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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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2022年1月の記事一覧

むかし書いた韓国コラム #223

 鉄道公社鎮海線の旅客営業廃止が決まったようだ。日本統治時代の1926年に開通した鎮海線は慶尚南道昌原市の馬山と鎮海を結ぶ。鉄道好きにとっては、到達することが極めて困難な統海駅が存在していたことで知られる。統海駅は鎮海駅の先にある駅で、時刻表にも時刻が掲載されていたが、海軍施設内にあることから一般乗客は全員鎮海駅で降ろされるため行くことができない“幻の駅”だった。この区間はすでに2006年に営業を休止している。また、サクラのトンネルで有名な慶和駅や、開業当時の駅舎が現存する鎮

むかし書いた韓国コラム #222

 サンフランシスコで起きたアシアナ航空機の着陸失敗事故は、同社便を利用する機会も多い在韓日本人にとっても衝撃的だ。事故の原因はまだ明らかになっていないが、航空機事故が起きると途端に訳知り顔で「あの会社はよく揺れると思ってたんだ」などと話し出す御仁がいる。揺れる揺れないは航空会社の問題ではなかろうに。旧ソ連の飛行機でも使っていたなら不安だろうが、事故機は世界的ベストセラーのB777型機。日韓路線を運航する多くの航空会社で採用されている。特定の航空会社だけが特に揺れることはあるま

むかし書いた韓国コラム #215

 一般を対象に募集していた特急列車「セマウル号」の後継列車名が決まった。その名は「ITXセマウル」だそうだ。すでに京春線では新型特急の「ITX青春」が走っている。新名称は慣れ親しんだ「セマウル」を捨てずに新しいイメージを加えるために「ITX」を足した単純な名前で拍子抜けの感がある。また、公募では最優秀作の該当なしという結果だった。優秀作は「ITX」「セマウル」「ATX」の3つで、このうち2つを組み合わせた格好だ。このため一部からは「最初から公募などしなければ良かったのでは」と

むかし書いた韓国コラム #213

 「乗せてあげればいいじゃない」「最近は規則が厳しくて」――。住宅地を走るマウルバス(ミニバス)の乗客と運転手の会話だ。バス停を出てすぐに信号待ちとなり、乗り遅れた客がドアを叩いて乗せてくれと求めたのだが、運転手は手を横に振り次のバスに乗るようにと指示する。  大通りを走る一般のバスと違い、住宅地の細道を縫って走るマウルバスは、運転手も乗客も顔見知りが多く庶民的な雰囲気にあふれる。以前ならバス停から少しばかり離れたところでも乗せてくれ、こうした人情味も韓国らしい風景だった。

むかし書いた韓国コラム #207

 アジア経済新聞によると、アシアナ航空がコスト削減の一環として、海外出発路線の機内で提供していたキムチとミネラルウォーターのサービスをこのほど中断した。同社は現地で積み込む機内食にもキムチだけは韓国産のものを用意するなどこだわりを見せていた。韓国の航空会社で最初に機内食にキムチを出したのも同社で、1995年に上級クラスでキムチのサービスを開始し、一般席にも拡大していった。キムチを使った料理も提供するなど他社との差別化も進めた。大韓航空では「白キムチ」と「水キムチ」は提供してい

むかし書いた韓国コラム #202

 大韓航空が金浦~光州便を3月で休止することを検討している。昨年4月にKTX湖南線が開通し乗客が減っているためだ。アシアナ航空は光州が発祥の地という象徴的意味合いもあることから休止は検討していないが、1日5便から3便に減便している。  日本では新幹線で3時間以上かかる場合には航空機が優位になると言われる。これまでKTXは大田以南で在来線を走っていたため竜山から光州までの所要時間は3時間ほどだったが、専用の高速線が開通したことでいまでは2時間を切り、KTXが一気に優勢となった

むかし書いた韓国コラム #174

 旧正月を重視する韓国では、新年が明けても旧正月が明けるまでは年が明けたという感覚も薄く、旧正月までは年が明けたのに明けていない、明けていないけど明けている、という中途半端な感じの時期が続く。日本人の多くは年末年始に休むが韓国の休みは元日の1日だけ。これでは普段の祝日となんの変わりもなく、新年になったと気持ちを切り替えるには短いのかもしれない。  そんな時期だが、先日乗ったバスには驚いた。いまだに車内にクリスマスの装飾がそのまま残されていたのだ。一部のノンステップバスはクリ