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呪われた女17

           立川 M 生桃


たけのこ婆は家に帰った。

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たけのこ婆も昔は、村人から山姥だと恐れられていた。たけのこ婆の棲む山は、それはそれは、深い深い竹藪と山頂には霧がいつも姿を現した。

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その竹藪に村人が筍を掘りに入ると、2度と年寄りだけが家に帰れなかった。そう恐ろしい噂があった。

しかし、事実は、村人が年老いた老人をたけのこ婆の山に捨てていたのだ。


たけのこ婆は、その老人達を家族のように思い、共同生活を始めた。年老いた者は、段々、動けなくなり、介護をしなければ、ならなくなった。

所詮。老人はただの人間なのだ。 私のように半妖怪ならば、こんな事にならずにすむのに・・・・。

たけのこ婆は、介護施設を作った。不思議な山の大きな筍を家にして棲んでいた。

たけのこ婆が祈れば、大きな筍が生えてくる。それを今で言うところの老人施設にして、老人を介護しておった。


家に帰ってから、光明真言を唱えた。仕事がすんでからは、大豆を竹籠から竹籠に真言を唱えながら移し数を数えた。

一日中真言を唱えて、その大豆を煮て食べた。そうする間に、ある職員に異変が起きた。

たけのこ婆は、光明真言を一万回唱えきった。次は、十三仏真言を108回唱えた。

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真言を唱える事で、その真言を簡単に唱えられるようになっていた。

しかし、真言を唱えると、ある職員に異変が起きた。

相手がたけのこ婆に反抗的な態度や言葉を吐くのだった。

その相手は、たけのこ婆が割と良い職員だと思っていた職員であった。

その職員が他の職員を束ねていたのだった。

たけのこ婆が、不老不死の108歳の山姥こと若い女を探し、出会い、修行の仕方を教えてもらい修行をすれば、良い方向に向かって行くものと思っていた。

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たけのこ婆は、良い職員だと信じていた。その職員が修行を始めたからなのか? わからないが、突然態度が変わり反抗的な態度が日を増すごとに強く現れた。

たけのこ婆は、何がなんだかわからなくなってしまった。

若い女から言われた事に疑問を持つようになって、とうとう修行をやめてしまったのだ。





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