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ウール製品取り扱いの注意点

ウールで出来ている製品と言えばスーツ、コート、セーター、シャツ等いろいろな衣類に使われています。ウールはたんぱく質でできており、生きた繊維と言われています。その為取り扱いに関しては何点か注意点があります。今回はそれをご紹介します。

・水洗いすると縮む
なんといっても一番気を遣うポイントは水洗いをすると縮むという事。これはみなさんよく耳にすると思います。どういった原理で縮むのか。
ウールの表面を拡大して見てみるとスケールと呼ばれるうろこ状になっています。このスケールが水分を含むと開き、開いた状態で摩擦など圧力を加えると開いたスケール同士が絡み合い離れなくなります。
洋服が縮む原因はこの表面のスケールで、縮む現象をフェルト化と言います。このフェルト化は羊毛繊維独特の現象です。

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           通常時     スケールが開いた時

家庭用の洗濯機での水洗いは水分を多量に含み、かなりの摩擦が加えられるのでフェルト化しやすいでしょう。
家庭で洗うならまずスケールを開かせないようドライマーク用洗剤を使用しさらに摩擦を与えないように丁寧に手洗いすれば洗濯可能です。一番良いのはクリーニング屋さんでドライクリーニングをしてもらう事ですね。

・毛玉ができやすい
ウールは表面がうろこ状になっている性質上、毛玉ができやすくなります。
毛玉のできるタイミングは体を動かした際におきる衣類同士の擦れが主な原因です。しかしウール100%の素材でできた衣類の場合、ウールは柔らかな繊維なので毛玉は摩擦により自然と脱落するのであまり手間がかかる印象はありません。厄介なのはアクリル100%の素材でできた衣類です。アクリルはウールに近い風合いを狙って作られた化学繊維です。化学繊維なので繊維強度は強く、毛玉も強いので落ちにくくなります。
ウールと化学繊維の混合繊維も厄介な毛玉ができやすくなるでしょう。
対策としては着用後のブラッシングやクリーニングに出す等が考えられます。最近では毛玉防止用スプレーなんかも販売されてるみたいなのでよい対策になるかもしれません。

・虫食いに会いやすい
ウールやカシミヤ、アンゴラなどの動物繊維は衣類害虫に好まれる素材です。さらにそこに皮脂や食べこぼしなどがあるとより一層虫食いの被害にあいやすくなるでしょう。害虫はじめじめして湿度が高く汚れた場所を好む傾向が有るので、洋服タンスの中を害虫が好まない清潔な空間にすることがとても大事です。その為にできる事は、
衣類をタンスに入れる前に汗の汚れや食べこぼしをなくす為にしっかり洗濯し清潔にする事。洗濯物を取り込むときに害虫がついてくる可能性があるのでブラシなどで払い落としていただくと尚良しです。
湿度が高い環境は害虫が好む環境なので定期的にタンスの扉を開けたりして風通しを良くする事。
防虫剤、除湿剤をタンス内に置く事も効果的。

このように少し手間はかかりますが、物を長く大事に使用する為には手間暇をかける。これは衣類に限らず全てに言える事かもしれません。

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