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私にできること

何ができる。

何もできない。

この場所にいる意味は?

自分には何ができる?

多分、”できる”ことは何一つない。
自分で自分のことを”できた”と評価したことが人生で一度もないからだ。
そんなの、できることがあるはずない。

それでも私は自分に問い続けたい。

自分には、何ができる。

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高校生くらいまで、なんでも卒なくこなせるタイプだった。大体やってみれば、なんでもそこそこの結果を出した。
多分、実際は今もそうなのだと思う。
でも、自分より何か突出して才能のある人がいて、自分より何でも器用にこなす人がいて、そういう人が近くにたくさんいるから、自分のことが分からなくなる。

就活、部活、恋愛、授業、ゼミ、趣味。

どれも中等半端だった。

どれも結果を残せる人が羨ましかった。

何やってもうまくいかない。何やっても空回り。

久々だな、この感情。


一つうまくいかないと全部うまくいかなくなる。
きっと今がその時。

苦しい。

何より、たったひとりの言動に、たったひとつの出来事に、こんなにも心が乱されてしまうことが情けない。

苦しい。



「信じる」

2022年11月11日

あるひとりの同期がくれた言葉。
彼は、自分に言い聞かせるためにその言葉を呟いたのかもしれない。

私にも、その言葉はすっと胸に入ってきた。

それでも、その言葉の重みを、強さを本当の意味で思い知らされたのは、負けるなんて思っていなかった、なぜか全然負ける気がしなかった夜が明けて、負けた現実を見つめなくてはならなくなったから。


2022年11月12日

大きな転換点を迎えた。

どうして、昨日まで、絶対負けないと思えていたのだろう。
私たちは敗北した。

1年前と同じ結末が見える。

誰もが苦しいはずなのに、悩むべきことで悩めていない、苦しむべきことで苦しめていない感覚を覚えた。



昨日の彼が涙を必死に堪えていたこと。
あの場にいたうちの、何人が気づいていたんだろう。

それでも、昨日の彼は、みんなにこう伝えた。

俺は信じる。

どこまでもまっすぐで、だから弱くて、脆くて、時々心配してたけど、いつのまにか、誰よりも強くなっていた。

何話したかいつも忘れちゃうって言っていたけど、それほど、自分の心そのものを、その瞬間だけを生きて、いつも伝えてくれているのだと思った。

昨日の彼は、その夜、笑顔で話してくれた。

あの場で発言してくれた人たちに、俺は期待している。



「信じる」

全てをかけようと思った。

こんなに何もできない自分が、普通のことをして、みんなと同じことをしていたら、いつまで経っても追いつけないのは当たり前だった。

どうしてもやらなきゃいけないこともあって、考えなきゃいけないこともあって、それが苦しい。

一つのことだけ追えればと思うけど、どうしようもなく義務と未来が降りかかる。それが苦しい。

それでも、自分のできる限り、すべて尽くそうと思った。

何より、信じようと思った。

彼のこと。みんなのこと。自分のこと。


数週間前。彼は、涙が止まらなくなったのは初めてだって言っていた。

いろいろなものを背負って、苦しんで、辛くて、それでもいつ会っても笑顔でいてくれていたこと。

私、本当に、そのありがたさを身に沁みて感じてた?

どれだけ大変な思いをしているのか、知ろうとしてた?背景、見ようとしてた?


彼と一緒にいられるのはあと一年。

今日、一つ、決めたことがある。

誰よりも、私は彼のことを信じる。絶対に。何があっても。

誰よりも、私はみんなのことを信じる。それだけはぶらさない。これだけは、誰にも負けない自信があると言えるくらいに、信じる。


そんなようなことを話していたら、そのうち結婚詐欺とか合いそうだよねって言われた。

いやさすがにそれはないよって思いたいけど、結果的に詐欺に合っても、信じたい人だったら、私は信じ抜きたいと思ってしまった。

きっと、信じ続けた自分のことは嫌いにならない。

どれほど裏切られても、悲しい結末を迎えても。




永遠に答えの出ない問いは、答えがないから苦しいのだと思う。

その苦しみを乗り越えるためには、自分で、自分なりに覚悟しなければならない。

言語化する覚悟。気持ちを固める覚悟。行動する覚悟。

他の人から見えなくても、実際変わらなくても、道の先にあるものが結果なのではなく、道を見つけることが結果なのかもしれない。

こうだと決心することが、苦しみから抜け出す唯一の手段なのかもしれない。



私にできることは何もない。

今、とんでもなく苦しい。

いろいろなことが重なった。
うまくいくことなんてないと思ってしまう。


だから、私は信じる。

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