就職活動のイロハ(自己分析から会社選び)


★自己分析
自己分析は面接ES等で話す志望動機や自己PRに直結するので、就職活動で最も大事な部分かと思います。ですが、どうやって自己分析をしたらいいのか頭を悩ます就活生も多いかと思いますので、やり方を紹介してみます。
さて、そもそも自己分析はなぜ行う必要があるのでしょうか。そもそも就職活動の目的とはなんでしょうか。就職活動の目的はいい会社に入ることです。そして、そのいい会社の定義というものは人によって千差万別です。どの会社に入ったから勝ち組とか負け組などはなく、その人に合っているかが重要であり、合っている会社を選ぶ上では自分自身を理解する必要があるので自己分析が必要です。また、企業側も採用において自社で活躍できる人材を採用するためには、就活生がどういう人間なのかを理解できないことには自社で活躍できるか判断できません。しっかりと自分自身がどういう人間かを面接で伝えることができれば、あとは企業が自社で活躍できる人間かを見極めてくれます。(もちろん理想論とも言えますが)以上より、自己分析をもとに自分自身が活躍できる会社ではないかと思える会社を選ぶことが就職活動において重要なのです。
では、具体的に自己分析とはどうするのでしょうか。自己分析とは物事に取り組んだときに自分がアドレナリンが出る、やりがいを感じる瞬間を感じられるかどうかだと思います。仕事に取り組むことでアドレナリンを感じられれば苦しいときも乗り越えて努力することができますし、何より仕事をしていて楽しいかと思います。
では、アドレナリンがでる、やりがいとはどういうときに感じられるのでしょうか。やりがいが基本的に人が感じるやりがいは大きく3つに分類されると考えてます。チームワークにやりがいを感じる”協調型”、他者に貢献することでやりがいを感じる”貢献型”、成果を出すことにやりがいを感じる”成果型”以上が3タイプです。どれか1つだけというわけでもなく複数にまたがることもありますし、3タイプに当てはまらない人もいると思いますので、あくまで考えるヒントです。何もない真っ白なところから自己分析すると大変なので、自分はこのタイプかもという仮説を建てることで思考の整理を進めやすい目的があります。
この3タイプからどれでもいいのでこのタイプかもと思ったら、その仮説を証明する自分自身のエピソードを掘り起こします。こうして自分自身の仮説を検証することで自分自身も納得できますし、他人に説明する際に有効です。仮説を裏付けるエピソードを掘り起こしていくうちに自分はもっとこういう人間かもとか本当はこっちのタイプかもと思うことも多いかと思います。こうした作業を繰り返すことで自己分析は深めることができます。

★志望動機

次に自己分析を基に志望動機を考えてみます。志望動機の構成は「自分自身がやりがいを感じるときはこういう状況で、それは御社の仕事を通じても感じられるのではないかと思うから御社を志望します」というのが基本的なパターンとして覚えてください。やりがいを感じられることの説得力を持たせるため、過去の自分自身の体験を話すことで説得力は増します。一番してはいけないのは「御社の〜という強みが大変素晴らしいのでぜひ働きたいです」という志望動機です。誰でも話すことができる薄っぺらい話には説得力がありませんし、就活生がどういう人間かを知ることができません。自分自身の体験を通じて得られた経験を通じて相手に説明することで聞き手は納得できます。
また、よく聞く話として「御社は人で選びました!OB訪問で〇〇さんや✕✕さんとお話してこういう人と働きたいと思えました」というような人が就活の軸という志望動機も基本的におすすめしません。自分自身の体験を通じて話はできていますが、基本的に志望動機として弱く見えてしまいます。また、大企業にはいろんな人がいるのでたかが数人程度のサンプルでは入社して合わない人に遭遇して後悔することも多いです。そのため、人を志望動機とすることはおすすめしません。

「自己分析を通じて自分が感じられたやりがいを基に志望企業を選ぶなんてどうすればいいの?」という疑問が出てきます。本質的には会社のビジネスモデルを理解して仮説を構築するべきですが、社会にでていない就活生からしたらなかなか難しいかと思います。なので、おすすめのやり方はOB訪問で聞いてみることです。仲のいい先輩やなんとなく興味を持っている会社にOB訪問をしてみて「私はこういうときにやりがいを感じるので御社に興味があります!この志望動機はどうでしょうか」と話してみることが一番いいと思います。そうすることでOB訪問された側も好印象ですし、自分自身の立てた仮説に対するフィードバックが得られて、仮説が正しいか検証することができます。もし仮説が間違っている場合はどういう業種なら向いていると思うか、仮説の説得力が弱い場合は何が必要かといったことをOB訪問を通じて聞いてみることも合わせておすすめします。こうして自分自身の立てた仮説を検証することで仮説の確からしさを高めていくことが就職活動の近道になるのではないかと考えています。


