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「技術はいくつになっても上がり続ける」という嘘。

こんにちは、HKRです。


前回ひさびさに文章を書き綴ったところ、それなりの人に読まれたようでありがたい限りでございます。内容は明るいものではありませんが、まあ正直に書いたので後ろめたさはありません。


コロナ禍で攻撃的な話題が拾われやすく、より一層“一億総批判論者“になりやすい昨今ですが、そういうのに付き合ってると自分のやりたいことに時間を割けないのであまり目を通さなくなってきました。これも年齢ですねぇ。(他人がボソッと語った話を「こいつの深層心理ではヤバい!」みたいに発信する人&共感する人とか見ちゃうとね。SNSはカウンセラーが多くて怖いわ)



予想通りの未来がきた。


さて、私は今そんなことよりもやるべきことが多々あるんです。職業・整体師の仕事も8年ほどやっているとそれなりに飽きてきます(いきなりの話)。「人に喜んでいただくのが最大の喜び。一人でも多くの人を健康に導きたいキラッ☆彡」というのは施術者の美辞麗句ですが、まぁ私にとってはもう3番目くらいの心持ちです。(※正直者)


1番は自分が豊かになること。2番目は人体への知的好奇心を満たすこと、です。


1と2の間には大~きな差があり、2と3の間は僅差といったところ。これは年齢を重ねるにつれて差が開いてきたって感じですね。お客様の前に立てば3を1番大事であるかのように言う接客スキルはまだ持っていますけどね笑。身体の勉強自体は終わりがないし、知れば面白いと感じるので勉強意欲がなくなったわけではない。ではこの“飽き”は何かというと、単純に接客して施術する体力が落ちてきたんだと最近気づきました。


趣味の自重筋トレは昔から継続していますし、走ったり跳んだりと数年前よりも運動量は上がっていて体力は維持されていると“信じたい”のですが、精神的にも肉体的にも“ある種の体力”が落ちてきたんだと思います。

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38歳(施術歴10年目)でプレイヤーとして引退したいと夢想していましたが、その理由はコレです。いかに身体の使い方を工夫したところで1日8時間働いていれば疲労は蓄積します。8年もやっていれば親指の関節はもちろん、背中や体幹部にもいろんな不調は出てくるものです。年齢層が高くなると痛みに鈍感になるので圧に強さを求められがちですしね(※強い圧を求める人は半分壊れていると思ってる)。


介護職の業界のように「高齢者が高齢者に体力的なサービスをする」というのを個人的に避けたい気持ちがありました(※介護職が重要な仕事なのはもちろん承知していますよ)。介護で腰をぶっ壊して辞めていく人間のように、自分の身体をぶっ壊してまでサービスを提供したいと思えるほどこの仕事にのめり込んでいませんから。


身体と頭が働いているうちにプレイヤーから身を引けるようにしないとヤバいよなぁ⋯と前々から思っていましたが、ついに予想していた未来がきた!って感じですわ。


施術者の高齢化問題。


超高齢者社会に突入している日本では既にプレイヤー(=施術者)も高齢化が進んでいると思います。大手のリラクゼーショングループ(価格帯:中~高)だと大抵中年(35歳以上?)のプレイヤーは採用しません。パート・アルバイトは採用すると思いますが、フレッシュなイメージを与えたいお店は年齢高いプレイヤーはかなり採用率は低いでしょう。本部の社員なら昇格させて(なんたらマネージャーみたいな)、本社に引き取ることで店舗からは離脱させたりしますしね。


そうすると安価なリラクゼーショングループ(¥2980みたいな)に業務委託として仕事にありつく方々が増えるわけですが、私が働いていたお店でも面接にくるのは若くても30代、大体40~60歳の方が面接にくるのが目立ちます。


いまの時代、差別に対してやたらと厳しい目があるのと同様に中高年の雇用もどんどん拡げるべきやーっという声も多いのでしょうが、採用担当も兼ねている身からすると、まあ積極的に採りたいとは思いません。転職が当たり前のような業界ですが、それなりの年齢で転職してくると「なんかあるんかな?」「体力もつかな?」と好意的な念は持てないものです。そしてその年齢層に私も既に加わっているでしょう。


この業界は確実に高齢化が進んでいる印象があります。幸いにして(?)技術職は年齢を重ねるごとに「技術がある」と勘違いしてくれる傾向がこの国にはあるので助かっていますが、スポーツ選手同様に年齢を重ねれば何らかのチカラは確実に落ちます。

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施術者の年齢層が上がり、お客様側も年齢層が上がれば事故も増えていくかもしれませんし、テクノロジーの進化などで「上手いか下手かわからない人に任せるより道具(マッサージガンなど)に任せたほうがマシ」という世界はもう目の前まで来ているように思います。この「施術者の高齢化問題」は、イコール(=)で施術者の食える場所が縮小していくのでは?と数年前から怯えています。「健康業界は拡大しているから整体師も安泰!!」とか言ってる人は幸せな人生送っているなぁと心温まりますよね。


抗うことと受け入れることの両輪を回す年齢。


私は趣味で武道を嗜んでおり、多くの武道・格闘技系に目を通しています。一部の界隈では年齢と技術はずっと右肩上がりするような幻想が信じられていたりしますが(私も信じたい)、そんな人は歴史に残るレベルの天才(一世紀に数人くらい?)しかいないでしょう。ましてや街で働く一般の人でそこまで心身ともに研鑽を重ねている人はまずいないと思った方がいい。まあ体型や肌を見れば大体見破れるでしょう(どういう生活を送っているかね)。これは批判しているわけではなく、30過ぎれば衰えるのは当たり前、という話です。


もし身近に「いや、うちの先生は違う」という人がいるとしたら、それは知識や経験値“プラス”実技の検証をしっかり行えているか、あるいは人柄でカバーできているだけだと思います。モノが語れる・経験年数があることと身体感覚が研ぎ澄まされることはまた別次元のこと。衰えてしまう一方で別のやり方でカバーできることもありますが、知識が増えること(頭)と実技の精度が上がること(身体)は比例しません。「それはそれ、これはこれ」で別の研鑽が必要だと思っています。


そして大抵は「自分の手技の精度は上がってる!」というのは思い込みに過ぎず、確実に何らかの精度は落ちていることを自覚して受け入れなければならない時がきます。私の場合はかれこれ1年半くらい前(※コロナの流行前あたり)から施術に対するモチベーションを保つことが難しくなってきていましたが、このコロナ禍で決定的な何かが失われた感がありました。


私が最初に勤めていたフランチャイズ店のオーナー(出会った中で最もキレやすい人だった。まだ脱〇してんのかな?)のようなマナーに厳しい人なら「やる気が足りない!お客様のことを考えていないからだ!」と怒り散らすのでしょう(その割に契約先への上納金チョロまかしていたけど)。


その考え方を採用すればモチベーションの問題になるのでしょうが、私はこのコロナ禍で1日8時間、店舗で働く気力・体力を失ったんだとようやく自覚しました。体組成計で20代前半の数値が出ても、献血で非常に良い血液だと褒められても、ちゃ~んと年齢は重なっているんです。健康を保つ=加齢に抗うことをいくら努力していても少しずつ能力が損なわれている事実を受け入れる年齢になったということですよね。


あ〜早よ豊かになりたい。


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