むかし書いた韓国コラム #554

 「セヘボンマニパドゥシプシオ」というのが韓国語の年末年始のあいさつだ。「新年に福をたくさんもらいなさい」という意味なので、年末でも年始でも使える。実はこれに対する返答にちょっと困っている。「はい」とか「ありがとうございます」と言うだけではおさまりが悪い気がする。ちゃんと「セヘボンマニパドゥシプシオ」と返すべきだ。

 「困る」というのは、このあいさつが発音しにくく、しかも長いというところにある。慣れの問題とは思うが、「セヘボンマニパドゥシプシオ」と言われてもそっくりそのまま返答することができない。いつもえへらえへらと笑いながら「あぁ、どうも…」とごまかしてしまいがちだ。日本語なら「よいお年を」と短く言いやすいし、「あけましておめでとうございます」も「あけまして」を省略しても大きな問題はない。

 「あけおめ」レベルまで省略するのはぞっとしないが、韓国語でももう少し手軽な言い回しはないものだろうか…。

【解説】
 ネットスラングなどでは省略形も存在するようだが、いい歳した大人が実生活で使うようなものではない。韓国は新暦と旧暦でそれぞれ年越しをするのでこうしたやりとりを年に2回強いられる。正直めんどくさい。

 
(初出:The Daily Korea News 2011年1月4日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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