全社一丸となってRPAに取り組んだ結果、125個のロボット稼働に成功!その理由とは?
今回は、数年前にRPAを導入し、社内でRPAを活用して業務を自動化することができるメンバーを育成することで、多くのシナリオを運用することに成功した、株式会社日本パーソナルビジネスにインタビューを実施致しました。
RPAの習得時の苦労やどのように乗り越えたのか、社内でRPAがどのように浸透していったのか赤裸々にお話してくださりました。
(インタビュアー▶ワークスアイディ 奥西佑太 / 木村智貴)
株式会社日本パーソナルビジネス(https://www.npb-net.com/company/)
営業推進グループ グループリーダー内田 知佳(うちだ ちか)さん(写真中央)
ワークスアイディ株式会社 奥西 佑太(写真右)
ワークスアイディ株式会社 木村 智貴(写真左)
━━━内田さんの勤務している東京本部でRPAが活躍していると伺いましたが、主に営業推進グループでRPAを活用しているのですか?
現在の状況を教えてください。
現在、私が所属している【営業推進グループ】は、営業数値の基本指数をもっと具体的にわかりやすくすることや、社内で存在している沢山のデータをもっと見やすい状態にして、次の営業活動に繋げていくこと、さらにRPAを推進していく、というミッションがあって、新しく設立した部署です。
RPAは【営業推進グループ】でも活用していますが、私が以前所属していた【営業管理グループ】でも多く活用していて、所属するメンバーはほぼ全員がRPAを触ることができます。
さらに、社内でRPA研修も実施してシナリオをつくれる人、RPA管理をできる人を増やしています。
今後は、派遣登録社員のスキルアップとして、RPAのシナリオライターを育成していくことも一つ施策として考えています。
━━━良いですね!その方を派遣して、その派遣先さんのシナリオを作って、自動化させていけば、どんどん生産性があがるからお客様から喜ばれますよね。
勿論、未経験の方が募集されることも多いですが、だんだんと高いスキルを求められるため、何か専門的なスキルがあることで採用率があがります。
そのため今後は、私たちの部署で派遣登録社員に向けた研修を企画・運営していく予定です。
━━━忙しくなりそうですね!
そうですね。ちょっと震えております(笑)
自動化は、やればやるほど結果が出る
━━━内田さんのRPAとの出会いは、何年前ですか?
2019年秋のタイミングです。
会社でRPAを導入することになり、大阪でRPAの研修をしてくださるということだったので、東京から出張して参加させていただいたのが最初です。
ワークスアイディの指導の方が二人いらっしゃったんですけど…私はそのうちの一人を独占していました。
何としても習得して帰りたいという思いで、空気が読めない行動だったと思いますが、出張分くらいは習得して帰らないと!と思いました。
━━━導入時"この業務を自動化したい”というリストを用意されていましたが、今はそのリストは進化してますか?
問題点でもありますが、RPAを推進できた部署と、下火になってしまった部署と差が出ています。
推進できた部署は"元々やりたいよね"と、言っていた業務は作り終わり、期初に"次はこれやりたい"と、意見を集めてどんどんつくっていく流れができました。
元々私がWinActor楽しい!と、RPAに夢中になり、自分が所属していた営業管理の業務を、ひたすら自動化していきました。
すると、取り組めば取り組んだ分、その結果が出る。
自動で動いた分、業務量が少なくなっていくのを実感できた為、RPAは必要だということが分かって、更に推進していく…という循環でRPAを活用することが定着していったと思います。
━━━RPAのよくある誤解として、自動化されると私達の仕事がなくなるの?と、抵抗することがありますが、それはなかったですか?
それがマイナスというよりは、自分がもっとレベルアップすることや、RPAを扱えるようにならないと仕事なくなっちゃうな。という考え方でした。
また、元々営業管理に所属してるメンバーは、サクっと仕事は終わらせて、帰って違うこともしたい、プライベートを充実させたいという人が多かったので、そこがスムーズに活用できた要因だと思います。
特にRPA推進ができている部署は、【営業管理】と、請求給与業務を担う大阪のグループの二つです。
請求給与の業務は、毎月色んな会社さん専用の勤怠が入ってるシステムからタイムシートを出力して、自社の勤怠システムに入力する…という業務で、本当に単純作業なのに、なんでこんな時間がかかるんだと思っていました。
単純作業だからこそ、間違えないようにしないといけないし、各社様が使っている多様なシステムを人が覚えるのも大変でしたが、今はもう、RPAがなくてはならない存在になっています。
━━━RPAがうまく推進できなかったのは、どんな要因があったんでしょうか?
