むかし書いた韓国コラム #943
韓国のパフォーマンス公演で外国人観光客にも人気なのが「NANTA」だ。言葉を使わないパフォーマンスであるため外国人にも理解しやすく、リズミカルでノリの良さも受けている。
舞台では大量の野菜を包丁で切り刻む。公演1回につき、キャベツ5個、キュウリとニンジンが各10個、タマネギが3個、ピーマンが6個使われるという。公演会場は4カ所あり、1日で400個の野菜が切り刻まれることになる。
最近は野菜価格が高騰していることから、公演では節約を心がけているという。使われる野菜は決められた価格で農協と年間契約を結んでいるため、野菜値上がりの影響は出ていないが、ミスにより公演前に処分される野菜を出さないよう細心の注意を払っているそうだ。リズミカルな野菜のカッティングは公演のキモでもあり、ボリューム感を考えると使用量は簡単には減らせない。野菜価格高騰はこんなところにも微妙な影を落としているようだ。
【解説】
この時期は野菜価格が高騰し、飲食店では無料で提供されていたキムチのお代わりに金を取る店が登場したりして話題になった。そんな時期でも野菜を切り刻む公演をしていたわけだが、公演に使う野菜は商品にならない規格外のものなどを農協から提供されており、使用後の野菜は家畜の飼料に使われているそうだ。写真はNANTA公式サイトより拝借。
(初出:The Daily Korea News 2010年10月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)
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