見出し画像

記憶に残るEl Salvadorのコーヒー農園

こんにちは。品質管理部の佐藤です。
WOODBERRY COFFEE FAIRTRADE PROJECTについての第5弾の投稿です。

👇1弾目で投稿したプロジェクト全体についてはこの記事をご覧ください。

(過去の投稿については最後にまとめているのご覧ください!)

Guatemala/El Salvadorの記事もこれで最後になります。
El Salvadorでは7日間の滞在で16の農園を訪れることができましたが、最後の記事ではその中でも印象に残った農園を5つだけ紹介したいと思います。

■Alotepec Metapan地域

El SalvadorのAlotepec Metapanという地域からはPacamara種が特に美味しかったFinca Mileydi(フィンカ ミレイディ)Finca Tres Pozos(フィンカ トレス ポソス)を紹介させていただきます。

Finca Mileydi(フィンカ ミレイディ)

Finca Mileydi(フィンカ ミレイディ)は2021年のCup of Excellenceという品評会で1位に輝いた農園です。

Finca Mileydi

実際に農園に訪問した際に成熟したコーヒーチェリーを食べ、とても甘く、繊細な酸味と綺麗な後味を持っていてとても美味しかったです。
もちろんコーヒーも綺麗で甘く、プラムやシナモン、チョコレートの風味が明確に感じられる素晴らしいコーヒーでした。

Alotepec MetapanがPacamara種を美味しく育てるのに適している土壌、気候を有しているのはもちろんですが、Finca MileydiではEl Salvadorではあまり採用されていない日陰干しを採用している珍しい農園でもあります。

もともと品評会の順位も高かったFinca Mileiydiですが、日陰干しを採用して乾燥工程を長くしたことで順位がさらにアップし、2021年には1位になることができたと話していました。

訪問時には新しいウェットミルも作っていて、品評会で1位を取っても品質向上のために前進する姿勢を崩さない努力家でまじめな生産者なんだなと思いました。

Finca Tres Pozos(フィンカ トレス ポソス)

もう一つの農園はFinca Tres Pozos(フィンカ トレス ポソス)です。

実際に農園を訪問した時に農園主のArmandoさんから「この農園ではPacamaraに力を入れている」という話を聞き、Pacamaraのサンプルをいただいてテイスティングをしました。
そのPacamaraはEl SalvadorでテイスティングしたNaturalプロセスの中で一番美味しかったです。とても綺麗な味わいで赤ワインやピーチ、チョコレートを思わせるテイストでした。

この美味しいPacamaraのNaturalを作るために収穫期にコーヒーノキを休ませる、ということをしているようです。

コーヒーは花を咲かせ、実をつける工程を3度繰り返すそうです。
通常であれば、この3回の全てで収穫するのですがFinca Tres Pozosの生産者は2回目の収穫を行わずに木を休ませるそうです。
それにより収穫量は減ってしまいますが、木が疲れることなく、養分をふんだんに含んだ美味しいコーヒーが出来上がるそうです。

実際、その取り組みがカップの品質にも表れていたと思います。

Finca MieydiがPacamaraのWashedで、Finca Tres PozosはPacamaraのNaturalで一番美味しいと感じた農園です。同じ地域なのでこの2種類の飲み比べはとても面白いと思います。

■Apaneca Ilamatepec地域

Finca Santa Elena(フィンカ サンタ エレナ)

次にApaneca IlamatepecからFinca Santa Elena(フィンカ サンタ エレナ)の紹介させていただきます。
前回の記事で紹介した、コアテペケ湖に隣接する微小気候を有している農園です。

Finca Santa Elena

この農園に訪問するまで、たくさんの農園を見て回り、テイスティングし、ある程度の基準が出来ていました。
しかし、このFinca Santa Elenaのコーヒーは何をテイスティングしても基準を超えてきました。唯一、すべての品種を買いたいと思った農園です。

特にGeishaは秀逸で、今回の旅で一番美味しかったのではないでしょうか。Geishaだけでなく、BourbonやCaturraもとても甘く美味しかったので皆さんに紹介できるのがとても楽しみです。
Apaneca IlamatepecとLago de Coatepequeが織りなす微小気候から生まれるテロワールをお楽しみください。

■Tecapa Chinameca地域

あと2つの農園を紹介します。
どちらもTecapa Chinamecaという地域の農園です。
この2つの農園はコーヒーの味だけではなく、農園主の取り組みや哲学といった点も素晴らしく、是非取り扱いたいと思った農園です。

Finca Los Pirineos(フィンカロスピリネオス)

