北アイルランド議会とは
北アイルランド議会
武力闘争とその限界が議会設置の背景にあります。1960年代から続いたカトリック住民によるIRA(アイルランド共和国軍)の武装蜂起とそれに対するプロテスタント側の反発は、1990年代に入り行き詰まりを見せ始めました。
【成立の経緯】
1960年代以降、IRAを中心とするカトリック住民の武装蜂起が勃発
これに対しプロテスタント側も武力で対抗し、30年に及ぶ内戦状態に
しかし1990年代、双方とも武力による決着は困難と判断
1998年の合意で武装解除とカトリック側への自治権譲渡が決着
【議会の特徴】
定数108議席が両陣営に按分され権力を共有
第1党が首相、第2党が副首相。閣僚も両陣営から均等選出
重要政策決定には双方の"並行承認"が法的に必須
【課題】
選挙での与野党入れ替わりで政策の継続性に懸念
プロテスタント・カトリック二大勢力の対立は根強く
少数宗教勢力の発言力は制約される側面も
【展望】
議会発足で武力行使は終結し、対話の糸口ができた
しかし真の和解には相互理解の一層の深化が必須
現行制度下で住民投票制度も次第に整備
将来的には住民投票で北アイルランドの地位を決する可能性
武力闘争の限界を見すえた両陣営の妥協の産物とも言える北アイルランド議会。その一方で、歴史的対立の重荷を払しょくするのは容易ではありません。新たな前進に向けた挑戦が今後も続くことでしょう。
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