★学生時代に力を入れて取り組んだこと自己PR

どこの会社でも聞かれる”ガクチカ”ですが、これも抑えておくべきポイントがあります。会社側は就活生がどういう人間かを知ることで自社で活躍できそうかを判断します。だからこそ志望動機で自分自身のやりがいを話したかと思いますが、自己PRでは志望動機と繋がりをもたせることで会社側にどういう人間かをよりアピールできるかと思います。例えば、協調型の人間が個人で成果を挙げた経験を説明した場合はどういう人間かぶれてしまうと思いませんか?そのため、ガクチカや自己PRでは志望動機でアピールした自分自身のやりがいに通じる経験を話すことで、会社側にどういう人間かということをより理解してもらうことができます。


★タイプ別のやりがいと合っていそうな業種
まとめとしてタイプ別のやりがいと向いていそうな業種、志望動機の例などをまとめておきます。あくまで参考程度に
■協調型
他者と協力しながら物事を行うことにやりがい
デベロッパー、運輸、建設、インフラ系、商社、メーカーなど
例)デベロッパーの仕事をする上でテナント、建設業者、地主など様々な利害関係者をまとめることが必要。そうした多くの人たちをビルの完成という大きな目標に向けて動かしていくことにやりがいを感じられるのではないかと考えている。なぜなら私は学生時代に〜という経験を通じて〇〇というやりがいを感じられたからです。だから私は御社で働くことでやりがいを持って働くことができると考えています。

■貢献型
他社のために自身が貢献することにやりがい
銀行、保険、B2B営業、コンサル、ITなど
例)私は自身の力を用いて誰かの力になるときにやりがいを感じます。金融機関では金融という専門的な力を用いて顧客の悩みや問題を解決することができます。だからこそ私は御社に入社し顧客に貢献するため専門性を身につけるために努力をすることができると考えています。

■成果型
目に見える成果を出すことでやりがい
証券、MR、不動産等の営業職種、商社、
例)私はこれまでの人生で結果にこだわってきました。学生時代の〜の経験などを通じて、結果を出すために様々な努力を行い、それが結果に繋がり他者から認められる瞬間こそが何よりの生きがいでした。そのため仕事選びでも証券会社という目に見える成果のわかりやすい仕事が向いているのではないかと考えています。


その他の仕事のやりがいとしてよく聞くものは以下の通り。こうしたものにやりがいを感じるかどうかを考えて思考の整理を行うことでも自己分析に役立つかと思います。ぶっちゃけやりがいを基にロジックこねくりあげれば大概の会社の志望動機は作れるのではないかとも思います、、

・評価
他人から自分自身の成果や貢献内容に対する適切な評価を得たい
広告メディア

・成長
成果を出したり他人に貢献するために成長を惜しまない
プロフェッショナルファーム系(コンサル、金融、会計、法務等の専門職)、営業系

・裁量
言われたことだけの仕事ではなく自分自身で裁量を持って仕事がしたい
ベンチャー系

・仕事の面白さ
楽しく仕事をするには仕事内容が楽しいものでありたい
エンタメ系など

・責任感
責任感を感じるときに力を発揮できる
金融系、インフラ系


【14つの労働価値】
・能力の活用(自分の才能やスキルを発揮できる)
・経済的報酬(たくさんのお金を稼ぎ、いい暮らしをする)
・創造性(新しい価値やモノを創出する)
・愛他性(人の役に立てる)
・美的追求(美しいものを作る)
・自律性(他のものから束縛を受けず、自力でやる)
・達成(いい結果を出す)
・ライフスタイル(自分が望んでいる生活を送る)
・社会的評価(社会的に広く認めてもらえる)
・身体的活動(身体を動かす機会がたくさんある)
・社会的交流性(色んな人と接点を持てる)
・冒険性、危険性(ワクワクする体験ができる)
・多様性(様々なことができる)
・環境(仕事環境の居心地がいい)

★本音ベースでのアプローチ
自己分析を基にする会社選びはあくまで建前的な部分。なかなかこの会社がいいという決め手にはなりにくいかもしれません。本音ベースでの会社選びも非常に有効です。また、本音ベースでのアプローチも自己分析につながる部分は多いので、どういう条件を自分が重視するかを考えることを整理することは非常に重要だと思います。

・給料
・勤務地
・激務度
・有名企業
・安定さ
・単純に憧れ
など

★業種別企業一覧(漏れ多数)
参考までに業種別に大手企業をまとめてみました。漏れも多いので気が向いたらアップデートします。
■製造業(メーカー系)
◯素材系
・鉄:日本製鐵、JFE、神戸製鋼、東京製鐵
・非鉄:三菱マテリアル、日立金属、住友金属鉱山、住友電工、
・化学:信越化学、富士フイルム、クラレ、三菱ケミカル、三井化学、住友化学、
・繊維:東レ、帝人、東洋紡、ユニチカ
・石油:ENEOS、出光、INPEX、JAPEX、コスモ
・その他日系:AGC、日本製紙、王子製紙
・外資:ネスレ、3M、デュポン、ダウ、BASF

