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日本とフィンランドの保育の違い

こんにちは yakkoです
私は日本の幼児教育の現場で約10年勤務して
2018年の夏から1年間フィンランドの幼稚園でインターンを
していました

1年間でたくさんの人に出会い
その中でよく聞かれた質問を今日はご紹介します

「なんでフィンランドに来たの?」

です
そして日本で保育士をしていたこと、フィンランドの教育が知りたい
だからフィンランドの幼稚園でインターンをしている
と話すと

「日本の幼稚園とフィンランドの幼稚園て何が違うと思う?」

と聞かれました
この一連のやりとりは1年間でおそらく100回以上されました笑
フィンランド人、日本人問わずとにかくよくこの質問をされたのですが
今日はこの日本とフィンランドの保育の違いを実際両国の現場で働いてみた目線でまとめていきます

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「日本の幼稚園とフィンランドの幼稚園て何が違うと思う?」

答えは…
「全部」

です

国も環境も言語も歴史的背景も全てが違うので
そもそも国が示す方針が違う
なので保育も違います

その中でも大きく違うと感じたことを3つ今からご紹介していきます

その前に皆さんに知っていただきたいことがあります

「日本の保育ってどう?」

そう聞かれると困りませんか?
園によって保育が違うし場所によっても全く違います
森の中で保育する幼稚園もあれば
スポーツや漢字、鼓笛隊に力を入れている園もある

それと同じくフィンランドの保育といっても私が働いた3つの園と
見学にいった数カ所の園はそれぞれ違います

なのでここからこれから書いていく「フィンランドの幼稚園」は私がみてきた園で共通して言えることであり、すべてのフィンランドの園がそうとは限らないことを
頭の片隅に置いていただけると嬉しいです


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保育環境の違い


配置基準
まず子どもの数に対して大人の数が違います
職員の資格や自治体によって違うのですが大体大人1人に対して

3歳以下は子ども4人に対して大人1人
3歳以上は子ども7人に対して大人1人
となっています

しかしその基準より多めに大人がいることが多いので
手厚いです

私が働いていたフィンランドの公立園では
3〜5歳の異年齢で21人の子どもに大人が3〜4人いました

日本で働いている時私は4歳児41人を一人で担任していた時があったので(違法です)その話をフィンランドの先生にすると大体みんな絶句
どうやってクラス運営していたの?
と聞かれても常に一斉保育で子どもを管理していたようなものなので
子どもと深く関わることのできなかった1年でした
なのでクラス運営できてなかったとしか言えません

園周辺の環境
フィンランドは首都のヘルシンキでもあちこちに小さな森や公園がたくさんあります
遊ぶ場所に困ることはありません
以前日本の首都圏の保育園で働いていた時、そこは小規模園がたくさんある地域で自園の園庭がないところが多く毎日公園の取り合いのようになっていました
とにかく早く朝のおやつを食べさせて支度して公園に行かなければ近隣の園がどんどんやってきて場所がなくなってしまうこともあったのです

保育室の作り
日本の保育室の作りは大きな四角い部屋が多いかと思います
フィンランドの保育室はメインの部屋と他に何個か部屋に別れていることが多く部屋ごとに遊びを分けることができます
コーナーよりも部屋が違うのでより落ち着いて遊び込めるように感じます

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穏やかな保育空間

人、空間、声…とにかく言葉では言い表せない穏やかさがあります
土曜保育の早朝で子どもが3人くらいしかいない時のような穏やかさ
(保育士の人!伝わりますか?)
この時間がとにかく多いです

朝登園してから朝ごはんを提供するためランチルームに移動するのですが
1〜5歳の子どもが30人くらいいてそれぞれ自分の朝ごはんを食べるのに集中していたり、昨日の出来事を友達や先生に話したり…
先生もコーヒーを飲みながら子どもや先生同士雑談したり、今日の予定を話したりまったりしています
そして時々全ての喋り声がなくなり食器とスプーンの音だけが響く静寂な時間があります

朝の受け入れをしつつ、今日の活動の準備をしたり連絡ノートを確認したり…何かとバタバタとしていた自分の保育を思い出すと朝からガヤガヤした雰囲気の中に入った子どもたちが落ち着けないのは当然だったなと思います
朝からこの調子でバタバタして、主活動、ランチ、午睡…勤務開始から終わりまで大人がホッと息つく時間もなくずっと動いていて落ち着かない環境を作っていたのは自分自身に原因があったのだと気づくことができました

なぜこの穏やかな空間ができるのか
きっとこれ以外にも理由はあるはず
これを日本の保育に取り入れてみたい
そう思って自分なりに分析してみました
それが三つ目です

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見通しのつく保育


これは日本の保育現場で実践していたこともあります
朝の会で今日の予定を伝えて黒板にスケジュールを書いたり週案を掲示したりしていました
発達に不安のある子どもに対して見通しがつくと活動に区切りがつけやすい見通しが持てることで安心できるなどの理由です
ただこれによって保育現場は予定が急に変わることも多く臨機応変が苦手な子には予定が変わることによってそれ以上にパニックを起こしたり不安の原因になるのでないほうがいいと廃止されました