例えば、広告グループだと、データを集計することが沢山あるんですが、既にエクセルでマクロを組んで自動処理できるようにしている為、RPA化する必要性がありませんでした。
他には、少人数の組織で、RPAに費やす時間がないことも課題として挙げられます。
ぼんやりした基準ルールは、全員で話し合うことで統一
━━━RPA習得して推進するまでに、何か大変だったエピソードはありますか?
そうですね、業務のルールがちょっと曖昧だったことです。
コーディネーターの業務で事務作業がたくさんありますが、それぞれの拠点ごとにコーディネーターがいて、ベースとなる最低ラインの基準は全社で決まっているのに、データを登録するときの登録の順序や登録の仕方、名前の決め方など、ちょっとした作業の違いが、拠点ごと・コーディネーターごとに存在していました。
RPAは、ある程度基準・ルールがあった上で動くものだと思うので、ぼんやりした基準が多いと、業務ルールの統一から始めないといけないことが大変でした。
━━━多少曖昧でも、人が目利きしてやる仕事にあまり支障はないことを統一するのは大変ですよね。
他の拠点の皆さんは、すんなり受け入れてくれたんでしょうか?
全員と話して、決定事項の説明ではなく、どんな理由で統一しないといけないか、変更したら分かりやすくなることを説明した上で、皆で話して統一するルールを決めていきました。
実際にRPAの社内研修も受けていたので、こういうことだったらそのルール必要だよね、と理解してもらえました。
そのため、業務の自動化をする以外に、皆にルールの統一の必要性を伝えたり、RPA自体を理解してもらう活動が、大変ですね。
━━━RPA使っていて、一番助かったなぁ…ということはありますか?
【営業管理】の業務で、派遣社員の契約更新が3ヶ月や6か月に一回あります。それが重なる9月と3月に、派遣社員ほぼ全員分の契約書を作成して発行するという作業をRPA化しています。
一人、二人分くらいの作業を自動でやってくれているので、もしRPAがなかったら時間内には、終われないし、帰れないと思います。
年間の中でも業務量が膨らむ時の作業を、RPAがカバーしてくれているので、RPAを一人としてカウントして、通常の人数で運用ができることが助かっています。
━━━RPAにコラッて怒ったことありますか?なんで止まるねん!と思うことはありませんか?
それは、しょっちゅうありました(笑)
特に、RPAを導入して序盤でその境地がきました。
冷静に考えると、こちらが指示した通りにしか動かないということは、私が何か設定を間違ってるんだと気が付きましたね。
例えば組み入れる前後が間違えてるとか、だんだんエラーの直し方もわかってくるようになると、実行途中で止まっていても、何とも思わなくなりました。
営業管理のメンバーからからは、「内田さんがいないと止まる」「内田さんの機嫌をうかがってる」って言われるくらいです。
━━━RPAのエラーが起きることで、ギブアップしてしまう方もいますが、内田さんの場合は違いますね。
逆に、言ったことをやるから、かわいいですよね。
まずは私がRPAを習得して、エラーの原因が分かったり、対処できることが増えていくと、後で習得したメンバーはエラーの怒りを私にぶつけてくることがあったので、そこで解決ができるし、エラー箇所を直してあげて実際にスムーズ動いたら、また愛着が湧いて"かわいい"と思います。
社内でまずは一人対応できる人がいて、相談できるところがあると良いですね。
━━━確かに、一緒に考えてくれる人がいるのと、いないのとでは全然違いますね。
RPA担当者に向いている人とは
━━━内田さん自身が、"よし!これを一つ自分の武器にしよう"と思ったのは、どういうタイミングだったんですか?
