ワーママの判断力

サラリーマンをやっていて、思うこと。

判断する事を苦手とする人の多いこと。

人は自分が判断して失敗するのが怖いから、判断を人まかせにしたがる。あるいは締切ギリギリまで判断したがらない。そういう人が職場になんと多いことか。瑣末な事をいちいち上司に相談して判断を仰ぐ。「これはうちの部署の仕事じゃありません」と言って他部署に判断を押し付ける。相談する相手が見つからずにどう判断していいか迷って後回しにする。それら全て、判断を遅らせ、仕事を滞らせて、長時間労働へ導く要因となる。

ワーママはどうか。

私は母親になって赤ちゃんを目の前にしたとき、自分の判断がこの命を左右するのだと思うと恐怖を覚えた。仕事での判断とは重さが違う。周りに助けてくれる人はいても、結局赤ちゃんの命の最終責任者は母親である。
仕事では、私は代表取締役ではないので、最終責任者ではない。

この重さの違い。

赤ちゃんのいる、命の現場では判断しない事なんてあり得ない。誰にも委ねることは出来ない。熱を出したら夜間診療に連れて行くべきか朝を待つのか。湿疹ができたら原因を探る鍵はどこにあるのか。この医者で良いのか。言葉を発することのできない赤ちゃんの体調を観察して判断して行動するのは自分しかいない。

成長して赤ちゃんではなくなっても、保育園の選び方、習い事はどうするのか、お友達とのトラブルの対処をどうするか、習い事はどうするか、学習への促し方はどうするか・・・人ひとりの人生を左右する重大な判断を担うのは、全て最終的に母親だ。重い。とても重い。

観察。分析。情報収集。判断。行動。

とてつもなく重い責任を感じながらこれらの事を幾度となく繰り返してきた。


子育てて何度となく判断を繰り返して来た事は、確実に仕事での判断力の向上に役立った。子育ての判断よりもプレッシャーが軽いのだ。だから周りの人達よりもはるかに早く、深い思考の元で判断を下せるようになるのだ。周りの人がゆっくりに見えてしまうほどに。

おそらく子育てを全て妻に任せてきたオジサン達は、子育て中の母親の頭の中はお花畑になっていると勘違いしていると思う。しかし実際の母親は、ものすごくシビアな世界で高速で頭を回転させているのだ。

企業としては、こういう人材を活用しない手はないと思う。母親になる前よりも、確実に成長しているのだ。私は自分自身で強く成長を実感している。

世の中のより多くの人が、この事実に気づきますように。

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