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むかし書いた韓国コラム #42

 韓国で最も歴史のある飲食店はソウル・鍾路区にある「里門ソルロンタン」で、1904年に創業した。それでは2番目に古い飲食店はどこだろうか。意外なことにそれは全羅南道羅州にある。1910年創業のコムタン専門店「ハヤンチプ」だ。現在韓国で100年以上の歴史を持つ飲食店はこの2店だけとなる。

 羅州は光州と木浦の中間にある小さな都市だが、日本統治時代には多くの日本人が住んでおり、いまも市内には日本時代の建物が残る。そんな羅州のバスターミナルに降り立ち少し歩くとコムタンの店が軒を連ねる通りに出る。その中でもいちばん人気はやはりハヤンチプだ。現在4代目が経営している同店は週末の昼時には行列ができるほどの人気店。幸い平日昼前に訪れたので並ぶことなくコムタンにありつけた。透き通ったスープのコムタンは日本人の口にも合う味でなかなかのもの。光州や木浦に行く機会があれば立ち寄りたい名店だ。

【解説】
 2021年現在でも韓国で創業100年を超える飲食店は5店しかない。3位は釜山の内湖冷麺、4位は釜山のパクダルチプ、5位は安城の安一屋だ。50年以上の老舗は韓国各地にあるので地方を訪れた際に老舗に味を楽しむのも一興だろう。

(初出:The Daily Korea News 2014年10月13日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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