母になって分かった、宇多田ヒカル「あなた」の意味
こんばんは、りたです。
先日、宇多田ヒカルの”あなた”がツイッターで少し話題になっておりまして・・・激しく同意(古い)したのですが、この「あなた」は一見恋愛ソングかなぁとも取れるのですが、これは宇多田さんがお子さんを想ってつくった歌詞だそうです。しかも、自分の死後を想像して制作したのだとか。
私は子供が生まれる前からこの曲を知っていて何気なく聞いていましたが、産後ふとこの曲を聞いた瞬間に鳥肌が立ったものでした。
もうこれは自己満足というか表現せずにはいられないという感じで、それぞれの歌詞の意味することをメモしてみたいと思います。
これはもう一目瞭然ですね、その人がいないとどんな願いも叶わない、自分の子供は絶対的な存在であるということになります。これは自身も感じましたが、本当に不思議な存在です。自分自身ではないけれども、他人ではない。夫は他人ですが、息子は他人ではない感じです。そしてここまで、守りたい、守らなければいけない存在というのは今まで出会ったことがありませんでした。
究極的に考えると、子供以外はいらないという気持ちはよく理解できます。日々、私達は子供以外にもあれもほしい!これもほしい!と考えがちですが、子供に何かがあったときのことを想像すると、「あなたが健康で生きていてくれれば、何もいらない」と思うでしょう。
わたしの場合、息子は1ヶ月早く産まれた早産児でNICUに入り、「もしかしたら健康に育たないかもしれない」という可能性に直面しました。そのときに、自分が当たり前と思っている事の有り難さを強烈に感じました。
当たり前に、健康に生まれてくると思っていた命が危機にさらされたときの衝撃は、今までの常識をすべてぶち壊してくれました。
そして、「大概の問題は取るに足らない。」ほんとにこれです。日々色々なことを考えて、子供の成長が遅いなとか、成績がよくないなとか、言うこと聞かないなとか。自分のことももっと収入がほしい、もっといい家に住みたい、会社の人間関係で気になることがある、など頭を悩ませるものですが、それらは子供が健康で笑顔でいることに比較すれば、なんとも無いことという事に気づきます。
代わり映えしない明日をください、というのはそのとおりで、子供と何気なく過ごす毎日が一番望むものである、という本質的な価値に気づく。
子供が生まれると、日々こんなに大変んなんだなと実感しました。自分のタイミングでトイレに行けない、眠すぎるのに眠らない。お腹空いているのに食べられない。そんな一日を過ごしたり、プラス仕事があると、一日の終りにはクタクタです。あぁ、やっと一日が終わった。と思ったら子供の保育園へのお迎え、保育園での寂しさを訴えるかのように離れると泣くこどもをあやしながら離乳食をつくり、食べさせ、お風呂にいれ寝かしつける。
ヘトヘトだけど、保育園に迎えに行った時に抱きついてくる息子を見ると、自分が本当に頼りにされているんだと感じます。そう、くよくよしている場合ではない。この子にご飯を食べさせるため、生きていかせるため、わたしはシッカリしないと。そんな気持ちになる。
子供を産んで知る数字がたくさんありました。
出生体重
出生児の身長
何週間何日で生まれたか
そんな数字たちは、今まで知らなかった。そして、その数字たちがとても貴重なものになった。たまに見かける、結婚式で両親に贈る出生体重の重さのぬいぐるみ。ほぉ、と想っていたけれども、これは相当感情に訴えかけるものだよなと今では思います。死にそうになりながら、産んだ我が子を腕に初めて抱えたときのあの重さ。
息子が生まれてから、世界の見方が変わりました。おおげさな表現ではあるけれど、事実です。息子の幸せを思うとき、彼に経験してほしい、感じてほしい感情を考えながら行動するとき、世の中をいつもとは違った視点で見る自分がいることに気づきます。だから、世の中の本質に再度気づき、いつもは盲目になってしまっていた自分から脱却したような感覚になりました。そして、それが今まで自分が失っていた感覚でもあると思うのです。
戦争の始まりも、アクティビストによる抗議活動も、視点は違えども平和ではない事と考えると、そして宇多田ヒカルがこの曲を「自分の死後を想像して」作ったとすると・・・
どんな思考もどうでもよくて、目の前の子供が安全に幸せに過ごすことが第一になる。世の中がどうでもよいとは言わないけれど、そういった争いに意味があるのか?と考えるようになる。
私の勝手な推測ですが、乳幼児のころの甘いようなミルクのような匂い、そのことを指しているのではと思います。
あの赤ちゃんの匂いは本当に独特で、生命そのものを感じられる香りだと思います。
自分の生きる時代と、子供が生きる時代は違う時代です。
そんな事当たり前なのですが、息子が生まれてからさらにそれを強く想うようになりました。例えば、頭になにかを浮かべただけでそれが実行される時代。宇宙に旅行に行ける時代。言語が自動で翻訳され、自由にコミュニケーションになる時代。それでも、きっと悩みはあるでしょう。
それでも、人ひとりひとりの価値が重要であることは変わらない。
だから、色々あるだろうけど、自分に自信をもって生きてほしい。
自分が望んでいたもの。いつでも変わらない答え。いつでも愛情があること。世の中には普遍的なものがあること。色々と外野が行ってくるけれど、それでもあなたにはあなたを信じて突き進んでほしい。そう想うようになりました。
いつまでたっても、親は子を心配するものです。それは、近所の90歳のおばあちゃんが60歳の息子の話をしているのを見て、実感しました。きっと、年齢がいくつになっても子供は子供なのだと。周りにどう言われようと、自分から見た彼、彼女は変わらない。それは、本当に本質的だなと感じます。
子供を産んで育てた初めてわかることがたくさんあったんだな、気づかせてくれるのがこの歌でした。出産子育てを経由して学ぶことがたくさんあったんだなと、今では思います。
では!
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/utada-hikaru/anata/
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