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【マネジメント】格段に情報量が違う現地現物

現地現物げんちげんぶつという言葉をご存知でしょうか?

これは、事実を自分の目で見て本質を見抜くという言葉です。

ちょっと古いかもしれませんが、踊る捜査線で織田裕二さんが「事件は会議室で起こるんじゃない!!現場で起きるんだ!!」と叫ぶシーンが象徴しています。

最近は、ネット情報やSNSからの情報で事実とそうでないものが混在しており何が事実なのかを分からずに信じてしまうケースが多いような気がします。

この現地現物げんちげんぶつですが、私はそれまで自分の判断で信じる、信じないとしてきたわけですが、トヨタの仕事を仕方を教えて頂いた師匠によく指摘されたものです。

理科系の人は割と実験などで事実を元にするということは当たり前になっている部分があるのですが、会社に入って何十年も経つと時間に追われ、目先の仕事をこなすことになっていくため事実確認までしていると時間がかかるため疎かになっていったのだと思います。

師匠によく言われたのは、「その話は自分で見たのですか?聞いたのですか?」と禅問答のように言われ続けました。きっと人の報告で動く癖が抜けていなかったのでしょうね。これがトヨタの口癖か!というものを体感した瞬間でした。

40過ぎてから色々と自分の欠点を指摘されるわけですから、恥ずかしいやら、情けないやらで今でも記憶に焼き付いています。「褒める」は記憶に残りませんからね。やはりズキっとするような言葉は脳に刻まれています。

そこで、事実を確認するために現場に行き実際にプロジェクトを見てみると、自分が思っていたよりも悲惨な状況で、昼から机ににうつ伏せて寝ている人もいれば、顔を見ると血の気が引いていて今にも倒れそうな人たちばかりだったのです。聞いてみると残業で深夜まで続いているのにプラス、徹夜が2日続いているということでした。

私は、このプロジェクトを立て直しに来たわけですが、まずは、寝ていない人には近くのサウナに行って睡眠を取ってもらい、ろくな食事をしていないというのでそれは申し訳いということで近くで寿司を取り寄せ食事をしてもらうなどの応急処置をしたところから入っていったのです。

もし、この事実を見ていなかったらこの応急処置をすることができずに何人かは救急車で運ばれていたのかもしれません。

これはちょっと大袈裟な例ですが、事実というのは、2次元情報ではなく、3次元情報でなければならないということなのです。

2次元情報というのは、文字やSNSなどの動画などです。CADなどをやっている人やモデリングの経験がある人はわかると思いますが、3次元情報というのは、2次元に比べるととんでもない情報量になっていきます。現実(リアル)に近ければ近いほど。。。

リモートワークは楽でいいやと思っている反面、膨大な情報量の恩恵を受けていたときに比べると膨大な情報が欠落しているという事実があります。

新たに事実に近い情報をどう見える化するかというテーマを色々な研究をして現実に近い必要な情報が見える化されている環境を整え、人が成長できるかを考えてきた結果リモートでも8割程度はリアルに近いマネジメントができることが見えてきました。

意思決定を行う上で重要なのは事実でモノを見て考えるという習慣です。

これも記憶に刻まれている言葉ですが、私が師匠にこんな本を読まれたことがありますか?とお聞きすると、師匠が「高木さん、本を読んでいる時間があったら現場に行って事実を見てきたらどうですか?」と言われ、まだまだ自分が知識欲を満たそうとしており、事実でモノを見るということが出来ていないということを実感した記憶があります。

事実でモノを見るという行動は、目の前のモヤモヤや意思決定の精度をあげてくれます。

事実でモノを見るということはなかなか難しですが、これは事実か?ということを自分に言い聞かせてやってみてはどうでしょうか?

すうすると、事実とは何かという問いに入っていくかもしれません。でもそれは事実に近づいている第一歩なのです。





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