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就活生とか、転職を考えている若い人が読んでくれたら参考になるかも知れない話②

昨日、同じタイトルで①を書きました。

①で書いたことを簡単に要約すると

●就活生が悩んでしまうのは、採用のステップにおける「基準」がわからないから。
●学校の成績や入試などにおいてはかなり明確に「基準」が定められているが、就活も含めた会社での評価体系では明確な「基準」はない。(もしくは明示・開示されていない)
●なので、就活の「基準」を知りたいという行為は自分を疲弊させるだけ。逆に自分なりの「基準」を創る方向で考える方が建設的。

こんな感じです。


自分なりの基準を創る、と言っても…
『自分なりの基準を創る』ためには、社会人として求められること・その会社で求められることを想像しながら自分自身の個性・特性と掛け合わせていくことが求められます。
昨日書いた①の最後の方でも触れましたが、一見すると就活としては普通にやっていることに見えます。これらはエントリーシートの「志望動機」や「自己分析」の欄に落とし込まれるような内容ですよね。
それなのに話を難しくしてしまうのは、やはり学生の立場で社会人として求められることを想像するのが難しいから、ということになるでしょう。「求められること」の設定が間違っていれば(少なくとも企業側のニーズと合っていなければ)、自分の長所をアピールしても、企業側からは評価してもらえません。
確かに学生は多くの場合まだ社会人を経験しておらず、「やったことがないからわからない」というのは事実ですしそもそも最大の要因です。
※本当は学生であってもそれまでの人生経験から頑張って想像して欲しいですし、柔軟に多方面に想像して求められる像を設定できる学生は「企業にとって欲しい人材」である可能性が高いのですが。


私の経験からの、ちょっとした示唆
今まで、「私は会社(就活も含む)に明確な基準はない⇒個人で基準を創るべき」という趣旨で文章を書いてきました。
ですので、「個人での基準の創り方」に関しては100人いれば100通りの方法がある上に、同じ人であっても志望する企業ごとに少しずつ基準を変えていくことで無限の組み合わせが発生してしまします。今までの論旨からすれば、私が基準を創るためのノウハウを説明するのはそもそも自己矛盾ですし、実際そんなことはできないと思っています。
もっと端的に私の文章の趣旨をそのまま踏襲すれば、「後は頑張って考えてください」ということになります。
とは言え、そもそも私がnoteでこのテーマで文章を書いた動機は「悩んでいる・困っている就活生を少しでも助けてあげられたら」ということですし、自分が採用セクションにいた時の経験と、会社員として後輩を見てきた経験から、「多くの人が苦しんだポイント」に関してはコメントできると思っています。
以下、そういう趣旨で読んでいただければと思います。

「買う人」から「売る人」への転換
多くの就活生や会社に入りたての若い人が苦しんでいるのは、まずはここではないでしょうか?社会人としての経験がまだない学生にとっては特にそうだと思います。
学生時代というのは、実は「サービスを買っている」状態です。
入試では学校側に選別され、在学中も単位を取る必要があったり、(高校までは特に)校則があったりいろいろな指示を受けたりするので、ついつい学校側を絶対的なものとして捉えがちですが、実際にはお金を出しているのは学生側です。学校側は学生・生徒が規則などを守っている限り、勉学に関するサービスを提供する義務があります。
一方で社会人になり、特に会社に勤めるというのは、「自分の労働力を売っている」状態です。
自分の時間と労働力を会社に提供して、対価として報酬を得ています。

高校入試・大学入試も就職活動も、一見「試験を受けて入ることの許可を得る」ものだと考えてしまうと、同じようなものに見えてしまうと思います。就活でSPIみたいなテストを受けると、なおさらそんな印象が強くなるかも知れません。(と書きましたが、SPIとか最近はやっているんでしょうか?)
が、入試の場合は「試験にパスしたら学校にお金を払う」ものであるのに対し、就職活動の場合は「試験にパスしたら会社から給料をもらう」ものなのです。

そう考えると、おのずと「学校でいい成績を取るために求められる力」と「会社でいい評価を得るために求められる力」は本質的に違うものだ、ということに気づくと思います。

そして、会社で求められることは、究極的に言えば「稼ぐ」ことです。
もちろん、公共的な要素が強く、「稼ぐ」よりも「安全に」「確実に」業務を遂行することが求められる職種もありますが、多くの場合は会社に勤めている人は何らかの形で「稼ぐために貢献すること」が求められます。
であれば、上に書いた「会社でいい評価を得るために求められる力」は「稼ぐためにあなたが会社に提供できる力」となるのではないでしょうか。

これは私自身が若手の後輩を見て感じたことですが、「学生気分が抜け切れていない」と苦言を呈されてしまうタイプの社員は、言い換えれば「稼ぐことに貢献していない」と表現することができます。
今年はコロナの影響で社員研修も対面形式ではほとんどできていないようですがそれはさておき、学校の授業・講義はお金を払っているのは学生側なので、サボったり手を抜いても損をするのは学生側です。一方、会社内で行う研修は、それも報酬の一部と考えればお金を払っているのは会社側なので、サボったり手を抜かれたら会社側が損をするのです。

今日もいったんここまで
今日も長くなってしまったのでこのあたりで一度切ります。
会社では「稼ぐ」ことが求められるということを書きましたが、ここから先が難しいところで、「稼ぐ」ための方法はそれこそ人の数だけあります。
単純化して書きますが、人柄で取引先に気に入られて稼ぐ、圧倒的なロジックで説得して稼ぐ、精度の高い作業で信頼を得て稼ぐ、等々。
なので、「稼ぐ」ための具体的な方法はそれこそ各自で熟考すべき問題ですが、その前段階の「稼ぐ」という点への意識改革の部分がボトルネックになっていることが多い、ということです。ここを考え直すだけでも視点が変わるのではないかと思う次第です。
※一連の文章の中では「学生」「社会人」と対比したような表現で書いていますが、(最近は特にそうですが)学生のうちからビジネス経験を持ち「稼ぐ」ということに関して鋭い感覚を持っている学生も少なくありません。が、そういった学生はそもそも自分で企業して就活をしないか、就活をしてもそれほど苦しんでいないと思うので、この文章を届けたい対象ではないと思っています。

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