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熱意はロジカルに相手にぶつけろ! 「ロジカル・シンキング」照屋華子・岡田恵子 #5

今回ご紹介する本は、

「ロジカル・シンキング ~論理的な思考と構成スキル~」!!

著者の照屋華子さん岡田恵子さんは、マッキンゼーで10年近くエディティングという仕事をされていた方々!

エディティングとは、メッセージの伝え手が用意した中身を、受け手が「なるほどそうか」と納得できるよう、具体的な改善案を提供するお仕事。


この本には、「論理的なメッセージを伝えることによって、相手を説得して、自分の思うような反応を相手から引き出す」為の、ロジカル・コミュニケーションのメソッドが書かれている。

ここで言うメッセージとは、3つの要件を満たしているものだ。まず、そのコミュニケーションにおいて答えるべき課題(テーマ)が明快であること。第2に、その課題やテーマに対して必要な要素を満たした答えがあること。そして第3に、そのコミュニケーションの後に、相手にどのように反応してもらいたいのか、つまり相手に期待する反応が明らかであること。


僕自身も、相手に自分の考えを話す時、「課題」「答え」「相手に期待する反応」が明確になっておらず、話が脱線したり、答えに対する根拠が曖昧だったりして、上手く伝えられない事がある。

今回、この本を読んで、「論理的に話を伝える」為、これから活用していきたいと思った素晴らしい"コツ"を書こうと思う。

特に、MECEとそのMECEのフレームワークは分かりやすかった。


MECE(ミッシー)~重複・漏れ・ずれのないグループに分類

#1や #2で紹介した本でも出てきた、MECE(ミッシー)という考え方がより理解できたと思う。

MECEは課題を分解する行為。どんな時に使うかと言うと、、、


仮に、ある課題に対する解決策を30個箇条書きで出したとする。

相手に伝える時に、そのまま30個の解決策を「こういう案もありますし、こんな案もあって、でもこの案は、、、」と伝えてしまうと、相手は「結局何が言いたいんだろう?」と迷ってしまう。

比べて、箇条書きした案を、「売上を伸ばす為には商品単価を上げる必要があり、根拠としては〇〇と××という案があり、、、一方経費を抑える為には取引先の変更を検討する必要があり、根拠としては○○と△△という案が、、、」とグルーピングして、課題に対するまとまった答えの説明をすれば、相手も迷う事なく理解してくれる。

このように、「相手に伝えたいメッセージ」を論理的に伝える方法として、まずは課題を分解する必要がある。

ここで注意する点は、重複・漏れ・ずれがないようにする事。

重複・・・相手に伝える時、「何回これ話すの?」と話の内容が重なる。
漏れ・・・結論の根拠でメリットしか話さないと「デメリットは?」と疑問を持つように、根拠などに漏れがある。
ずれ・・・「あれ、この話は結論に関係ある?」となってしまう。

すごく論理的なアプローチだなと思った。MECEの説明は「イシューからはじめよ」や「世界一やさしい問題解決の授業」でもあったのだが、この本が一番詳しく書かれていた。


MECEのフレームワーク

次に、いざ自分でMECEな切り口を見つけようとすると、なかなかMECEが思い浮かばない。丁度そんな悩みを持っていたので、このフレームワークを見た時は、かなり便利だし参考になるなあと感動した。

という事で、参考にできるフレームワークを紹介する。


3Cもしくは4C(事業、あるいはその企業や業界の現状を全体集合としたとき、3つないしは4つのCで始まる要素を押さえれば、一応全体を網羅したと考えよう、という約束事)

顧客・市場(Customer)

競合(Competitor)

自社(Company)

チャネル(Channel)

4P(ある顧客層を設定したとき、その顧客に対してどのような商品をどう販売するのか、というマーケティングについて考えるときに活用できる)

商品(Product)

価格(Price)

チャネル(Place)

訴求方法(Promotion)


上記の2つ意外にもあったが、特に分かりやすいと思ったのでこれにした。

まず、3c(または4c)は、現状を把握する時に使える。現在の、自分自身の状況に置き換えて考えてみた。


テーマ:現在の自分の動画クリエイターとしての現状把握

結論:コロナウイルスの影響がおさまるまで動けないが、その間、技術向上の為の学習、機材購入の検討をし、現場経験を積めるように準備をしている。

顧客・市場(Customer):市場はコロナウイルスによる影響を受けやすい観光業、旅行業で広告費は削られる傾向にある。顧客を確保する営業もかけにくい状況。
競合(Competitor):他のフリーランス動画クリエイターもコロナウイルスの影響により、案件が減っている。技術としては、機材やカラーグレーディング、現場経験の差があり、クライアント目線で見ると、競合の方が仕事を振りやすい。
自社(Company):明るい性格で雰囲気良く撮影ができる。ある程度、構成を決めての撮影、ディレクションはできるが、クライアントが安心できるレベルではない。カメラワークや、レンズによる寄りの画、編集技術などで、あと一歩引きつける動画を作れるように改善中。

どうだろうか?

正直、上手くできているかは分からないが、やってみた実感として、色んな視点から課題を観察でき、頭を整理できたと思う。


ちなみに、結論と、それに対する3つの根拠の相互関係が、

結論→根拠 「So What? それで、何が言えるの?」根拠述べる、、、

根拠→結論 「Why So? なぜ、そんな事が言えるの?」結論これだから、、、

となっている事が大切だ。もしそこの話の関係が繋がらなかったら、聞き手も「なんでそうなるんだ?」と無駄な思考を巡らせることになる


こうして、分解をしていき、相手に期待通りの反応をしてもらう為に、話を論理構成していく。。。

この本からは沢山の事が学べた。


感想

この本含め、最近読む本はどれもまた読み返したいと思う。特に、マッキンゼー出身の著者の方々が書く本には、どれも問題や課題、目標へのアプローチを考えさせられる。


僕は時々、自分の熱意を上手く相手に伝えられないなと感じる時がある。

それは、夢がハッキリとしていなかったり、それに対して自信がなく、心から本気で話せていなかったりする為だと思っていた。(感情派だからかな)


でも、「論理的に考え、相手に伝える事」を学んだ事で、それは、自分の思考をちゃんと多方面から落とし込めていなかったのかなと思うようになった。

また、この本で書かれているMECEやSo What?/Why So?などは、コミュニケーションの場のみならず、問題解決でも、自分の取捨選択の場面でも使える万能なものだ。

沢山使ってみて、自分のものにしたい。



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