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絵本はちいさな子どもが読むだけ?今どきキャリア授業の1つに!

2019年の年末のことになりますが、湘南ゼミナール難関高受験コースが開催するキャリア教育企画の一つとして、「WORLDLIBRARY&翻訳家のお仕事」という小学校高学年〜中学生向けの特別授業を担当させていただきました。

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絵本は、子どもにとっては、手に取りやすく、読みやすくて、馴染みがあるモノです。でも、何となく、小学校低学年以降になると、疎遠になっていく感じがありますよね。そして、親になって、子どもに絵本を読み聞かせして、その良さに今更気づいたり、懐かしく想ったり。。。

そして、人々に届くまでには、もちろんですが、原作者、翻訳家が居て、出版社があって、流通があって・・・、いろいろな仕事に関わる人々がいるんですよね。

ワールドライブラリーは、「世界を通じて、世界と出会い、世界を知るきっかけをつくる」をコンセプトに、世界の絵本を子どもたちに届けるために事業を展開しています。今回のキャリア授業については、湘南ゼミナールの皆さまが貴重な機会を与えてくださり実現したことになりますが、主に絵本を通じた仕事の講義と、翻訳家、帯づくりを体験する授業構成で行いました。

はじまりは、世界で出会った絵本

ワールドライブラリーの起業と絵本レンタルサービス事業展開のきっかけについては、いつか別記事でnoteに書けたらと思いますが、授業の冒頭に講義した内容が全てなんです。

世界中の出版社から、日本で翻訳して販売するための権利を取得して海外の絵本を日本語翻訳して出版する仕事です。

努力して手にした翻訳家の仕事 かまちゆかさん 

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ワールドライブラリーの出版絵本の多くの翻訳を手掛けているかまちさん。小さい頃からの夢であった翻訳家の勉強を初めてから、ご自身の翻訳の本が出版されるまで、10年位掛かったそうです。かまちさんが仰っていたのは、絵本は原文も難しくはないので、簡単そうって思ってしまいますが、実は結構手強いそうで、訳すだけでも2〜3週間は時間がかかるものだとか。翻訳家が100人いれば、100通りの訳があるといわれる翻訳の世界です。

普段、英語の勉強をしている生徒さんにも、翻訳のお仕事の体験によって、受験勉強ではない英語と翻訳の奥深さを体験してもらうこととなりました。

翻訳家 かまちゆかさん:
子どもの本の翻訳というのは、子どもたちに夢や冒険を届けられる楽しい仕事だと思っています。良い翻訳がどんなものかというと、読んでいて翻訳だと分からないような自然な日本語になっている、子ども達が夢中になって読めるような訳だと思います。
これからもそういう翻訳ができるように私自身も努力をしていきたいと思っています。
その為にも私が特に大切にしているのは、自分自身が楽しんで訳すこと。自分自身が楽しんでいないと、どんな訳をしたって読んでいる方が楽しめないと思うので、これが何より大切だと思っています。

みんなで、本の“帯”を作ってみた!

生徒さんが選んだワールドライブラリーの絵本に、生徒さん自身のリコメンド付きの特製の“帯”を付けてもらうワークショップを実施。書店に並ぶ本の“帯”は、原作者の伝えたい想いを簡潔に、そして、商業的に言えば、人の心を動かし購買活動に繋げるというこということになりますよね。

そういえば、最近見たテレビ番組で、本の帯を“捨てる派”か“取っておく派”か、なんて調査がありましたね。(確か“取っておく派”が多かったと記憶していますが・・・)

今回の絵本の“帯”作りは、作り手と読み手を繋ぐ重要なメッセージが必要です。物語を自分なりに理解した感想やイメージを文字やデザインにして、ワールドライブラリーの世界の絵本に、とっても素敵な“帯”を添えてくれました。(やっぱり子どもの発想って素晴らしいです!)

日本語の力も必要だし、想像力、アイディア、デザイン力も必要!

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絵本タイトル/ABCのゆめみてる(作・絵:ヘンリー・フィッシャー/訳:おおさく みちこ/発行:株式会社ワールドライブラリー)        生徒さん:
この本は夢の世界だと、いろいろな生き物がいて、いろいろなことができたりするので、私も人魚を書いて少年に語り掛けるようにしてみました。―――「夢の世界はすてきでしょ。夢の世界なら何でもできる、あなたの好きなこと、やりたいこと。今夜あなたは夢の世界でなにをするの?」

絵本を通じて

ワールドライブラリーには、新しい絵本を翻訳出版すること、安定的に供給すること、新しいサービスを生み出すこと等、常にチャレンジできる環境があります。それは、絵本がどの世代にも、巡り巡って身近にあるものだからです。私たちは、今回のキャリア授業という経験で、それを実感することが出来ました。

自宅の絵本を1冊、手にとってみて、どこの国の絵本か(日本?海外?)、作家、翻訳家を調べてみる。内容について考えてみて、簡単な感想文(SNSでも!)を書いてみる。絵本に帯をデザインしてみる。そして、だれかに薦めて(投稿して)みる!

小さな子どもだけでなく、小中高生、大人も・・・・、絵本はいろいろな使い方ができます。

そして、未来の子どもたちのキャリア授業の1つのアイテムにもなれば、とっても嬉しいです。