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LinkedInフォーム活用における3つの問題の回避方法

Alex Lamascus ・ベストプラクティス

本ブログは、こちらに掲載されている英文ブログの翻訳です。万が一内容に相違がある場合は、原文が優先されます。

リード(見込み客)獲得のため、LinkedInに広告費をかけているならLinkedInフォームも使っておられることでしょう。

LinkedInフォームであれば見込み客の手をわずらわせません。広告をクリックしてランディングページに行き、自社サイトのフォームに入力するという面倒を省けます。これによりランディングページに設置する従来型のフォームに比べて簡単にコンバージョン率を上げられ、リード獲得単価(CPL)も即削減できます。LinkedIn広告の専門家、AJ Wilcox氏の推定によると、LinkedInフォームの採用により、同じ広告であってもコンバージョン率が10~50%増えるといいます。

私はLinkedInフォームの扱いに長けており、毎月10万ドル以上をLinkedIn広告に費やしてきた経験から、LinkedIn提供のリード獲得用フォームは活用に値すべきものと保証できます。

ただフォームの活用において、落とし穴がないわけではありません。微妙に踏み外すと、需要喚起に秀でるベテランのプロですら、やる気を削がれる問題をもたらすのです。ただありがたいことに、このような問題は簡単に解決が可能です。

LinkedInフォームについての正しい理解

LinkedInフォームの活用においてマーケターが直面するであろう問題に切り込む前に、いくつかの前提について説明しましょう。

まず、「Speed to lead(リードに接触するまでのスピード)」は極めて大事な指標です。これは営業担当者がいかに早く新規の問い合わせ客に電話やメール、その他の手段で連絡できるかを表したものです。調査によると、5分以内に何らかの返答を得られなかったリードは価値が大きく毀損されるほか、ほとんどの企業がこの基準を見落としているといいます。マーケティング担当者として、時間短縮に動くことは可能です。見込み客がLinkedInのフォームに記入を終え、そのリード情報が営業担当のメールボックスに届くまでのタイムラグを削減できるのです。

次にマーケティング担当が考慮すべき重要ポイントは、営業担当が一人ひとりのリードと交わすコミュニケーションの質です。優れたやり取りの成立は、マーケティング担当にとっての最優先事項であり、次のシンプルな公式が当てはまるはずです。

--> 良質なリード+卓越したやり取り=チャンスの増大

営業担当が質の高いやり取りをすればするほど、それだけ広告投資によるROIを高められるのです。

最終的に、キャンペーン業務は収益に紐づけられるべきで、こういった活動はすべて重要な経営指標である「広告の費用対効果(ROAS)」のための施策です。

LinkedInフォーム活用における3つの問題点

LinkedInフォーム活用における3つの想定シナリオと、各々の課題解決にスマートな自動化がどう役に立つのか、簡単に確認してみましょう。

問題点1:LinkedInから流入するリードのブランド認知力

LinkedInフォームは面倒さがやや省かれすぎともいえます。LinkedInフォームを利用する見込み客の特性は以下のとおりです。

コンテンツの発信者をほぼ認識していません。LinkedInユーザーはLinkedInの公式コンテンツをダウンロードしたと勘違いしたり、コンテンツの制作元に気づいていないことがよくみられます。

コンテンツの存在自体を覚えていないことがあります。コンテンツのダウンロードはソーシャルメディアのフィードから行われるためです。大部分のユーザーがPDFをダウンロードしたり、御社サイトに行き着いたとしても、後回しにしてフィードに戻ってしまいます。そして多くの場合忘れられてしまい、読まれないままになるのです。

私はこのことを苦労して発見したり、営業開発担当(SDR)がかけた何百もの電話のやり取りを聞いたりしてきました。担当の問いかけにリードは次のように返してきます。「このコンテンツをダウンロードしたか覚えていません」「どなた? もう一度名前を言ってください」「LinkedInからコンテンツをしょっちゅうダウンロードしているので、どのコンテンツのことを言っていますか?」

結果的にLinkedInは他のチャネルに比べ、リードに接触するまでのスピード感がますます重要になっているのです。

解決策:即時メールによるフォローアップ

幸いなことに、見込み客の忘れっぽさを打開する方法があります。メールの即時返信を自動化し、担当者の働きかけが迅速になされればよいのです。コンバージョン後ほどなくリードにメールすれば、担当者から連絡が来たときに何のことか思い出してもらえるでしょう。

