見出し画像

自分の感受性ぐらい、自分で守れ

高校の時、国語の授業で先生が読んでくれた詩を、今でもふと思い出します。

茨木のり子さんの『自分の感受性ぐらい』という、とても有名な詩。


この詩を思い出すたびに、時代や人のせいにせず、「自分の感覚」を守り抜かねば、と背筋がシャンとする感じがするのです。


ぜひ、忙しい日々に流されるままになりがちな人たちに、読んでほしい詩です。

『自分の感受性ぐらい』 茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ

詩集「自分の感受性ぐらい」(1977刊)


作者の茨木のり子さんは、戦争を経験されている方。

子供ながらに、「国のために死ぬ」という価値観に違和感を覚えながらも、それを言えなかったという後悔があるそうです。

だから、長いものに巻かれないで、時代の波に押し込まれないで、自分の感覚を信じて貫き通せ、ということを言いたいんだと思います。


ばかものよ、とまで言われると、ハッとしますよね・・・。

この突き刺さる言葉の背景には、彼女の思いの強さが滲み出ているんだろうな。


現代に生きる私たちも、油断するとすぐ流されがちになる。

メディアで騒がれる「こうした方がいい」という話に不安を煽られたり。
周りからの見え方や、世間体を気にしたり。
誰かと自分を比べて、卑屈になってしまったり。


でも、まず大事にすべきは、自分の感受性。


何があっても、自分の心に嘘はつかないでいたいものです。

私も、よく忘れそうになってしまいますが・・・。
その度に、この詩を思い出そうと思います。


現代を生きる人たちにも、この「喝」がもっと届きますように。


★「心のクセ」をほどいて、自然体で上手くいく私になるセッション→予約受付中!

★お客様の声


記事を気に入っていただけたら、サポートお願いします!いただいたサポートを元に、いろんな体験をして感じたものを表現していきます。