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むかし書いた韓国コラム 乗り物編

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「むかし書いた韓国コラム」から乗り物に関するものをピックアップしてみました。
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2021年12月の記事一覧

むかし書いた韓国コラム #149

 今月から高速鉄道(KTX)の新型車両が営業を開始した。2004年の開業からもうすぐ6年。現在の主力車両であるフランスの設計による旧型車は座席の向きが変えられないなど利用者からの不満も多かった。個人的には前の席との間隔が狭く窮屈なことが不満で、自腹で乗るときは普通席ではなく特室に乗るか、時間はかかってもゆったりとしたセマウル号に乗ることにしている。という話をすると必ず、「そんなに長い足でもないくせに」などと憎まれ口を叩かれる。見栄でもなんでもなく、足を組むことができないくらい

むかし書いた韓国コラム #138

 まるで特別感はなかった。9日に開業した新しい高速鉄道SRTの1番列車に乗り込んだのだが、車内はガラガラで、同乗する取材陣も見かけることはなかった。少ない乗客も1番列車が目的ではなく、ちゃんと用務があって乗車している人の方が多いように見受けられた。乗務員が乗車記念にとモチを配っていたのが唯一の1番列車らしい雰囲気だった。SRTは新規開業だが、高速鉄道自体はすでに市民の足として定着しており、新規路線ができたところで一般にそれほど関心はないのだろうか。  では12年前に韓国に初

むかし書いた韓国コラム #124

 地下鉄3号線の忠武路駅に初めて降り立ったときの驚きはいまでも覚えている。壁に人工岩が設置され、まるで洞窟のような風景だったからだ。コンコースからプラットホームに向かうやや長めのエスカレーターも洞窟の中を進んでいくような雰囲気がありお気に入りの駅でもあった。ところが、最近訪れたところ、人工岩はすべてはがされコンクリートの壁がむき出しになっていた。  以前から同駅には改装のうわさがあった。発端は2003年2月に起きた大邱地下鉄の火災事件だ。忠武路駅の人工岩は強化プラスチック製

むかし書いた韓国コラム #120

 2004年に輸送力増強の切り札としてソウルに投入された連接バス。このところその姿をあまり見かけない。2車体構成で全長18メートルの連接バスが走る姿は日本でもごく限られた路線でしか見られず、乗り物好きとしては気になる存在だった。  最近の新聞報道によると、このバスはソウル市の助成を受けイタリアから20台が輸入された。ただ故障が頻発し、部品交換をするにも輸入品のためすぐには調達できず休車する車両が多いのだという。また平地向けの設計のため冬季は路面が凍結すると坂道を上れなくなる

むかし書いた韓国コラム #99

 ソウルから水原に行くのにどの交通機関を使うべきか。地下鉄が最も安いが時間がかかるし座れる保証はない。そこで先日はセマウル号を利用し、ついでに特室を奮発した。乗車時間30分で8400ウォンだ。日本でほぼ同距離の東京~戸塚間の東海道線普通列車に乗ると720円。グリーン車に乗るとこれに770円の料金が加わる。そう考えると意外に手頃な料金かもしれない。  仲間内でこの話が盛り上がった。それならソウルから光明までKTXの特室に乗れるかという話だ。移動時間14分で1万3200ウォン。

むかし書いた韓国コラム #83

 高速鉄道KTXが開業してきょうで10年となった。それに合わせコレール(韓国鉄道公社)もさまざまなイベントを行っているが、中には開業当日のKTXのチケットを窓口に持参すれば往復のチケットを無料で進呈するというものもあった。惜しいことに当方が初めてKTXを利用したのは開業翌日の2004年4月2日だった。釜山往復の料金も安くはない。10年後にそんなイベントがあると知っていれば開業当日に乗ったものを…。  ところで、実は開業前にKTXに乗った経験がある。開業直前の3月中旬に、一般

むかし書いた韓国コラム #68

 ソウルのバスから漢字表記が消えて久しい。最近のバスはLED表示器を使っているのでさまざまな表示ができるが、ソウルのバスはハングルの行き先と、路線番号のロゴを切り替えるだけである。  週末に釜山を訪れたときに市内バスを見たら、LED表示器はハングルと漢字を交互に切り替えながら表示していた。漢字圏の利用客にとってわかりやすい案内だ。釜山は地下鉄駅にも「のりば」「きっぷうりば」と日本語表示があり、車内での「次の駅は~」という案内のほか、駅ホームでの「まもなく列車がまいります」と