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人の生活と活動を支える、不動産業の「ものづくり」とは。

本記事は、「働き方見聞メディアWORK SU」から一部内容を抜粋し、企業のリアルな姿を紹介しています。

新潟市を中心に新発田市、長岡市に14もの不動産を保有、管理している三友開発株式会社。不動産の管理業を専門で行っている「専業大家」です。借り手に寄り添い、借り手が求める<あたり前>を物件に反映している同社いわく、「私たちはものづくりの担い手」。そのため、手がける物件を「作品」と表現しています。この記事では、創業当初は副業だったという不動産管理業を専業にシフトするまでのストーリー、今回の募集の背景、会社の様子などをご紹介します。お話を聞いたのは、代表取締役の江部洋人さんと専務取締役の富樫理恵さんです。

物件ひとつひとつを丁寧に観察。
自社らしい物件を生み出し不動産管理を専業に。

不動産鑑定士の資格を生かし東京都内で働いていた、代表取締役の江部洋人さん。新潟に戻り父親が経営する三友開発に2000年代半ば、20代後半から勤めはじめます。時代は日本経済が勢いづいていた創業時から大きく変化していました。江部さんは、当時の不動産業界の仕組み、暗黙のルールなどに直面し、ある思いを抱いたといいます。

代表取締役 江部洋人さん

「従来通りのやり方では、この業界は厳しくなっているのではないか」

新潟でも不動産鑑定士として仕事を続けていた江部さんですが、家業を<自分の仕事>として取り組むために、別業態を本業とし副業的な扱いであった三友開発の不動産業を専業にしようと舵を切ります。

「ゆくゆくは生涯の仕事にしたいと思っていた三友開発を潰すわけにはいきません。会社の実態を半年かけて研究しました。他の会社で十分に経験を積んでから三友開発に入る道もありましたが、いずれ家業を継ぐのであれば早いうちに取り組もうと決断しました。ある意味、賭けでした」

三友開発の保有不動産は立地良好な新潟駅周辺や古町などが多いものの、築年数が経っている物件もあり入居者の募集には苦労したといいます。

「新しい物件はあまり保有していませんから、商売道具としては古いわけです。 理想の家賃設定をしたところで、同業からも父親からも『それでは難しい』と言われました」

周りから厳しい指摘がある中で、江部さんは保有している物件との関わりを変え、収益をどう上げるか知恵を絞ります。不動産業の基本は、物件の特性や立地条件などを踏まえ、そこにどのようなニーズがあるかを分析すること。その結果は「物件ごとに違うはずだ」と考え、より深く物件を「観察するようになった」といいます。

築古特有のビンテージ感を生かしつつ、デザイン性高くリノベーションし賃料を改善。さらに稼働率を高めることにも成功しました。「手を加えることで借り手が増えるかもしれない」という仮説に基づき、成功と失敗を繰り返し、「三友開発らしい物件」を生み出していきます。

「自分にできるだろうか……。自信はありませんでしたが、徐々に成果が出てきました。『これは戦える』という気持ちが確信に変わりはじめました」

そうして不動産管理のみを専業に行う会社として、保有物件それぞれに対して、賃借人の満足度を高める工夫を施し、「専業大家」として進みはじめます。

「ものづくりの担い手」として、
ひとつひとつの物件を輝かせる。

江部さんは、「専業大家」の仕事をこう話します。

「今はクラウド上にも『場所』はありますから、場所の概念は変わってきていますが、基本的に人が活動するのは土地・建物の中です。だから不動産は、人が生活したり、仕事をしたりするための基盤であり、おそらくその役目はずっと変わりません。人の暮らし・仕事をする環境を豊かにするのは、不動産の利用方法を豊かにすること。そこに社会的な意義があります」

不動産管理のみを仕事にするプロフェッショナルの言葉には重みがあります。ただ江部さんは冷静に、そして謙虚に「自社の取り組みはまちづくりとは違う」と考えています。

まちづくり、世の中の仕組みづくりといった『面で政策を考える』のはひとつの方法ですが、この仕事をしている上では、私たちがその域の取り組みをしようとは考えていません。それは、おこがましいですよね。点が線になって、面になるとして、私たちはあくまでひとつの点づくりをビシッとやりきるという気持ちでいます」

とはいえ、事業を拡大する意味でも保有物件を増やす手段が考えられるはず。なぜ既存物件に重きを置くのでしょう。江部さんの答えは、三友開発がホームページを持っていない理由にも結び付いていました。

「保有する物件数が増えて、大家業としてもそこそこの規模になりましたから、これらを元手に規模を拡大する路線を取ろうとすれば取れるはずです。ただ資産運用だけに着目したやり方は当社向きではありません。あくまで当社は投資家ではなく、『ものづくりの担い手』だと思っています。私たちが数字を作る方法は、物件にじっくり向き合い、観察して、借り手さんのニーズに寄り添うこと。そのときの正解はどんどん変わります。1年、2年経てば流行りが変わり、需要も変化するわけですから。なので、常に考え続けなければいけません。学び続け、感性やセンスを磨き続ける。そうした姿勢で仕事をしているので、当社をご紹介してくださる業者さんや借り手さんのおかげで、会社の存在を広く知らせる必要を感じません。今ある物件を手がけるだけで精一杯ですし、現在の環境下でできることはまだまだあります」



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