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「ルールを作る側になろう」岐阜県の「男女共同参画フォーラム2022」に育休プチMBA®代表の国保祥子が登壇(前編)

このたび、岐阜県からお声がけをいただき「育休プチMBA®」代表の国保祥子が「岐阜県男女共同参画フォーラム2022」に登壇させていただきました。

広報担当の私は名古屋方面からリモートワークしていることもあり、岐阜県大垣市のソフトピアジャパンセンターまで取材を兼ねてえいやっと出かけてくることができました(国保とは初対面!)。講演前に国保と少し話をすることができたので、そちらの内容を交えつつ、育児と仕事を両立する方向け(前編)、企業の人事ご担当者向け(後編)に国保からのメッセージを再構成してお届けします。

※本フォーラムは、岐阜県の男女共同参画推進強調月間(毎年11月)の取り組みの中で行われました。
岐阜県の男女共同参画・女性の活躍推進課のホームページ



岐阜県の男女共同参画に関する状況。課題は経済面。

上智大学の三浦まり教授らが2022年に発表した「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」によると、全国47都道府県のうち、岐阜県のジェンダー・ギャップ指数は行政5位、教育7位と比較的好成績です。行政分野では県の管理職や委員会・審議会への女性登用が進んでおり、教育分野でも学校現場や教育委員会事務局の管理職に女性が多くいます。

一方で、共働き家庭の家事・育児時間の男女格差が大きく、企業の管理職や経営層の女性の割合、そしてフルタイムで働く女性の割合が低く、経済では42位の結果となっています(ちなみに政治は25位)。国保は、女性活躍における岐阜県の課題は経済面で、優秀な女性は予め企業を目指さず、公的機関を狙って就職しているのでは、と言います。

前編では、育児と仕事を両立している、両立したい皆さん向けに、国保からのメッセージをお届けします。

「岐阜でも首都圏でも、自分らしい意思決定をしてください」

岐阜でも首都圏でも、私から皆さんへのメッセージは同じです。自分らしい意思決定をしてください、ということに尽きます。

 地方都市だと、自分らしくいられないプレッシャーが首都圏と比べて大きいかもしれません。「○○家のお嫁さん」みたいな呼ばれ方をする機会も多いと思います。女性だから、妻だから、母親だから、子供がいるから、と考える人が多いと思いますが、どうぞ自分の好きなことをしてください。

母親が我慢するのが当たり前という環境の中で育つ子供は、自分もそうしなくてはいけないのだろう、と自然に思うようになります。この環境は、ご本人にはもちろんよくありませんが、子供にも決してよいものではありません。

私は普段大学で教鞭をとっています。「子供を持ったら好きな研究をあきらめなくてはいけないと思っていた、私の話を聞いて、あきらめなくていいと知って嬉しかった」というコメントをよく学生からもらいます。学生はまだ、世の中の不平等に直面しておらず、その理不尽さを知りません。その感覚のまま生きていけるように、上の世代が頑張りたいものです。

「自分の可能性は手放さないで」

少し自分の話をさせていただくと、私は25年前、名古屋市内の大学を卒業して社会人になりました。自分のスキルや能力に自信はなく、就職氷河期も相まって試験に落ちまくりました。就活中ずっと、自分の居場所が社会にあるの?と思っていました。

私はあきらめが悪かったので、あきらめずに就活を続けたら、ご縁をいただいてあるコンサルティング企業に入社することができました。就活当時には思ってもいなかった、より広い世界への扉が現れて、その扉を開けるとさらに次の扉が現れるという経験をし、結果として今ここで講演をさせていただくような立場になりました。

(岐阜県男女共同参画フォーラム2022にて)

今の日本社会は、地域社会の中で、女性の皆さんは可能性をあきらめざるを得ない、あきらめなくてはいけないという状況に陥りやすい構造にあります。

壁や障害にぶち当たっても、自分の可能性を手放すということはしないでください。自分の可能性をまずは自分が信じてあげてください。あなたが可能性をあきらめる姿は、あなたの子供や職場の後輩、次の世代が見ています。

そして、その姿を見ることで、子供たちは自分の可能性はあきらめなくてはいけないもの、可能性は信じてはいけないもの、と思うようになってしまいます。

そうしてあきらめた気持ちが広がっていくと、地域に未来がなくなると思います。地域の未来を作るというのは、巡りめぐると、今生きている大人の皆さんがご自分の可能性をあきらめないで、少しでも背伸びをして自分の可能性を追及していく、今それをすることが大事だと思っています。

次世代のためにあなたができること

「ルールを作る側になろう」

女性が活躍しにくいのは構造的な問題です。女性の意識が低かったり、誰かが意地悪をしているわけではありません。個人の問題ではなく、環境・職場の問題です。この構造を変えていくことが、次世代の選択肢を増やすことにつながります。

「なぜ昇進をする必要があるのか」と問われれば、私はいつも、「次世代の環境を作ることができるから」と答えます。できれば、ルールを作る側になってください。そのためには、一般社員よりも管理職になることです。

「昭和は手放そう」

「育児にかけた手間」と「愛情の大きさ」はイコールではありません。大事なのは子供の満足度です。手間をかけるから子供が喜ぶわけでなく、時間がないから!とレンジでチンしただけのレトルトカレーが喜ばれたりすることがあります。

家事代行サービスなど、女性の働きやすさにつながるインフラも使う人がいなければサービスが普及しません。使えるサービスはどんどん使って、昭和は手放していきましょう。働く女性の母数がふえると地ならしが起こります。次の世代はきっとその上を疾走してくれることでしょう。

「学び続けよう」

未来に対して受け身でいると、周りの状況に翻弄されてしまいます。これを回避する最強の守備は攻めることです。「学び」への投資は自分を裏切りません。

例えば、私が所長を務める育休プチMBA®やワークシフト研究所が提供するプチMBAマスタープログラムでは経験型の学びができます。こういった講座などを活用して、未来に対して受け身にならず、学びを継続して、経験や信頼を貯金していきましょう。

(講演前のひと時。講演後はお子さんのお迎え!と会場を後にした国保)

後編に続きます。


前編をお読みいただきありがとうございました。

今回、国保がお話させていただいた内容はこちらの本にもまとめられています。是非お手に取ってみてください。

国保が講師を担当する「育休プチMBA®」は、例年年明けから3回シリーズで開催されます。両立のヒントを探している方、可能性をあきらめたくない方、ルールを作る側に立ちたい方、お気軽にご参加ください。

詳細およびお申し込みはこちらから。


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