え、改めて現場の社員と話す機会があったのですが、そこで管理職だけでなくプロフェッショナル職を目指してる社員が半数程度いることに気が付きました。

現在の日本では女性管理職を目標に置いていますが、CyberZとしては管理職だけに拘らなくてもいいのではないかと思い、プロフェッショナル職を含めた「女性リーダー」と定義し、比率をあげていきたいと思っています。
代表の山内も「色々な人がいることで組織に提言する人やアイデアが多様化し、CyberZの武器になる」とよくお話しされています。

────女性活躍において「ロールモデル」ということがキーワードになってくると思います。ロールモデルについてお二人の考えを教えてください。

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吉田:
色々な記事を読んでみると、果たして「ロールモデルは必要なのか」という話が出てくるかと思うのですが、私は一定数必要だと思っています。
というのも私が高井さんになることは無理だとしても、高井さんをいいとこ取りをするような形で自分のなりたい姿や、方向性を決めることができると感じているからです。

また、自分自身も100%明確なキャリアプランがあるわけではないですが、それは悪いことではないと思っています。
自分も今20代後半でマネージャーをしていて、ここからまた新しいチャレンジすることによってなりたいものややりたいことが増えてくると思っていて、
そういう意味でロールモデルは移り変わっていくものであると感じています。

目の前のやりたいことにチャレンジし続けられている人や環境があった上で、各々のロールモデルができていくという形が理想なので、そのサポートをCDO室で行っていきたいと思っています。

高井:
結局ライフプランとかは、その人のプライベートの要素の方が大きいので何歳までに結婚して、何歳までに子供産んで、何人子供がほしいとかは真似できないことだと思っています。
しかし、どんな境遇でも成果を出し続けている、リスクをとって挑戦し続けているなどの「仕事」においての在り方は、ロールモデルとして置けるものがあると思っています。

個人的には仕事のために家庭を犠牲にしたくないですし、ある意味「わがまま」でいたいと思っていて、そのためには会社に理解してもらえるように成果を残すとか、信頼される人であり続けるとかそういった意味でのロールモデルは自分も目指していきたいです。
そういう人が周りにいると自分も鼓舞されると思っています。

────一期の取り組みでよかった点、また改善点からどう二期の取り組みをアップデートしたのか教えてください

高井:
個人的に良かったのは「ロジカルシンキング研修」と「リーダーシップ研修」の2つです。
ロジカルシンキングに関しては、構造的に話すことが比較的弱い女性が多いと思っていて、思考をビジネスライクに合わせ、経営者と話す際のベーススキルを持てたというのは良かったと思っています。

またリーダーシップ研修では「本当に自分がリーダーになりたいのか」を改めて考えました。
「周りから啓蒙されたから」や、「キャリアのゴールとしての昇格」などの理由で曖昧に目指していたところを、
どういったモチベーションでリーダーを目指したいか、そもそも目指さないのか、そういう問いができたのは今後長く働く上で良かったのではないかなと思っています。

吉田:
私もリーダーシップ研修が良かったと思います。
クリティカルシンキングを学ぶ機会は実務で多かったものの、直属の上司に赤裸々に自分が本当にリーダーになりたいのか話す機会がなかったので、
改めて「なんで自分はリーダーになりたいのか」「何を成し遂げたいのか」「どういう人になりたいのか」という自己分析ができたのはとても良かったです。

一期のプログラム自体はとても良かったとは思うのですが、一期が終わった後に代表山内から言われたのが「で、成果は出てるの?」「アウトプットって変わったの?」と聞かれました。
自分自身はスッキリしてパワーアップしていると感じていましたが、このD&Iの目的は、新たな視点で会社に提言したり新しいものが生み出すというところまでやり切ることだと思っていますし、
そうでなければ世の中にインパクトを出せているとは言えないと思います。

そのため二期に関しては最後、なにか大きな提言を組織に対して行うところまで自分を含めてやり切りたいと考えています。
例えそれが決議されなかったとしても、「最後に大きなアウトプットをした」ということが意識を変えるきっかけになると思います。

もう一点の反省点は、女性だけ・CDOだけ・WoWだけのように、前回のプログラムを進めてしまっており、男性社員にあまり知られていないということがありました。
D&Iというものは、一部の人だけでやっても意味がないので、これからは男性社員をどう巻き込んでいくか・男性社員にどう自分ごと化してもらうかというところはクリアにするべき点だと思っています。

────先ほどWoW報のお話もありましたが、広報面で今後行っていきたいことはありますか?

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吉田:
社外の女性リーダーとの繋がりを増やしたいと思っています。
CyberZの中のリーダーと他の会社の女性リーダーはおそらくまたカラーが違うと思っていて、
そもそも日本は女性のリーダー増やそうと思っていることに対して、どう思っているか・どんなことをしているか・自身はどうなっていきたいのか
ぜひ社外の方とディスカッションしたいと思っています。

具体的には一緒にイベントを企画したり、対談記事を出したりしたいです。


────高井さんから吉田さんに期待していることや想いはありますか?

高井:
女性活躍は一過性のものではなく続いていかなくてはいけないので、まず二代目に繋げられたことが個人的にはすごく嬉しいです。
今回CDOを吉田に繋げてWoWも二期が始まったということでCyberZの女性活躍自体は盛り上がっていると感じています。

しかしCDO室の活動をより盛り上げていくためには、先ほどの話にもあったように男性を含めた全員に協力してもらう必要があると思いますし、周りから応援されるようなCDO室にしていきたいと思っています。
そのために前CDOの私を含めWoW1期生のみんなでもサポートできたらいいと思っています。

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