◯消費財
・ビール飲料:サントリー、アサヒ、キリン、サッポロ、日本コカ・コーラ、伊藤園、ダイドー
・食品:サントリーBF、味の素、明治、日本ハム、ニチレイ、JT、日清食品、森永乳業、森永製菓、日清製粉、日本製粉、
・水産:日本水産、マルハニチロ
・日用品:花王、資生堂、ファンケル
・外資:P&G、ユニリーバ、日本ロレアル、エスティローダー、LVMH

◯B2B
・重工造船:三菱重工、川崎重工、IHI、三井造船
・工作機械等:キーエンス、ファナック、安川電機、DMG森精機、オークマ、
・機械:コマツ、クボタ、ダイキン工業、
・電気機器:日立製作所、パナソニック、三菱電機、東芝、シャープ、京セラ、
・精密機器:オリンパス、コニカミノル、テルモ
・電子部品半導体:村田製作所、東京エレクトロン、アドバンテスト、キオクシア、ルネサスエレクトロニクス、日立ハイテク、SUMCO、太陽誘電、ローム
・外資:GE、ABB、

◯B2C
・自動車:トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、スバル、三菱、いすゞ、日野、ヤマハ発動機
・自動車部品:デンソー、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田合成、
・ゲーム・エンタメ系:任天堂、ソニー、バンダイナムコ、カプコン、コーエーテクモ、セガサミー、コナミ、OLC、ポケモン、サンリオ、USJ、
・楽器:ヤマハ、カワイ、ローランド、
・カメラ:ニコン、キヤノン、
・製薬:武田、アステラス、第一三共、
・外資:ボッシュ、J&J、ファイザー、アストラゼネカ、グラクソ・スミスクライン、

■非製造業(サービス系)
◯金融
・商業銀行:三菱UFJ、SMBC、みずほ
・信託銀行:三菱UFJ、三井住友
・地方銀行:横浜、千葉、YM、FFG、など
・系統金融:農林中央金庫、信金中央金庫
・証券会社:野村、大和、日興、みずほ、MUMSS
・損害保険:東京海上、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損害保険
・生命保険:日本生命、第一生命、明治安田、
・金融インフラ系:日本銀行、JPX、日証金、短資会社
・アセマネ:野村AM、大和AM、AMOne、東京海上AM、日興AM、三井住友DSAM、三菱UFJ国際投信
・MA:日本MAセンター、ストライク、MAキャピタル、GCA、
・FAS:ブルータス、その他会計系
・リース:三菱UFJ、東銀リース、ほか
・ネット系:SBI、マネックス、松井証券、カブコム、ジャパンネット、ソニー
・その他:PE、VC、REITなど
・外資:GS、MS、JPM、CS、シティ、ブルームバーグ

◯コンサル
・戦略:マッキンゼー、ベイン、BCG、DIほか
・総合:デロイト、会計系など
・シンクタンク:三菱総研、日本総研、NRI、
・IT:アクセンチュア、ベイカレント、シンプレクス、

◯IT
・ソフトウェア:サイボウズ、
・ハードインフラ:GMO、
・Sier:富士通、NEC、NTTデータ、NRI、JSOL、NSOL、OBC、TIS、CTC、ISID、ネットワン、SCSK、ユニシス
・サービス:M3、楽天、ZHD、
・外資:グーグル、アマゾン、マイクロソフト、フェースブック、SAP、セールスフォース、IBM、オラクル、シスコ

◯広告メディア
・広告代理店:電通、博報堂
・ネット広告代理店、サイバーエージェント、セプテーニ、バリューコマース
・テレビ:NHK、日本テレビ、テレビ東京ほか
・出版:集英社、小学館、講談社
・新聞:日本経済新聞、読売ほか


◯卸売
・総合商社:伊藤忠、三菱、三井、住友ほか
・専門商社ほか:メタルワン、

◯小売
・ファーストリテイリング、ニトリ、セブンアイ


■インフラ不動産系
◯建設
・ゼネコン:鹿島建設、清水建設ほか
・プラント:日揮、千代田化工建設

◯不動産
・デベロッパー:三菱地所、三井不動産、森ビル、森トラスト、住友不動産、東急不動産、東京建物、ヒューリック、
・販売仲介その他:オープンハウス、

◯電力ガス
・電気:東京電力、関西電力など
・ガス:東京ガスなど
・再エネその他:レノバ、

◯通信
・キャリア:NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、沖縄セルラー電話
・その他:NTTコミュニケーション、NTTコムウェア、NTT東西

◯運輸倉庫
・空運:ANA、JAL
・海運:日本郵船、商船三井、川崎汽船
・陸運:日本郵便、ヤマト、佐川
・倉庫:三菱倉庫、三井倉庫、住友倉庫
・鉄道:東急、阪急、JR東、JR東海。JR西、小田急など

◯その他
・非営利法人
・大学職員
・官公庁


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