【能力】「ちがう」WrongとDifferent
今日は能力の中の、対人関係の構築・発展させる力について書きます。
日本人が使う「ちがう」は主に2つの意味がある
みなさんは人と話していて「ちがう」と言われたときにどのように感じますか?
これは話している場面によって受け取り方が変わってきます。
■シーン1
これはどうでしょうか。普通の会話ですね。
ではこれはどうでしょうか。
■シーン2
「ちがう」はWrongとDifferent
辞書を引いてみましょう。
シーン1は、辞書の引用の「3」の意味で使っています。英語で言うWrongの意味です。正しいもの(Aさんが持っているのはユーロ)に対して、まちがっている(アメリカドル)から、「ちがう」です。
シーン2は、辞書の引用の「1」の意味で使っています。英語で言うDifferentの意味です。
”円安はラッキーだ”というAさんの意見に対して、”そうは言っていられない”というBさんの意見が異なるので「ちがう」です。
DifferentをWrongで受け取ると、ギクシャクする
同じ「ちがう」という言葉を使うこと、そして日本の教育のせいなのか、人は「ちがう」と言われると Wrong に受け取ってしまうことが多いような気がします。
ちがう(Wrong)= 間違っている という構図になると、言われた方は自分が間違っているのだと思います。さらには、否定されたように感じてしまいます。
実際に、Aさんが言っている「持ってる外貨や資産が円建てで増える」のは事実ですし正しいです。ここには、Wrongを言う余地はありません。
ただ、「ラッキー」というAさんの意見に対しては、Bさんの「そうは言っていられない」という意見も、真っ当な反論です。
このように「事実+意見」に対して「ちがう」と返してしまうことは、事実に対してもWrongを伝えることになり、Aさんは「いやいや、500ユーロ持ってるから、実際に1万円ぐらい得するよ。おまえに何がわかるんだよ」となってしまう可能性もあります。
「そんなつもりで言ったんじゃない」 というのは後の祭りです。
「私とはちがう」で、問題は解決
議論は本来は生産的な行為です。(それそのものが目的でなければ)
この生産的な行為の品質を落とさずに行うには、WrongとDifferentを使い分けた「ちがう」を伝える必要があります。
そのためには、「私とはちがう」という言い方でDifferentを伝えるといいです。意見が違うことは悪いことではありません。
「私とはちがう」は、意見が違うことをニュートラルに表明する言葉です。
相手が素直に受け止められるようになる、ちょっとした心遣い・言葉遣いでコミュニケーションの質は全然変わり、人との関係構築にプラスに効きます。
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