ミモザと日通
大学へ引っ越すために荷物を日通に預けた。ギターは持っていくことにして、寄せ書きは置いていくことにした。ぬいぐるみも悩んだけれど置いていくことにした。漫画は半分ほど持っていくことにして、小説は全て持っていくことにした。
コンビニに行くと100円のプライベートブランドのアールグレイティーを買う。最近はどこのコンビニでも600mLのお茶が沢山置いてあるので嬉しい。レジ前のミモザのキャンディが気になったけど買わなかった。去年まで通っていた予備校の向かい側には小さな花屋があって、そこにミモザの花が置いてあったことを思い出す。本当は欲しかったけれど買えなかったことを思い出す。
いらないと切り捨てたもの、必要だけどいらないふりをしたもの、いらないのに必要なふりをしているもの。その組み合わせはどれもが不格好で、それはわたしのこれまでの生き方を表しているのだろうか、と思う。
誰かに見せる訳でもないのに変に格好つけて捨てたもののせいで孤独になっている。誰に見せる訳でもないのに格好つけて必死にもっているもののせいでやけに饒舌になっている。
このままだと本当にひとりぼっちになってしまいそうで怖いな、と思う。もっと素直に欲しいものを欲しい、とか、必要なものを必要だ、って言えるようになるべきだと思う。スーパーでデブだと思われる恥ずかしさをこらえて大きなポテトチップスを買ったりするように、流行りの音楽や恋愛リアリティショーを一緒に楽しむ友人を作るべきだと思う。
十数年かけて育ててきてしまった変な価値観は、思いの外大きく重くなってしまった。でもこんなものでも私の大切なものだから捨てる気にはならない。それこそ実家に預けるように心のどこかにしまっておいて、新たなことを挑戦してみてもいいのかな、と思う。
そういえば今年は引越しの関係で桜が全然見れなさそう。だから君、来年一緒に見に行こうよ。
サポート宜しければお願いします、おそらく本を購入します