初めてRPA研修受けさせていただいた時に、自分としては簡単だろうと思っていた業務のシナリオ作成に挑戦したタイミングです。
人がやると2分くらいで終わる業務が、シナリオを組むとなると結構複雑で、シナリオ作成に一週間かかりました。
でも、作成したものが実際に動いたり、自動化するための色んな仕組みを見れたことが、すごく面白かったです。
個人特性だと思いますが、私は何かを"作る"ことや、理論通りに動くことが好きなんです。
理論から外れた動きをすると"え!?"って、戸惑ってしまいますね。
━━━でも、内田さんみたいな方ばっかりでもないじゃないですか。木村みたいな(笑)
【木村】内田さんは、しっかりされてますが、僕は、ノリと感覚で生きてるんで…
【奥西】RPA向いてないな…
【木村】なんかできそう!という感覚で進めちゃうんで、画像マッチングだけは完璧です!あれは完璧です(笑)
絵で見て作るから、画像マッチングは使いやすいですよね!
【奥西】でも、止まりやすい(笑)
【木村】絶対すぐ止まる(笑)
━━━社内見渡してみて、"この子は早く成長したなぁ"という方の特性はありますか?
シナリオの作成者に向いている人は、どんな人でしょうか。
業務分析がいかにできてるか、に尽きると思います。
RPAって本当にわかりやすく、簡単につくっていただいてるじゃないですか。
それをパズルみたいに、はめていくだけなので、どちらかというと業務分析の方にいかに時間かけて、分解できるかの勝負だと思います。
そのため、普段から効率良く作業したいと考えている方が向いていますね。
また、みんな習慣でしていることがありますよね。
そこに対して疑問が持てるかどうかが、大きく影響すると思います。
目の前の業務に疑問がもてるかどうか、仕事の目的を理解しているかどうかというのが重要です。
社内で研修をしていると、この子はコツをつかむのが早い、習得早いなという子と、時間かかりそうだなぁという子と、二分割分かれます。
━━━派遣スタッフさんのスキルアップにも活用していきたいという話がありましたが、そういう方も増えてきているんですか?
お仕事の案件として、RPAを使える方がいたらいいな、という相談をいただいてたりしています。
シナリオの修正ができると嬉しいという要望だと、詳しく分からなくても大丈夫ですが、全部一から作っていける人を求められると、やっぱりある程度の教育が必要だと思っています。
来週は、RPAを触ったことない人向けに研修しますが、受講する方は社内でRPAが動いてることは理解していて、"この業務も自動化できない?"と声があがっています。
みんな無駄な業務は捨てたいという気持ちは強くて、かなり前向きです。
━━━どんどんRPAが働くボリュームが大きくなっていきそうですね。
125ロボットを運用できた理由とは?
━━━現状、何ロボットくらい運用していますか?
現状で、全部で125ロボットですね。
━━━125ロボット、すごいですね!!
40超えると内製で自分たちでできるようになって、RPAがなくてならない存在にはなりますが、60あれば充分なのに…125ですか!!
これくらいなのかなって思ってたんですけど、すごいんですね。
みんなの頑張りですね!!
内訳は、【営業管理】と【請求給与】で50個、50個シナリオがあります。
手作業で人力で運用していたのがこの2部署で、本当になくてはならない存在です。
徐々にRPAが処理したものを、人がどうチェックするかという考え方にどんどんシフトしています。
人の手作業でする場合は、ベテランさんだからミスは無さそう、新人さんだから正しくできているかチェックしないといけない、ということが起こりますが、RPAの処理だとアウトプットのレベルは一定になり、逆にロボット側が止まったりエラーを起こしているところをどうするか、直していくことに時間を使うようになりました。
━━━これだけ社内でスケールして運用することができたのは、内田さんの特性が大きく影響していそうですね。
いえいえ、そんな全然たいしたことじゃないですよ。
好きで色々作って、運用して、社内のメンバーに教えるというのを繰り返した結果です。
また、RPAを扱うことを仕事の一つにしようとしたのも、大きな要因だと思います。
内勤側なので、直接的にサービスの向上に効果が出たかというと難しいですが、営業部からの指示があってから業務開始していたことが、RPAが導入されたことにより、夜回しておけば朝に書類が出来上がるようになり、以前よりタイムラグが減って、業務効率化に繋がったと思います。
習得したものを、丁寧に伝えていく
━━━今後のRPAの展開は、どの様に考えていますか?
