むかし書いた韓国コラム #818

 日本からの来客を案内する際にいろいろなメニューがある店に入ってしまうと、メニューに並んだ料理を片っ端から説明しないといけなくなる。そういう事態を避けるため、あらかじめ食べたいものの希望を聞いておくという手段もある。ガイドブックを見ればたいていの料理は出ているので、そこから自分の好みを選んでもらえば手っ取り早い。ただ「なんでもいい」と言われてしまうと厄介で、こういう場合にメニューを片っ端から説明するという悲劇に見舞われる。

 これを避けるにはメニューが1種類しかない店に行く作戦がある。ソルロンタン専門店はたいてソルロンタンだけで勝負している。ソルロンタンについて説明して食べさせておけば面倒はない。

 われながらうまい作戦だと思ったのだが、食後に伝統茶でも飲もうと提案したのは失敗だった。メニューが1種類しかない伝統茶屋は見たことがない。結局片っ端からお茶の説明をすることになってしまった。

【解説】
 それでも最近は日本語が併記されたメニューもあったりするので楽にはなった。また来客者の韓国料理に対する知識も向上していて、最初から食べたいものをリクエストされることも多く、面倒はかなり軽減されるようになった。

(初出:The Daily Korea News 2010年10月20日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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