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むかし書いた韓国コラム #909

 シアトル系コーヒーショップ全盛のいまでは想像しにくいが、20年ほど前の韓国ではコーヒーと言えばインスタントが当たり前だった。「タバン」と呼ばれる喫茶店では、客の好みなどまるでお構いなしに粉末のコーヒーとミルク、砂糖を適当にブレンドしたーヒーが出てきた。

 最近の報道によると、タバンコーヒーに欠かせないコーヒークリーマー「プリマ」はすでに韓国からは姿を消しているという。プリマは東西食品が1974年に発売した。瓶入りの「プリマ」はインスタントコーヒーとともに家庭の常備品だった時代があった。

 その「プリマ」、いまでは中央アジアで人気なのだそうだ。ウズベキスタンやキルギスタンに行けば懐かしいタバンコーヒーが飲めるのかと思いきや、現地ではココアや紅茶に入れて飲まれているのだとか。プリマ入りのコーヒーも懐かしいが、ココアや紅茶に入れて味わってみるのも悪くなさそうだ。そのために中央アジアに行くわけにはいかないが。

【解説】
 日本でかつてクリーミングパウダーのことを「クリープ」と呼んでいたように、韓国ではクリーミングパウダーのことを「プリマ」と呼んでいたほど一般に浸透していた。韓国からは姿を消したとあるが、製造販売元の東西食品の公式サイトには現在も掲載されており、いまも韓国で購入可能なようだ。なお韓国語表記を基に「プリマ」と表記しているが、英文表記に基づくと「フリマ」が正しい製品名のようだ。写真は同社公式サイトより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2015年10月2日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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