天保10年8月17日(柏崎日記 現代語訳)

快晴、昼過ぎまで役所に出て、太田に昼飯を呼ばれたのでいきました。麦飯のご馳走で、桑名では珍しいのでたくさん食べました。

添田伴助は今月の5日に大阪に出立して、北国通りでいって20日に着く予定だったんですが、さっき着いたそうです。

梨、柿が今年たくさん取れ、栗もよく売りに来ています。1升1200円(60文)くらいです。
内ではまだ買っていませんが、昨日、お菊は竹内へ栗飯に呼ばれていました。

里芋はたくさん取れるので、毎朝2,3人売りに来ます。400円(20文)から360円(18文)くらいです。もっとも、土芋だけで親芋は一つもありません。ここでは、いもの子というようです。

ここで美味いものは、かぼちゃ*といもの子です。もはや芋、かぼちゃも飽きましたが、他に食うべきものもないです。
桑名のように、川魚でもあれば弁当にいいんですが、全くありません。魚はにしんばかりです。

とはいえ金さえ出せば、肴も色々あるので必要なときは困りません。

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* `とふなす`

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