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何かを探して

大地さんが引っ越した翌日、野田さんを住山に案内した9月1日、大地さんが残してくれたキウイがたわわに実っていた。

4月のことはもうあまり覚えていない。
と、ちょっとカッコつけた風に切り出してみたが、覚えてないのは何も「4月」だけのことではなかった。僕のことをよく知っている人ならわかるだろうけど。でも、本当に思い出せないので、手帳を見返してみる。

予定していた出張やイベントのキャンセル、物件の延期や中止なったはずのスケジュールが消し込むことなしに手帳にそのまま実施されたかのように残っている。何を考えて過ごしていたのだろう。と考えていると手帳には書き込んでいないことを色々思い出す。カホンづくりのワークショップを全国の仲間に声をかけてこどもの日に開催しようと企画していたことや、圧倒的に打撃を受けたであろう知り合いの飲食店を少しでも応援しようという気持ちで始めたスタンプラリー企画などなど。

4月9日に福井さんに連れらて行ったあの大地邸のことは、一旦どこかに塩漬けされていたかのように何も書き記されていないので、いつどういう心境で大地さんに連絡をとり、もう一度見せくれませんかとお願いをしたのか本当に記憶にない。

ただ、2月に講師として呼んでいただいていた国崎クリーンセンターでの里山保全技術者養成講座の最終講座は、2度の延期を経て4月25日に開催され、里山利活用の3グループの最終発表は全て「モノ」ではなく温泉や人を中心とした「場づくり」だった。

僕を含めて、みんな何を探していたのだろう。


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