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自動化によるSaaS管理コスト削減

Stannie Holt ・ベストプラクティス

本ブログは、こちらに掲載されている英文ブログの翻訳です。万が一内容に相違がある場合は、原文が優先されます。

SaaS(サービスとしてのソフトウェア)モデルの最大のメリットは、迅速かつ容易に設定を完了でき直ぐに利用できる点にあります。クレジットカードとメールアドレスさえ用意すれば、データ分析やセキュリティ、調査など、あらゆるソリューションを利用できます。クライアント/サーバー型コンピューティングの頃のように、IT部門が端末にソフトウェアをインストールする必要もありません。

ただ問題は、容易に導入ができるがために、ライセンスを大量に抱え、無駄な支出が発生する可能性をはらんでいる点です。実際、2018年から2019年にかけて米国の企業では、SaaSの利用数は3割増え(中堅企業では平均180個、一般企業は平均280個以上)、コストは5割増えました。これは新しくて便利なツールが広く普及したことを示したことにもあります――しかし、判明しているだけで、SaaSアプリへの無駄な支出は、9割も増加していると言われています。


わずかな節約も助けになる

経済拡大の中で、SaaSの無駄遣いを抑制するための活動は、見過ごされる可能性が高かったと思いす。なぜなら、アプリの利用や課金状況の追跡を手作業で行うため時間を要し、結局のところ大したROIは得られないと考えてしまうからです。(ある試算によると、平均的な中堅企業での従業員のアプリ接続回数は、4,400以上あるとされています。)

しかし、不要なコストはできる限り削減が求められるべきで、わずかな節約も助けになります。そこで、Workatoが自ら実践しているSaaSコスト管理のためのソリューションを紹介させて頂きます。

課題解決のため、まず精査せよ

我々はまず、周りの状況の見直しから始めました。Workatoでは180を超えるSaaSアプリの費用が技術予算の約7割を占めます。クラウドソリューションの活用は弊社の得意とするところで、クラウド基盤のアプリの良さを広め、社内業務に積極的に利用するようにしています。昨年、弊社の従業員数は80%伸長したのに対し、SaaSに関する支出は約30%の伸びにとどまりました。

設立当初は事業上の技術経費のコントロールがあまりできておらず、新しいツールを試したい人は誰でも使えていました。またIT投資に関して組織立った申請制度や、合理化、管理、監査を行う社内プロセスもありませんでした。その結果、たくさんのアプリが無節操に、もしくは過剰に使われていたのです。


そこで手始めに以下のポリシーを導入しました:

・すべての経費を技術予算のカテゴリに集約する(ITの品目を各部署に割り当てるよりも)

・新技術の認可の明快かつ簡潔なプロセスを構築する(事業上の妥当性、セキュリティ評価、法的な承認を含む)

・定期的に使用状況や導入状態を監視する(重複を少なくし、ROIの測定と最大化、従業員に主たる情報報告システムを確実に使わせる)

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Slack上で動作するアシスタント・ボットは、アプリケーション未活用の アカウントを解除するといった合理化作業を担います。

管理を楽にするアシスタントボット

3番目のポリシーの実装は困難でした。月々の利用状況の監査に時間がかかり、初期設定やその解除には大量のルーチン作業を強いられます。また、長年にわたりマネージャーが最新のツールに触れるよう口うるさく言ってきたため、制度の導入は困難を極めます。しかし、Workatoのローコード統合プラットフォームは、こういった作業を自動化するので負担がほとんどかかりません。

我々はまずZoomの利用管理など、簡単にできることに着手しました。今春に発令された外出制限を受け、突如人気となったビデオ会議ツールをWorkato従業員のほぼ全員が利用できるようにしました。しかしプレミアムライセンスは、1ホスト当たり月額約15〜20ドルかかり、コストに見合うだけの利用がされていないホストがありました。

そこで既存のSlack統合ライブラリを利用して、SaaSの経費管理をする上で多く発生する課題を解決することができるアシスタント・ボットを構築しました。その仕組みは、以下の通りです。

