見出し画像

頭でっかちが成果を上げられないのは何故か? 実践経験の大切さ

ゴルフを嗜む方の大半が、一度や二度は「100の壁」に突き当たっているのでは?プロゴルファーは70前後で回りますので、その差は歴然。でもアマチュアゴルファーにとって「サブ100」はささやかなステータスなのです。
 
だからゴルフを始めた人は、100を切るためにあらゆる努力をします。私はかつて、社内のゴルフコンペで貴重な体験をしました。それは同じ組で回った後輩Hくんのお話です。
 
「Hくんは今日がコースデビューだよね? どれくらい練習したの?」
「大まかなルールは覚えましたよ。ピンから遠い人から先に打つとか」
「あ、いや、だから、練習は?(^^;)」
 
彼はまず、ゲームのルールをしっかり身に着ける所から始めたようです。まあ、それ自体悪いことではないのですが…。私が自分の耳を疑ったのは、なんと、クラブを握ったのは今日が初めてらしい(>_<)
 
その後展開されるであろうドタバタ劇を想像し、目の前が真っ暗になりました。交通規則だけ覚えて、いきなり車で路上運転するようなものですからね。

私は予測される悲劇を最小限に食い止めるため、彼に一言だけアドバイス
 
「5番アイアンとピッチングだけ持って、とにかく走れ!」
 
結果はご想像の通り。彼の最終スコアは200を超えていました。練習もしないで、いきなりコースに出るのはやはり無謀。それにしても、よくもまあ、最後まで打数を数えていたものだと、変な感心をしてしまう私なのでした。


ビジネスにおいても同じようなことが言えます
 
仕事を始めるためには、まず一通りの業務関連知識を身につける必要があります。しかし、それだけで仕事はできません。ゴルフに例えれば、Hくんの状態ですね。
 
だから練習が必要になります。工場で作業訓練したり、上司の業務補佐をしたり、先輩営業マンと同行したり。ゴルフの場合は練習場に行ってボールを打ちます。
 
では、練習したからといってすぐに100を切れるでしょうか?
 
おそらく、いきなり100を切れる人は1000人に一人もいないでしょう。練習場でボールを打つのと、起伏のあるコースでプレイするのとでは大違い。実践経験を積むことでしか、一定の仕事レベルに到達することは出来ないのです。
 
 先日、あるお客さんの経営幹部からこんな相談を受けました
 
「うちの社員は自分で考えようとしない。みんな指示待ちなんだよなあ…」
「あー、そういう話よく聞きますね」
「社員が自ら考えて主体的に行動するようになる研修ってできないかな?」
 
能力開発の「場」は、自己啓発(SD)、研修(Off-JT)、職場訓練(OJT)の3つに大別できます。主に自己啓発は知識習得、研修はスキル開発に対応しますが、職場訓練(OJT)は実践を含む全てのステージに対応します。
 
ただ、仕事が複雑化、多様化、専門化する今日では、職場訓練が難しくなっていて、それを補完する研修ニーズが高まってきているのかもしれません。
 
ゴルフに例えれば、練習場でコースの臨場感を味わう、という感じでしょうか
 
横峯さくらを育てた父芳郎氏は、ユニークな練習方法を発案することで有名でした。例えば、50M先にポールを二本立ててその間を通す練習。林に打ち込んだ後のリカバリーショットをイメージした訓練方法だそうです。
 
「5番アイアンとピッチングだけ持って、とにかく走れ!」
 
職場で怒号を飛ばすだけでは、人は育ちませんからね

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!