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むかし書いた韓国コラム #68

 ソウルのバスから漢字表記が消えて久しい。最近のバスはLED表示器を使っているのでさまざまな表示ができるが、ソウルのバスはハングルの行き先と、路線番号のロゴを切り替えるだけである。

 週末に釜山を訪れたときに市内バスを見たら、LED表示器はハングルと漢字を交互に切り替えながら表示していた。漢字圏の利用客にとってわかりやすい案内だ。釜山は地下鉄駅にも「のりば」「きっぷうりば」と日本語表示があり、車内での「次の駅は~」という案内のほか、駅ホームでの「まもなく列車がまいります」という案内にも日本語を使っている。もちろん英語と中国語の案内もある。ソウルの地下鉄は車内案内、それも主要駅だけが多国語対応になっているにすぎない。

 ソウル市は外国人向けの行政サービスに力を入れており、以前に比べれば外国人も暮らしやすくなってきた。しかし公共交通部門の国際化は釜山のほうに軍配が上がりそうだ。

【解説】
 釜山のバスは表示内容を切り替えられるLED表示器のメリットをいかした使い方をしていたが、地方によっては現在の時刻を表示するケースもあった。一方、ソウルのバスは行き先と路線番号を切り替えるだけでなく、当時のソウル市のスローガンだった「Hi Seoul」のロゴを表示させたりしていた。そのロゴは利用客にとってはなんの意味もなく、もったいないLED表示器の使い方だと思ったものだがいまはどうなっているだろうか。

(初出:The Daily Korea News 2010年7月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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