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むかし書いた韓国コラム #406

 ホテル予約サイトでソウル市内のホテルを検索してみると、最安値は2500円ほどだ。多くがゲストハウスという安宿だが、中には考試院を開放しているケースも見られる。考試院は基本的に月単位で借りるものだが、短期滞在の旅行者にも開放しているようだ。

 考試院は部屋は狭く、トイレやシャワーは共同。窓がない部屋もあり壁も薄い。しかしコーヒーやトースト、白飯、キムチなどは無料で提供され、共用キッチンには電子レンジもある。考試院より少し高級なコシテルなら、見方によってはビジネスホテルより施設は整っていると言えなくもない。海外旅行初心者には少々厳しいかもしれないが、バックパッカーとして安宿を渡り歩いた経験でもあればそこそこ快適な滞在を楽しめそうだ。ただ、ホテル予約サイトに掲載される情報はそういう事情を知らない人にはわかりにくい。安さにつられて予約したものの、実際に泊まってがっかりした――というケースも多いのではないだろうか。少々心配だ。

【解説】
 個人的には地方での長期滞在で考試院を何度か利用しているので勝手はよくわかっている。シャワー・トイレ共用のところも多いが、コシテルはシャワーとトイレが自室にあるので過ごしやすかった。共用キッチンでは簡単な料理も可能なのでホテルより快適な一面もある。タオルやトイレットペーパー、ふとんは自前で用意するのが基本だが、旅行者向けにはちゃんと用意されているのだろうか。

(初出:The Daily Korea News 2015年10月6日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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