むかし書いた韓国コラム #800

 ソウルには数多くの繁華街があり、あちこち訪れたことがあるが、繁華街でもない平凡な住宅街となると、そこに知り合いでも住んでなければ訪れる機会はない。こうして考えてみると、ソウル市内にはまだ行ったことのないところは数多くある。せっかくソウルにいるのだから隅々まで探検してみたい。

 交通カードを片手に、どれでもいいのでやってきたバスに乗り込んでみるとちょっとした探検気分が味わえる。車窓に広がる景色もオフィス街から商店街、住宅街とめまぐるしく変わっていく。終点まで乗ってみるとそこは工場地帯だったり渓谷があったりと意外な発見がある。気になるものが見えたら途中でふらりと降りて辺りを歩き回るのも楽しい。飽きてきたら反対方向のバスに乗れば帰ってこられる。

 散策気分でふらりとバスに乗れば、コーヒー1杯分より安い料金でミニトリップが十分に楽しめる。週末の退屈しのぎに最近はまっている。

【解説】
 ただし座れないと車窓を楽しむ余裕はない。せっかくバスに乗ったのにしばらく座れず、ふてくされて途中で降りて引き返したこともある。それでも損した気にはならない程度の運賃なのがありがたい。

(初出:The Daily Korea News 2010年8月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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