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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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#KTX

むかし書いた韓国コラム #981

 釜山に行くためにKTXの時刻表を眺めていたら妙なことに気がついた。ソウル駅を出発する下り列車は10~30分おきにあるのだが、11時からは12時まで1時間にわたり列車がないのである。そして不思議なことに釜山発の上り列車も午前11時から正午まで1時間列車がない。  この謎の現象、京釜線だけでなく湖南線でも同様で、竜山発の下り列車は10時55分の次は12時5分となる。木浦発の上り列車も11時の次は12時5分と、なぜか始発駅基準で午前11時から1時間の間に出発する列車はないのだ。

むかし書いた韓国コラム #958

 ソウルから釜山に行くのにいつも飛行機を使うかKTXを使うか迷うのだが、ふと思い立って市内バスだけで行けないか調べてみた。すると意外に多くの人が挑戦しているようで、多くのブログが見つかった。ルートはさまざまだが、概ね20回以上の乗り換えが必要で、所要時間も20時間以上かかるようだ。料金も3万ウォン前後で、高速バスと比べてもそれほどの割安感はない。それでも高速道路を走る高速バスより地元密着の市内バスは通り過ぎる街の雰囲気もしっかり感じられ楽しそうだ。高速バスと違い座れる保証はな

むかし書いた韓国コラム #910

 平昌五輪を控え先月開業したソウルと江陵を結ぶKTXの路線名称は「京江線」という。ソウルを意味する「京」と、江原道を意味する「江」を合わせたものだ。しかし運行区間がわかりにくいという意見が多いことから、鉄道公社では新たな名称についてアンケート調査を実施することにした。候補に挙がっているのは「江陵線」「江原線」「京江線」「冬季オリンピック線」「嶺東線」の5つ。ほかにもぴったりの名前があれば提案できる。調査結果を基に2月中に路線名変更を推進する考えだ。  日本でも冬季五輪を機に

むかし書いた韓国コラム #902

 新幹線「のぞみ」に使われた300系電車が3月16日に営業運転を終了した。生まれた時にすでに「ひかり」が走っていた筆者の世代にとって300系こそが「夢の超特急」であり、あこがれの電車だった。乗る機会がほとんどないままお別れとなったのは寂しい限りだ。  一方、韓国でも一時は国を代表する花形列車だった「セマウル号」の退役が迫っているという。花形の座はKTXに譲ったものの、高級列車としての風格はセマウル号の方が上だ。ソウル~釜山間を最速4時間10分で結んだセマウル号は、普通席でも

むかし書いた韓国コラム #877

 高速鉄道KTXがソウルと釜山をノンストップで結ぶ列車を今月から1日1往復運行している。これで京釜間は10分短縮の最速2時間8分で結ばれることになる。さらなるスピードアップで2時間を切れば高速鉄道としてのインパクトも高まるが、なかなか難しいだろう。  それよりもインパクトがあるのは、ノンストップというところだ。これまで停車駅は増やしても減らすことはなかったのに、大田と東大邱の両駅を通過させてしまうというのは英断だ。東海道新幹線「のぞみ」が名古屋を通過した際には地元から大きな

むかし書いた韓国コラム #842

 スマホのアプリでKTXのチケットを買おうとした。乗る列車を決めて決済しようとしたところ、画面に「選択した列車は他の列車に比べ停車駅数が少なく、料金が最大0.6%高くなります」と書かれたポップアップウインドウが現われた。確かに、選んだ列車はソウルから大田までノンストップで走る便だった。しかしわずか0.6%とはいえ「高くなります」と言われるとちょっと気分は良くない。停車駅が少ない分だけ所要時間は短くなるが、だからといって新幹線「のぞみ」が「こだま」を追い抜くようにKTXが先行列

むかし書いた韓国コラム #791

 次世代高速鉄道車両「HEM-430X」が最高時速421.4キロメートルでの走行を記録し第1段階試験を終えた。これは世界で4番目に速い記録だそうだ。一方、2004年4月に開業したKTXは9年間で累積利用客3億6000万人を突破した。現在の1日平均利用客は14万6800人で、開業初期の7万2300人から2倍に増えるなど、KTXの発展は続いている。  一方で問題も抱えている。慢性的な遅れだ。特にソウル行きの上り列車で顕著にみられる。これはソウル駅周辺の線路を在来線と共有している

