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TCG業界のオンライン動向

はじめに

woodlongこと森永浩隆です。今日はオンラインでのTCG(トレーディングカードゲーム)の業界動向についての記事を書いていきます。コロナウイルスの影響でTCG業界ではカードショップの大会や個人主催するCSなどのイベントが自粛、延期する事態になっておりますが、企業、個人がその解決策としてオンライン上のイベント開催にシフトしている動きが見られます。今回はその実例を紹介していきます。

そもそもTCGでのオンライン対戦とは何なのか?

まず、TCGのオンライン上の対戦は2つに分かれます。1つめは機材,ビデオ通話を使った対戦必要な物はWebカメラ,ノートパソコン,カメラ固定台,ネット環境。カメラ,ノートパソコンの代わりにスマートフォンやタブレットで代用可。2つめはアプリやブラウザでのゲームとしてのオンライン上で対戦。こちらはスマホやタブレットなどの端末とネット環境のみで可能。

2つのメリット,デメリットを比べると下記の通りとなります。
①機材,ビデオ通話を使った対戦
メリット:ビデオ通話越しのコミュニケーション。ゲームの処理に問題があっても、手動のため巻き戻しや確認が出来る。
デメリット:機材を揃えるのお金が掛かるのと準備に手間と時間がかかる。
②アプリ,ブラウザゲームを使った対戦
メリット:機材を準備する必要がなく、ゲーム上の処理も自動で行われる。
デメリット:課金要素があり、欲しいカードを入手するのにお金がかかる。

個人的な評価としては友達や交流会での対戦では①、競技性のあるイベントでは②という感じです。

オンライン対戦を用いたTCGの実例

ケース①:ポケモン

ポケモン公式がweb会議ツール「zoom」と「Lineオープンチャット」を用いて開催しています。

こちらは海外のポケモンオンラインゲーム「PTCGO」では個人の方がコードやデッキを販売するお店と協力して開催。tonamelという大会運営を補助するサイトを使用しております。

ケース②:ヴァンガード

ヴァンガードを販売するブシロードもtonamelを使用して、200人規模の大会開催と力の入れ具合が伺えます。

ケース③:MTG

MTG(マジックザギャザリング)ではブラウザゲーム「MTGアリーナ」とDiscordを使い、開催しています。海外でのイベントでは基本的に英語(チャット、デッキシートの記入など)が必要になります。MTGアリーナは英語のみのPTCGOとは違い、日本語も対応なので、日本人のプレイヤーでも参加できるのが良いところです。

ケース④:遊戯王


今のところ、Konamiは何もやってないですね...先月、アップデートしたLotdはカードプールやキャラクターを増やすのみで、多くのプレイヤーが望んでいた操作性の改善はありませんでした。4月から発売のラッシュデュエルやコナミ自身のesports事業であまり人、時間、お金などのリソースを割くことができないと思います。

しかし、見方が変えれば、これは個人にとってはビジネスやエンタメとしてのチャンスが見込まれます。実際にKonamiはyoutuberのサンダーさんやはじめしゃちょーを起用し、遊戯王の宣伝に力を入れています。国内では個人がデュエルリンクスでの大会開催が見受けられます。一方、海外では個人の方が「ADS」や「duelingbook」を用いて、大会を開く模様です。

非公認のCSはオンライン上で開催される?

今のところ、オンライン上のCS開催はまだありませんが、何か動きがあるのではと思います。コロナウイルスの影響で公認大会が開けないどころか、一部のカードショップが休店する事態に加え、CSの会場に使われる場所も貸し出しができない所が増えています。

オンライン上での開催はまさにこうした事態の解決策として注目されています。もし、オンライン上で開催にあたり、参加費を取ったり、賞品がもらえるのであれば、本格的な体制を整えてもらいたいところです。自分はすでに準備を整えているので開催が待ち遠しいです。

実際にCS主催者に聞いた結果

遊戯王の非公認大会を開催する運営者に聞いてみました。その結果、参加人数や不特定多数となると運営上、管理しきれない部分が目立ち、特に不正関係やジャッジの判断が対面より判断しづらいのが問題と回答をもらいました。競技性を求めるとなるとこれらの問題は避けられないようです。

遊戯王は過去に運営していた遊戯王オンラインのサービス終了や海外の禁止制限しか対応していないLotdを考えると、ブラウザゲームとしての運営能力が不足しており、デュエルリンクスなどのスマートフォンアプリのゲームの課金で収益を上げている現状です。

結果として、ADSDuelingbookなどの無料で著作権的に違法なシュミレーターゲームが遊戯王のブラウザゲームとしての地位を築き上げています。

おわりに

今年はTCGがesports(エレクトロニック・スポーツ)として本格的に加速していくことが予想されます。コロナウイルスの終息の見通しが立たず、感染リスクを避けるために全世界のプレイヤーが外出を自粛せざるを得ない状況です。

仕事がリモートワーク中心になり、生活もネットショッピングやテレビゲームなどのオンライン需要が高まりつつあります。そこで企業や個人がイベントや大会をオンライン上で開催することでTCG業界が盛り上がっていくでしょう。みなさんもこれを機会にesportsとして参加してみてははいかがでしょうか?

よろしければサポートをお願いいたします。 何かご希望の記事があれば執筆するように致します。