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むかし書いた韓国コラム #496

 ミシュラン・コリアが、手頃な価格で楽しめるソウルのレストラン36カ所を集めた「ビブグルマン」のリストを公開した。ミシュランと言えば星の数で評価される高級レストランを思い出すが、ビブグルマンは平均3万5千ウォン以下で高レベルの料理を楽しめることが基準で、星はつかなくとも満足できるお店が並ぶ。

 リストには観光客も多く訪れる明洞のカルグクス店「明洞餃子」をはじめ、個人的にお気に入りの店が数軒含まれていた。当方は決して美食家ではないが、なじみの店が紹介されていると自分の舌もミシュランに劣らぬ実力を持っているように思えてうれしい。

 ただ個人的なお気に入りがすべて入っているわけではない。むしろほとんど入っていない。これはミシュランが評価していないのではなく、まだ存在をかぎつけていないからに違いない。ミシュランも知らない名店を知っていると思い込めばちょっと優越感にひたれそうだ。

【解説】
 お気に入りが選ばれるとうれしくもあるが、それにより客が増えメジャーな存在になるとどこか寂しい。明洞餃子ほどの有名店ならもともと行列覚悟だが、いつもはすいているのにメディアに取り上げられ入りにくくなるのは困るので、ガイドブックはあまり穴場の店を発掘したりしないでほしいところだ。

(初出:The Daily Korea News 2016年11月4日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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