日課のCSVデータエクスポート用にリードをLinkedInに眠らせておくのではなく、LinkedIn広告を日常のタスクリストに統合させるべきです。つまりフォローアップメールの配信に使っているシステムが何であろうと、サンキューメッセージを数秒以内に送ることができるのです。これらはすべて、御社のコンテンツが見込み客の最大の関心事となっているうちに実行できます。

次にあげるのは「Outreach」における一連の施策の開始と、担当者にアラートをslackで送るというレシピです。

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LinkedInフォームの利用をきっかけとしたトリガーと「Clearbit」に顧客情報を追加する手順、「Salesforce」「Eloqua」「Outreach」にデータをアップサート(挿入/更新)する工程を含めたWorkatoレシピ。

さらに、関係する一連の工程に、見込み客情報を追加し、すぐに担当者が電話をかけられるようにすることも絶対に必要です。LinkedInのリードの寿命は標準的なリードよりも短く、早く働きかければそれだけ投資収益率(ROI)が上がります。

問題点2:LinkedInのリードは売上につながりにくい

LinkedInのリード情報には、見込み客のLinkedInアカウントの項目がすべて含まれています。つまり、個人的なメールアドレス、携帯電話番号、プロフィールに記載の役職情報を取得することになります。担当者はそれより多くの情報、たとえば仕事用の電子メールといったものを必要とします。通常これを実現させるには「Clearbit」「Zoominfo」のようなリード情報の拡充ツールを使うしかありません。

残念なことに、マーケティング担当者は早期にリードに接触すべきか、リード情報を充実させるべきかのジレンマに直面します。

リード情報のCRM登録前に情報が追加されると、営業担当にリードを割り当てるのが遅れる可能性があります。

リード情報のCRM登録後に情報が追加されてしまえば、営業担当にリードを割り当てるのが遅れる可能性があります。また担当者が不完全なリード情報を受け取ったり、データ更新待ちの遅延が発生します。

こういったシナリオはどちらも受け入れ難いです。

解決策:データ追加の即時実施

データベースに見込み客の情報を取得させるのにかかる時間はわずか数秒ほどです。先ほどのレシピの例でいうと、完了まで約3秒の一連の手順により、営業担当は記録的な速さでリードに対応できるようになります。

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LinkedInフォームの利用をきっかけとしたトリガーと「Clearbit」に顧客情報を追加する手順、「Salesforce」「Eloqua」「Outreach」にデータをアップサート(挿入/更新)する工程を含めたWorkatoレシピ。

問題点3:ツールの線状統合

LinkedInフォームで利用できる統合ポイントはごくわずかなため、専用の統合プラットフォームを採用しない限りは線状統合を余儀なくされます。それはリード情報がたくさんのアプリに一直線に流れ込むことを意味します。
たとえば以下のように:

・LinkedInフォーム>マーケティングオートメーションプラットフォーム>CRM>リードルーティング(担当へのリード割り当て)>営業担当

・LinkedInフォーム>CRM>リードスコアリング>リードエンリッチメント(リード情報の拡充)>営業担当>マーケティングオートメーション

「テクノロジースタック(技術的な積み上げ)」により、この経路は企業ごとに異なる様相をみせます。しかし、このフローにおける問題点はいずれも同じです:

不要なタイムラグの発生:直線的なプロセスの各手順において不要な遅延が発生し、リード情報が営業担当のデスクに届くのが遅れます。これは問題点2におけるジレンマに返ります。つまり、営業担当にとっての価値が高まるまでリード情報を充実させるか、それともリードをタイムリーに営業担当に渡すかの選択を迫られます。

データ活用の困難さ:線状統合では、情報はアプリからアプリへと受け渡され、各ソリューションは業務連鎖のある地点においてデータ処理を担当します。このため、営業収益のデータモデルの標準化が困難になり、最終的に、リード情報のアプリ間移動が可能なデータフィールドの形式に依存してしまいます。

解決策:単独プラットフォームによる同時期のデータ同期

統合処理については専門家に任せるのが賢明です。もちろん、それぞれの業務ソリューションは、いくつかの他のアプリとの統合処理も可能でしょう。しかし統合処理は各ベンダーが提供する主要な機能ではありません。それぞれの業務アプリと接続を行うための統合処理&自動化のレイヤーを追加すると、以下のメリットが得られます。

・業務データ処理用のソリューションが一つで済む
データ活用の標準化
処理スピード

こういった手順はわずか数秒で完了するため、見込み客がフォームの記入を終えたと同時に、リード情報を営業担当に渡せます。つまり、御社のマーケティングオートメーションシステムはCRMとまったく同じタイミングでリード情報を受け取ります。このベストな布陣があれば、工程の遅れや情報のタイムラグに悩まされることがなくなります。

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