SDGsへの批判
意識していたわけではないがいつの間にかSDGsに関して知識を持つ者として様々なイベントにお陰様で呼ばれるようになった。昨年は
・ (株)日本旅行社員研修
・ ベネッセ主催SDGsユース
・ SDGsよこはまcity2020
の3件で講演させて頂く機会を得た。自身の手がける国際協力プロジェクト授業は文部科学省の「教育現場ににおけるSDGs達成に資する好事例集」にも採択され同省のホームページに掲載されている。
SDGsとは言わずと知れた2030年までに各国が達成することを目標とした17の社会的課題のことである。詳細についてはこちらをご覧頂きたい。
社会には様々な課題があるが、それを集約し17にまとめたものだ。知らない人は多いが、SDGsは2015年国連サミットで全会一致で採択された。
このコロナ問題でもそうだが国連が全会一致で何かを採択するのは珍しいと言えば珍しい。知らないだけかもしれないが。いずれにせよ、この時を境に世界ではSDGsの普及に力を入れ始めたのである。
紙面でいつも「日本のSDGs順位は!?」と取り上げられることが多いので知っている人も多いだろうが、毎年各国のSDGs達成状況がレポートとして公開され、世界的な順位が示されている。先進国である日本はもちろん上位であると想像するだろうが、残念ながら2020年レポートによると17位である。
経済的順位が世界で3位と言われる日本だが、社会問題への取り組みという面では評価がされていない。まあ、世界第一位の経済大国アメリカは35位、第二位の中国は39位なのだから経済とSDGsを両立するのはかなり難しいのかもしれない。
かと言って手をこまねいているわけではなく、日本の企業も取り組みを始めている。
ビジネスとSDGsは切り離せなくなりつつある。現に
のようにSDGsに取り組む企業への投資を行っているファンドも多い。結果もグラフを見る限り上々のようだ。
ジェンダー平等世界121位の評価を受け、その改善もみられないところを鑑みるに2030年に17の目標全てを達成することは難しいであろう。しかし、人類がより良い世の中を作るということを共通の目標として目指すのは間違いではない。
しかし、残念ながらにわかSDGs知識者はこの目標に対してあれこれクレームをつける。代表的なのは「金の匂いがするけどどうなの?」である。この意見を聞くと本当に頭が痛くなる。
そもそも資本主義社会において、何か活動を起こす際に資本を結びつけないことには持続可能な社会を形成することはできない。金か社会問題かではなくその両立、共存が大切なのである。そうでなければ再び社会主義VS資本主義という構図の議論を再燃させなければならない。その結果は今の世界情勢から見ても目に見えている。
そもそも以前のブログでも書いたが、金か社会貢献かでは結局誰も幸福になれない。金は悪で、社会貢献は善であるという考え方をまずは変えていかないと善者は常に損をする。
日本人はとりわけ拝金主義者が多いわりに資本に対して悪いイメージを持つ。なぜなら、国民ほとんどが生かさず、殺さずの所得で生きているからだ。アメリカでは事前活動家の多くはビジネスで成功した者がその余力でやるものであり、一部の人間は社会貢献活動と自分のビジネスを結びつけるしたたかさを持っている。
単純な質問をしよう。「持続可能な社会を形成するのに自己犠牲の精神は必要か?」その答えはノーであろう。では、次の質問だが、「自分が潤い、社会も潤う、それは持続可能な社会を作ることであろうか?」自己資金を蓄え、増やしながら社会貢献活動に勤しむ人たちこそ真の持続可能な社会を形成する活動家と言えるのではないだろうか?
世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。