一つ目はFinca Los Pirineos(フィンカロスピリネオス)。
全てにおいて圧巻!という農園でした。大きなポイントとしては4点あります。

Finca Los Prineos

1点目は農園の規模がとても大きく、生産量が150tを超えていながら、設備全体に手入れが行き届いている点です。
建物が綺麗なのはもちろんですが、生産処理場もとても綺麗でゴミ一つも落ちていません。また、生産時に出てきてしまうカスカラ等の廃棄物も肥料にしたり、カスカラティーにしたりして再利用しています。

2点目は品質向上にも余念がない点です。
品種の森と呼ばれているテロワールと品種の研究を行う区画があったり、嫌気性発酵のための定温倉庫があったりと品質向上のために投資を惜しまない姿勢が見て取れました。

3点目は従業員の給与支払いが良いこと
この農園はEl Salvadorが定めている最低賃金の1.5倍の給料を収穫する方に支払っています。そのためか収穫する方達の働き方がとても前向きで収穫したコーヒーチェリーの品質が高いのはもちろんのこと、コーヒーチェリーのハンドソーティングも素早く丁寧で、思わず動画に収めてしまったほどです。コーヒーチェリーの品質の高さがコーヒーの品質の高さに直結していると考えているので、このコーヒーチェリーの品質に多くの金額を払っているこの農園のお金の使い方は素晴らしいなと感じました。

最後の4点目は苗木用のシェードツリーがあったことです!
正直、味にどのような影響があるのかはわかりませんが。。。
苗木用の区画にシェードツリーが切りそろえられて同間隔に配列された光景は忘れることが出来ません。他の農園の苗木の区画と比較しても、光の入り方、風の入り方とその場所に作られている環境は頭一つ以上飛び抜けていました!

苗木とシェードツリー

Finca Buena Esperanza

もう一つはFinca Buena Esperanzaという農園です。
この農園はサスティナブルな運営に特化した農園という印象です。

Finca Buena Esperanza

農園主の哲学に則り、原生林循環型農業を行っている農園です。農薬や肥料は短期的に見るとコーヒーの品質を良くするが、長期的にみると土壌を汚染し、コーヒーノキは栄養過多になり、人で言うなら糖尿病のような状態になってしまい品質が落ちると考えていて、長期で見たときに高い品質を提供し続けるためにやるべきことをやっている農園です。
この考え方が目から鱗でしたし、これこそがサスティナブルなんだと思いました。

また、児童労働問題にも取り組んでいて、農園で働いている人には子供を働かせないことを義務化し、学校で好成績を残したらボーナスが支払われるという仕組みを作っています。
そのため農園全体で教育熱心になっていて、子供の将来の選択肢が増えています。

他にもサスティナブルな取り組みはたくさんありましたが、特に印象に残ったこの二つを紹介させていただきました。

残念ながらLos PrineosとBuena Esperanzaは買い付けることが出来ませんでしたが、来年こそは買い付けたいと思っています。

このFAIRTRADE PROJECTを通して、生産者のこと、テロワールのこと、生産処理のことと多くのことを学べたと思います。
Guatemaraでは特に生産処理について多くの学びと発見がありました。発酵プロセスによるPHでの調整と味わいの変化だったり、そもそもの生産工程における処理の違いでの味わいの変化だったり、今まであまり注目してこなかった点を意識するきっかけになりました。
El salvadorではテロワールと品種の組み合わせについて多くの気づきがありました。コーヒーの愉しみ方の幅が広がったようにも感じます。

たくさん伝えたいことはありますが一つだけ。
今回のFAIRTRADE PROJECTで作成したオリジナルロット、並びに買い付けをしたコーヒー豆は今年の秋ごろに日本に到着し発売開始予定です。どうぞ首を長くしてお待ちください。

以上、佐藤からのFAIRTRADE PROJECTレポートでした。

過去の投稿もCheck✅

👇2弾目の記事からGuatemalaのMy Farm契約についての投稿をしています。
実際に農園に足を運び、コーヒーチェリーをピッキングし生産処理場までの運搬まで。実際の農園体験をさせてもらいました。ぜひご覧ください。

👇3弾目の記事は生産処理についての投稿をしています。
生産処理とはなんなのか?実際に私たちが行った生産処理について紹介しています。詳しくレポートしているのでぜひご覧になってください。

👇4弾目はEl salvadorのテロワールと品種について紹介しています。

さいごに

公式noteをご覧いただきありがとうございました。
SNSでも様々な情報発信をしていますのでぜひチェックしてみてください。
Please have a wonderful day :)

instagram : https://www.instagram.com/woodberrycoffee/
Tiktok :https://vt.tiktok.com/ZSeuJKttt/

卸売のご相談はこちら👇