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【叙】イスラム過激派を利用し、シリア政府を弱体化させるトルコの思惑か。

4月1日の早朝、シリアのアレッポ県西部でシリア・アラブ軍とHTS過激派の戦闘が発生し、これによりシリア人権監視団はSAA側が5名死亡、2名が負傷したと発表している。

軽機関銃を搭載した車両で攻撃を行うHTS

シリア人権監視団による情報操作?

シリア政府はSAA兵士に死亡者は確認しておらず、SAAの劣勢を描くような情報操作はやめろと非難している。

シリア人権監視団は英国に拠点を置き、シリア、イラク、アフガン、リビアなどの現地人から情報を収集し、メディアの一環として報道している。

不透明性の高い情報をソースにそれを事実かのように述べ、拡散するのは明らかなシリアに対してのデミグラスと言っても過言ではない。

実際、フランスからは「シリア人権監視団の報告は透明性が低く信用できないところもある」と述べてるわけだし。

逆にシリア政府が自国の優勢化をはかるためにSAA兵士の死傷者を隠蔽することもあり得るが、SAA兵士は正規兵でシリア国防省に兵士の名前は登録されている。

故に非登録者のHTSメンバーに比べるとSAA兵士の死傷者数を隠蔽することは難しい。

記事・HTSとは

過去10日間でHTSはイドリブ県だけで4回の攻撃を行っている。

攻撃の意図は?


イドリブ県はロシアとトルコによって設置された停戦地帯であり、その停戦地帯をSAAとロシア空軍が監視している感じだ。

ロシアとトルコが設置した停戦地帯と停戦条約を攻撃し、それをSAAが防衛できなっかっとなると、停戦地帯が停戦地帯の機能を果たせなくなりシリア政府及びSAAの威厳と権威を弱めることができる。

トルコのエルドアン大統領とシリアのアル・アサド大統領は3月の会合設置の際にも、

エルドアン大統領は「シリア北部から軍は撤退させるつもりはない。撤退させないことを軸にならアサド大統領と国交回復の会合を開いてやってもいい」と言っている。

アサド大統領は「トルコ軍がシリア北部から撤退して初めて、国交回復の会合を設ける。だからトルコ軍はシリアから出ていけ」

と双方はトルコ軍駐留に対し一歩も引かない状況だ。

HTS過激派は2011年のシリア内戦勃発後、クルド人武装勢力と衝突しており、このクルド人武装勢力に背後からトルコ空軍が空爆するなど、HTSとトルコは水面下で同調してると言っても過言ではない。

現状のトルコ軍の立ち位置はHTSからすると後ろ盾に近く、トルコ政府からするとHTSは利用できる駒である。

シリア北部からトルコ軍が撤退することによりSAAがトルコ軍の目を気にせずHTSに大規模な攻撃を仕掛けることができ、停戦地帯の保護につとめることができる。

これをHTSは危惧し、停戦地帯であるイドリブ県を攻撃し、「守ると言ったのに守らなかったシリア政府がいる!」と叩きつけ、ここでトルコが出てき「やはり我々トルコ軍がいないと、停戦地帯すらもシリア政府は保護することができないんだな。ならイドリブ県に近い北部でトルコ軍駐留させて停戦地帯の防衛に努めてやるよ」と言った、トルコ政府はHSTを利用したトルコ軍がシリア北部に駐留する口実を作ることができる。

そして、その口実を更に肯定し拡散しているのがシリア人権監視団とも言える。

この様な背景がある故に、HTSやISがハマ県で攻撃を行い、SAA兵士の死傷者を根拠なく発表するシリア人権監視団は信用ができにくい形になる。


何故なら、英国もアル・アサド政権が失脚することによって利益を得れるからだ。

(因みにHTSやISなどシリア国内で活動する過激派はTOYOTA車を多く利用しており、上記の画像もTOYOTA車であると考えている諸外国の人間は多い。)

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