むかし書いた韓国コラム #470

 ソウルで富裕層が多く住む地域と言えばどこが思い浮かぶだろうか。マンション価格基準で見るとこの10年間で高級マンション順位に変動があり、富裕層が住む地域も変わってきている。東亜日報によると、10年前には開浦洞がトップで、大峙洞、蚕室洞、道谷洞、狎鴎亭洞が上位だった。しかし現在では狎鴎亭洞がトップになり、盤浦洞、開浦洞、三成洞、大峙洞が上位を占めた。10年前に4位だった道谷洞は9位に順位を下げ、10年前に圏外だった竜山洞が6位に入った。高級マンションといえば江南地区の印象が強いが、そんな中で江北圏からは唯一ベスト10入りした。

 ちなみに今回のランキングは、専有面積1平方メートル当たりの平均価格を基に算出したもの。トップの狎鴎亭洞は1385万ウォンだった。10年前はトップの開浦洞が906万ウォンだが、現在この価格では10位以内には入らない。現在3位の開浦洞は1253万ウォンを記録している。庶民にはあまり縁のない話か…。

【解説】
 開浦洞はかつて日本人学校があったが、開校当時の開浦洞は開発も進んでおらず、開浦洞という地名は「開発放棄洞」の略称だなどと揶揄されていたほどだった。江南一帯は80年代以降に開発が始まった新興地域だが、現在では高級マンションが建ち並びソウルで富裕層が多く住む地域に発展した。ただ「本当の金持ち」は江北に住むという。要は江南に住む富裕層は成金ということだ。

(初出:The Daily Korea News 2015年5月20日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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