ボットは毎月、Zoomライセンスの保有者の過去30日間の使用状況をチェックします。プレミアムアカウントの基準を満たさない場合、ベーシックな無料プランへの移行(それでも1回につき40分までのグループミーティングが可能)を承認するようボットがマネージャーに依頼してきます。

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アシスタントボットはアプリを活用していないSaaS契約者を特定する。

上図の「John」のように、マネージャーはボット判定のループ表示リストから、プランを変更するユーザーを、事情(たとえば、先月に休暇を取得していたり、新たな任務の立ち上げ中だったなど)を考慮しながら選定することできます。

マネージャーが判定リストを承認すると、ボットはユーザーへ通知します。ユーザーは、判定内容を確認し、都合が悪ければユーザーはエンタープライズ・アカウント維持を主張することが可能です。

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ボットがSaaSアカウントがダウングレードされかねない旨を通知し、ユーザーにアカウントの維持申し立てを促す。

ユーザーがこれを認める場合、ボットはZoomにアカウントのダウングレード処理を促します。もしユーザーがプレミアムアカウントを維持したいと申し出があれば、ボットがマネージャーに再考を求めます。下図は、Rainaの申請が認められた例です。

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アシスタント・ボットは長いメールのやり取りに代わり、ダウングレード決定の要求プロセスを自動化します。

重要な点は、マネージャーが利用環境の解除基準を設定するのではなく、正当な理由があれば柔軟に変更できることです。つまり、自動化は人の判断を不要にするわけではなく、作業を容易にする支援を行っているのです。

売上と最終損益の向上に

アプリ課金の最適化にアシスタントボットを使い始めたのは数ヶ月前です。それでも、経費管理の実態改善と、利用がないアプリの契約が減りつつあるのをすでに実感しています。

便利なSaaS管理ボットは無駄な経費を削減するだけではありません。ボットは最近誰がどんな手段でログインしたかチェックしたり、またSalesforceのリードの所有権が誰に付与されているか等の基準を用いて、Guru(情報をアップするほど実用性が増すナレッジツール)のようなアプリの使用を継続するよう組織のメンバーへ活用を促しています。

他に、弊社にて公開済みの社内自動化は、アプリケーションを横断して業務を行う、例えばZoomのウェビナー参加者の名前とメールアドレスを、Salesforceのキャンペーンに同期させるような、担当者の生産性を向上させることを行っています。


煩雑な作業は自動化しましょう

アプリケーション統合や自動化のベンダーとして、弊社は肥大化を促進させることに既得権を持っているかもしれません。アプリの種類が多くなればなるほど、その分コネクタも必要になります。

Workatoの存在意義は、仕事の内「作業部分」を自動化することです。つまり、人々が真に望み、やるべきことを成すために、妨げとなる非効率や反復作業、技術的な問題をすべて削減することなのです。従来おこなっていたアプリケーション間のインタフェース開発をコーディングして実装していた時間を削減し、無駄な支出を見つけ出し、ポップアップメニューを合理化して精神的な負担や意思決定にかかる疲労を軽減します。

アシスタントボットは、Workato Autopilotの数あるボットのうちの1つです。Workato Autopilotとは4種類の在宅勤務ボットからなる新しいパッケージシステムで、従業員の生産性と健康を増進させるカスタム可能な自動化レシピを含んでいます。Autopilotのレシピは、Microsoft TeamsやSlack、FacebookのWorkplaceなど、新しいリモート環境で人気のプラットフォームで動きます。

Autopilotのその他のボットの紹介:

・StandUp:分散型チームの定例ミーティングの設定と進行が可能になります。Zoomミーティングの日程設定、Githubの課題作成、またはTrelloやAirtable、Wrikeといったプロジェクト管理ツールでのタスクの表示・更新が可能です。

・Wellness:従業員に健康ガイダンスやリマインダーを提供し、健康増進活動や全社的な課題に参加させます。

・Buddy:従業員が同僚とつながって、バーチャル上で共に過ごすことが可能になります。

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Workato Autopilotは、業務と生産性に寄与するアプリを連携し、リモートワークに手軽で新しいプロセスを提供しています。

デモ動画をご覧ください!