むかし書いた韓国コラム #777

KTXの世宗駅新設をめぐりいろいろと議論が起きている。停車駅が増えることが速度低下につながり高速鉄道の意味がなくなるというような話らしい。  KTX開業から12年。気がつけば駅も路線もかなり増えてきた。新駅を作るのも結構だが、個人的には東大邱から釜山まで直行するルートで新線を作り直してもらいたい。現在の新慶州・蔚山経由ルートは遠回りすぎる。高速鉄道計画当初は京釜間を1時間40分台で結ぶことが想定されていたのに、現状では2時間40分ほどかかる。だったら1駅増えるくらいはどうと

むかし書いた韓国コラム #754

 KTXに乗る際は基本的に特室に乗っている。その特室、20両編成の2~5号車に設定されている。編成の端のほうだ。ホームの階段はほとんどが編成中央部に位置するため、特室利用者は乗り降りの際に結構な距離を歩かされることになる。大した額ではないが、上客がないがしろにされている気がしないでもない。日本の新幹線はグリーン車が編成中央部に位置するため、ホームの階段は利用しやすい位置にある。新型のKTX山川は特室が10両編成の4両目に組み込まれ、編成中央寄りとなった。編成が短いこともあり、

むかし書いた韓国コラム #685

 2日に開業した湖南高速鉄道。瞬殺で一番列車のチケットが売り切れた北陸新幹線とは違い、こちらの一番列車は当日でも十分な余裕があるほど空いていた。以前の当欄で1週間前でも空席があれば乗ってみようかと公約(?)していたので、上り一番列車に乗るため光州まで出かけてきた。  大統領が出席した盛大な記念式は前日の1日に行われたためか、正式営業初日の一番列車の出発はテープカットもなく控え目。それでも乗務員への花束贈呈などささやかな式が行われた。メディアの取材クルーはそれほど多くはなく、

むかし書いた韓国コラム #634

 ソウルと江陵を結ぶ高速鉄道(KTX)が来月にも開業の見込みだ。ソウル駅から江陵駅まで1時間42分、清涼里駅から江陵駅までは1時間26分。現在ムグンファ号で6時間以上かかることを考えると大幅な時間短縮だ。10年以上前に清涼里から江陵に列車で行った時は7時間近くかかり、その印象が強かったせいかいまだに江陵は遠いイメージがある。江陵がこんなに近くなるとは隔世の感があるが、実は高速バスは2時間半ほどで結んでいる。もともと鉄道は遠回りを強いられるためどうしても時間がかかっていたのだ。

むかし書いた韓国コラム #618

 KTXに乗ったときの楽しみは各座席に置かれている「KTXマガジン」だ。飛行機の機内誌に相当するもので、韓国各地の旅行情報が満載で結構楽しめるのでKTXに乗るたびに真っ先に手に取るほどだ。飛行機の機内誌でも各地の観光情報が紹介されているが、対象が世界各地のため、欧米やアフリカなどが紹介されても実際に旅行に行くのは難しい。しかし、KTXマガジンは韓国の国内旅行に特化しているため、思い立ったらすぐに旅立てる。実際に旅行帰りに車内で同誌を読んで次の旅行先を決めたこともある。  車

むかし書いた韓国コラム #562

 ソウルと釜山を1時間半で結ぶ高速鉄道車両の開発が進められているが、KBSニュースよると実現はほぼ不可能らしい。国土交通部は2007年に「HEMU」と呼ばれる新型車両の開発に着手し、昨年3月には世界4位となる時速421キロでの走行に成功した。来年にも開発は完了する予定で、計画通りなら京釜間は1時間半で結ばれる。  しかし、鉄道施設公団の試算では途中2駅に停車する場合で所要時間は1時間54分となり、停車駅が増えると2時間を切るのは困難になるという。前にHEMUより遅い列車が走

むかし書いた韓国コラム #498

 KTXを利用する際はグリーン車に当たる特室を利用し、座席は1人掛けを選ぶようにしている。数年にわたるこの習慣の結果、ひとつの重大な事実に気付いた。常に同じ側の車窓風景しか見られないということだ。ソウル発だと釜山方向に向かって左側が1人掛け座席だ。帰りの便ではソウルに向かって右側が1人掛けになる。列車の進行方向は変わるが車両自体の向きは変わらない。1人掛けに座り続けると東側の風景しか見られないのだ。高速バスの場合、常に進行方向右側が1人掛けの座席となるので、同じ席に座っても行