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新型コロナウイルスの真の恐ろしさ。こうして今も、父は意識を失っている。〜全文無料公開〜

先日、父が倒れた。


仮の診断は脳の髄膜炎と外傷性くも膜下出血。「仮」というのは髄膜炎の炎症が発症していると思われるが、外で意識を失って倒れた際に側頭部を強く打ち、外傷性くも膜下出血によって血液が脳内で広がってしまい、正確な診断ができないためらしい(詳しい話は知らない)。


4日経った今も意識が戻っていない。先生の話では今後言語障害が残る可能性もあると言う。


あまりに突然のことで家族は困惑しているし、今後についても考えなければならない。そんな中でわざわざnoteを書いているのは自分を落ち着かせるためでもあるし、これを読んでいるあなたにも知っておいてほしいことがあるからだ。


新型コロナウイルスは、助かる可能性がある人間を見殺しにする。


それをここに書き残しておく。


運が悪いのか、それともこれが日本の医療の実態なのか?


ここからは実家の母から聞いた話だ。


65歳になる父は新型コロナウイルスの濃厚接触者として自宅待機を命じられた。経路は不明、職場の同僚経由ではないかと思う。自宅待機から3日後ぐらいに39度を超える高熱に侵された。部屋を別にして隔離して寝かせていた。母は別の部屋にいたのだが、トイレに入る音がしてしばらくするとゴンッと大きな音が母の耳に聞こえた。


慌ててトイレに行くと、父がドアを開けて倒れていた。

呼びかけても白目をむいて意識がなかったそうだ。


怖くなった母はすぐに救急車を呼んだ。その間に父は意識が朦朧としながら這って自分の布団に向かったらしい。母親は必死に父に声をかけながら20分以上救急車も到着を待った。どうやらどこも出動できる状態ではなくかなり離れた地域からやってきたそうだ。


3人ほど救急隊員がやってきて父の意識状態を確認した。母親の視点からの話だが、救急隊員が目を開いてライトを当てた時、父は眼球が下を向いた状態で虚ろな状態だったと言う。それでもその救急隊員は「あー意識ありますねー。大丈夫ですねー」と声をかけていたそうだ。

その後、母は救急隊の人たちに濃厚接触者として自宅待機をしていて2日は39度以上の熱が続いている現状を説明した。当然トイレで意識を失ったことも。そうしたら、その救急隊員はこう答えた。


「現状では2日後に出るPCR検査の結果が出ないと何もできない」

「いま病院に連れて行っても何もやることがない」と。


その上で救急車で運ばない同意書(?)にサインをするように迫られた。母は訴えた。「本当に大丈夫なんですか?」「高熱で倒れたんですよ」と。

それでも「病院に連れて行ってもやれることがない」と同じような回答ばかり。父はイスに座った状態でグッタリしながら虚ろな状態で「はい、はい」と返事をし、震える手で同意書にサインをした。母も仕方なく同じようにサインをした。この時、母はなぜ同意させられてしまったのか。いまでも後悔している。


翌日になっても父は40度近い高熱を発して1日中寝込んでいた。そして夜中の3時ごろに母を起こし「寒い」と訴えた。父はそんなことを言ったことは今まで一度もない。熱は39.8℃。65歳の高齢が耐えられる熱だろうか?母は救急隊員の人から「何かあったら連絡を」と言われた緊急の連絡先に電話をした。#7119(救急安心センター事業)というところだ。


そこで母は電話に出た看護師に事情を説明し、指示を仰いだが「カラダを冷やすしかない」の一点張りだった。母は食い下がり高齢者の高熱がどれほどカラダに堪えるかを訴えたが同じ返答で終始した。


そうして迎えた翌日、PCR検査の結果が出る日だ。


朝早くに結果は出た。結果は陰性。そこで母はもちろんだいぶ衰弱した父も初めて安堵した。母は病院から一度帰宅し、父は病院で待っている予定だった。が、父は隣にある商業施設にフラッと移動したらしい。


そこで父は意識を失って倒れた。


医師からの説明。第三者の意見がほしい。


母から私に連絡があったのはその時だ。母は疲れきっており、困惑していた。私と母で医師から父の容態を聞かされる前に、医師と母とのやりとりから上記に書いてきたこの数日の内容を私は知った。その時の医師の反応から、私は困惑の顔を窺いみた。それは救急隊員とのやりとりを説明していた時だ。「え?それで帰っちゃったの?」という感じだ。


冒頭に説明した「脳の髄膜炎」とはざっくり説明すると脳に細菌が侵入し炎症が起こる状態のことで、治療には抗生物質の投与が必要になる。脳の髄膜炎は時間が勝負らしく、対応が遅れれば遅れるほど後遺症が残りやすいと説明を受けた。診断は確定できないが(※外傷性くも膜下出血の影響)、手遅れになる前にと抗生物質の投与はすでに始めている、と主治医は告げた。


おそらくこの数日の高熱は、脳に細菌が侵入した結果なのではないかと医師は推測した。つまりこの時点で3日以上は経ってしまっているわけだ。


もし、救急車で病院に運んでくれていれば⋯

もし、電話で訴えた時に駆けつけてくれたら⋯


もはや後の祭りである。


『新型コロナウイルス』という先入観が武蔵村山の救急隊員3名の判断を鈍らせて、一時は意識を失った人間の搬送を見送らせて、救急“安心”センター(#7119)に心無いお役所仕事をさせた、と私は考えてしまう。


___考えすぎだろうか??


私がここで伝えたいこと


ここまで書いている今も父は目を覚ましていないようだ。

「ようだ」というのは、今コロナ禍なので面会ができないのだ。


母は父にも会えず補償制度の取付けやら今後のことなどで頭がいっぱいで、眠れぬ夜が続いている。幸い近くに私が住んでいるので顔は出せるが、コロナ禍なので高齢の母を気遣いあまり接触はしないようにしている。(それでも心配だ)


そして私はときどきここで書いているようにフリーの整体業に従事しているので、コロナ禍で収入はかなりキツい。その上で補償もないまま3度目の緊急事態宣言を発令するようで、いよいよ余裕がなくなっている。


ネット上では今日も変わらず「国・政治・補償」などとマイノリティーの方々がコメントを打ち続けている。ここまで書いておいて何だが、私は別に誰かを批判するつもりはない。救急隊員の装備や知識で脳の中までは診断できないだろうし、今の世の中では病院に搬送するにも何かグレードのような条件があるのだろう(余計な人間を運ぶな、と)。

救急安心センター(#7119)も同様だ。彼らはただ機械的に職務をこなしただけだ。


私がこのネットの片隅で言っておきたいのは「いまの日本では新型コロナウイルスという先入観と医療体制の問題で、コロナ以外の病気(特に高熱を伴うもの)が見逃される可能性が大きくなった」という事実だ。国や政府を訴えてもコロナは消えないし、出歩く人々を蔑むつもりもない。そんなことをしたところで父の意識は回復しない。


淡々と、ただの事実をここに書いて自分を納得させたいだけなのかもしれない。


父は今後どうなるかわからないし、最悪の結末も受け入れる心構えも必要な状況だ。それでも家族は前に進まなければならない。


明日からはいつもどおり仕事をしてイラスト描いてYouTubeを編集し、noteを書く。私はインフルエンサーではないのでこのnoteは広まらないと思うけど、ここまで読んでくれたあなたに感謝します。ありがとう。

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