フィンランドでは同じように朝のサークルタイムで今日の予定を確認します
絵や写真を使ってわかりやすくしています
そしてそのスケジュールは急な変更がほとんどない
どのクラスもどの園も同じような流れであるということです
フィンランドの園は行事がほとんどありません

だから行事に向けて練習をする時間が増えたり
毎週何曜日は体操教室だから運動できる服に着替えておく
プールの時期は荷物をおく場所が違う
金曜日だからシーツを剥がす
今日は幼児クラスが先に園庭に出るからあとで製作をする…

日本では曜日によって何かを準備しておかなければならない
日替わりで何か時間差をつけてする順番が変わる

などたくさんのイレギュラーがあったなと今振り返ると思います

今日は少し早めに外に出て森に行く
今日は先生が一人休みで足りないから合同保育する

もちろんそういったイレギュラーもあります
でも、先生が常に次の行動の指示を出さなければ子どもが次に何をしたらいいのかわからないという状況がない

だから子どもも見通しがつきやすく次に何をやっていいのかわからない
そんな不安がないから穏やかなのかもしれません

またこの穏やかさは年度始めにも感じました

新年度はとにかくバタバタしていて保育、教育関係のかたはすぐに頭に浮かぶかと思います

しかしフィンランドの年度始めは
「あれ?今週新年度1週目だよね」
と疑ってしまうほど落ち着いていました

おそらくこれも

シンプルなスケジュールであること
どのクラスも同じような流れであること

だと思います。新しいクラスになっても
どのクラスも同じような作りだし今までとスケジュールが変わらない

保育室の使い方が変わることがない
担任によって色々ルールが変わることがない
のです

新学期になると新しい保育室の環境によってはロッカーに入れるのではなくてカゴに入れるようにしたり、ご飯のあとは今まではそのままでよかったけど椅子を片付ける事になった、遊んでいたレゴはそのまま残して置いてよかったがその都度バラバラにするようになった…

挙げればきりがないほど担任や保育室の環境によってそのクラス内のルールや生活の流れが変わっていました

それがほとんどないのです
だからクラスが変わってもロッカーや靴箱の場所を新しく覚えるだけであとは今までと変わらない

またこのスケジュールはフィンランド語のできなかった私にもわかりやすく毎日何をしたらいいのかどんなスケジュールなのか指導の先生に聞かなくてもわかることがとても安心できました

この見た目でわかりやすい、大きな変化のないスケジュールというのは発達に不安がある子たちだけではなくフィンランド語がわからない外国籍の子どもたちも、耳で聞いて理解することが苦手な子も、私のような大人でも

誰もがわかりやすく
シンプルであること

これがフィンランドと日本の保育の違い
そして穏やかな空間の理由

ではないかと思いました

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最後に

今回日本とフィンランドの保育の違いを見ていい面をお伝えしてきました
だからフィンランドより日本の保育が劣っているという訳ではもちろんありません日本の保育のいい面にもたくさん気づくことができました

フィンランドと日本の保育を比べてその違いを知った上で日本の保育にどう取り入れるかこれは私の中で大きな課題です

これらはまた別の機会にまとめていく予定なのでチェックしていただけると嬉しいです


最後にお話しした穏やかな空間について
2019年11月2〜4日開催の森のようちえん全国フォーラムのフリー分科会でより詳しくお話しさせていただく予定です(こちらはすでに参加締め切りされています)

2019年11月16日土曜日に名古屋で帰国報告会兼フィンランドのについてのワークショップを行うので興味のある方はぜひご参加ください
10名限定の小さな会です

2019年12月7日の土曜日にも名古屋でワークショップを企画中!
詳細が決まりましたらまたお知らせします

文字だけでは伝えきれないフィンランドの雰囲気や保育の様子をワークショップではお伝えしていく予定です
またインターネット上には載せられない園内の様子の写真や動画、またフィンランドの保育現場にあるおもちゃなども用意します

今後も東京会場や色々計画していますのでよろしくお願いします

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フィンランドの保育、教育の情報や日本の保育とフィンランドの保育の違いなどフィンランドの保育経験者、日本の保育経験者の目線での情報を発信していきます より詳しい情報、ご連絡など→HP https://www.workshop-omena.com/

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コメント (3)
はじめまして。
諸々の記事を楽しく拝読しました。
私はフィンランドには興味があるのですがなかなか行く機会がありませんでした。
このようにまとめていただいた記事は、行ったことがない人として
とても興味深いです。これからも更新を楽しみにしております。
初めまして。
楽しみにしているとおっしゃって頂きありがとうございます。
これからもフィンランドに行けなくても記事を通して知って頂けるように更新していきます。

ならのさんのバイリンガルのエッセイを拝読しました。バイリンガルテーマはとても興味深かったです。こちらこそこれからも更新楽しみにしています:)
北欧の教育、とても興味あります。
わたしの務めている保育園も北欧の環境を理想といているので、とても勉強になりました。
フォローさせて下さい☻
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