今社内で研修しているものは続けていき、シナリオを作れる人を育成していきます。特に得意であろうというメンバーをピックアップして、精鋭部隊のような組織を構築できたら良いなと思います。
さらに、派遣社員の方に向けた研修を精鋭部隊が実施できるようになれば、社内の業務効率から、更に派遣社員の方に対してもスキルアップができて、そこがまた他のお仕事にも繋がっていくと考えています。
━━━以前、インターンシップでジェンガを使った、RPAの勉強会が好評だったので、是非取り入れてみてください!
ジェンガに、処理の名前をシールで貼って、ブロックを組み立てていく研修にすると、ITの経験がない方も考えやすくります。
面白い!良いですね!
研修していても全く分からない方、最初から抵抗ある方は早めに諦めてしまうので、なにか面白いアイディアを取り入れたら、理解しやすくなると思いました。
私はパズルが好きで、RPAも最初はパズルをしている感覚で楽しいなと思ったので、研修も楽しいと思えないとしんどいですよね。
━━━内田さんが弊社の研修に参加した時に感じたことで、今社内で実施している研修に取り入れていることはありますか?
取り入れてみて、失敗したかなと思っていることがあります。
研修を終えて、実務の業務を自動化をする際に、画像マッチングは安定しないということがありました。
画像が変わると、その都度画像も変更しないといけないし、容量も必要になるため、もう少し実技ベースで活用できる内容を研修で取り入れました。
すると、効率化をしていきたいという方には好評だったんが、全く触ったことない方から、実技ベースの内容ではついていくの大変だったという話もありました。
どんな方に向けて研修するか、そもそもの向き不向きで研修の内容を変える必要があると感じています。
━━━確かに画像マッチングは、実際ロボを使う上では、最後の手段という扱いですね。
そうですね。正直…どうしようもなかったときに使うことが多い…
(木村さんへ)すいません、別にバカにしてるわけじゃないんです(笑)
画像マッチングといえば、木村さんですよね?
【木村】僕を見ながら言ってましたよね…(笑)
【奥西】画像マッチング木村、全然マッチングしてない(笑)
【木村】(爆笑)
初めて習得する人にとっては、画像で設定できるのが分かりやすいので、研修の入り方は変えたほうがよかったなと思いましたね。
私みたいに自分でやってみたい、自分でつくってみたいという人には、意欲を伸ばした方が良いと思うし、その人のタイプによって変えたほうがいいのかなと思います。
最初に、適正検査みたいなのがあったらいいですよね。
論理的思考のテストで簡単にチェックして、向き不向きが分かれば、研修の入り方を変えるなど研修内容も工夫して、これからもRPAを使える人を増やしていきたいです。
━━━RPA以外で進んだデジタル化はありますか?
経理や人事で新しいシステムを導入したり、紙のタイムシートだと在宅勤務ができないという問題があり、解消するために派遣先様にデジタル化しませんか?と、ご案内すると、ほとんどの会社様がデジタルに変えてくださいました。
それによってRPA化することができたり、結果的に繋がっているという状態です。
━━━自社のシステム導入と、お客様とのデータ受け取り方法をデジタルに置き換えているということですね。
今後は、蓄積したデータの利活用で、BIツールを使ってデータ可視化・グラフ化・分析したりという支援させていただけますので、お話させてください!
本日は貴重な機会を、ありがとう御座いました!
企業紹介
株式会社日本パーソナルビジネス(https://www.npb-net.com/company/about/outline.html)
「正しさを提案する」会社
"Propose a correctness company"
私達、日本パーソナルビジネスは、人材ビジネスに従事していることを自覚し、お取引先様と派遣社員と私達の3社が相互の理解と信頼を深め、常に正しいご提案と行動ができる企業を目指します。
また、単なる人材の派遣だけに留まらず、労働環境の変化に応じた企業のあらゆる改革や問題の解決と労働者の自己実現のための双方のパイプ役になり、人材ビジネスを通じて社会に貢献していく企業でありたいと考えています。
【 導入・サービス支援に関するお問い合わせ 】
ワークスアイディ株式会社 DX事業統括本部
ideal_design@worksid.co.jp
● 本紙の内容、テキスト、画像等の無断転載、無断使用を固く禁じます。
● 本紙に掲載された社名、商品名は各社の商標または登録商標です。