見出し画像

むかし書いた韓国コラム #222

 サンフランシスコで起きたアシアナ航空機の着陸失敗事故は、同社便を利用する機会も多い在韓日本人にとっても衝撃的だ。事故の原因はまだ明らかになっていないが、航空機事故が起きると途端に訳知り顔で「あの会社はよく揺れると思ってたんだ」などと話し出す御仁がいる。揺れる揺れないは航空会社の問題ではなかろうに。旧ソ連の飛行機でも使っていたなら不安だろうが、事故機は世界的ベストセラーのB777型機。日韓路線を運航する多くの航空会社で採用されている。特定の航空会社だけが特に揺れることはあるまい。乗務員の習熟度は会社によって差はあるだろうが、ふわりと着陸するか、どすんと衝撃的に着陸するかはパイロットの腕次第。これも航空会社によって顕著な違いがあるとは思えない。

 事故を起こした航空会社を擁護するつもりはないが、根拠のない航空会社批判も見苦しい。事故さえ起きなければ批判も受けなかったろう。航空会社には信頼回復に全力を挙げてほしい。

【解説】
 日系大手企業の幹部クラスのちょっと偉そうな駐在員にはなにかにつけ韓国を日本より下に見たがる人が多い印象があった。それが正当な批評であるなら問題はないのだが、「よく揺れると思ってた」なんていうのは言いがかりもはなはだしい。そしてそういう御仁の取り巻き連中も取り入ろうとするのか「そうですよねぇ」なんて迎合し始める。まぁそれも処世術なんだろうけど、どちらも見苦しい。

(初出:The Daily Korea News 2013年7月10日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?