天保10年8月18日(柏崎日記 現代語訳)

快晴ですが、寒かったです。

休日だったので、昼まで家にいました。今月末には検見にいきますが、さきにでた方々が用意してくれた包み紙が所々破れていたので、今日修理しました。
上皮を剥がし、穴のところへ裏表より2,3回貼り、全体に2回貼ったらかなり良くなりました。
お菊が、着物を仕舞っていたら4つ手拵えしましょうかというので、2つ拵えるようにしました。

12時になったので、助番で役所にいきました。
頭衆、奉行衆、志田、江崎も出役していて、休日なので白洲で吟味がありました。

14時頃、先日そちらに飛脚に出ていた高橋庄助が帰ってきました。さっそくお手紙を包み解き、読みました。ありがとうございます。まず、皆さんお元気で安心しました。さっそくお菊に渡しました。今日はそちらが春日祭なので、小豆飯を作って竹内の衆を呼んであげるつもりです。

17時過ぎに交代で帰ったら、お菊が部屋で泣いていました。
「お手紙に何か悲しいことでも書いてたの?」と聞くと
「そんなことはないけど、鐐子に会いたくて会いたくて、しょうがないんです」

と、涙を流しながら言っていました。そんな無理*1 なこと思わずに早くご飯にしてくれるかと言うと、ようやっと準備してくれました。

お向の叔母さま、悠公、お民、料理は御平にかぼちゃ、芋、なすび、汁、いも、豆腐、香の物*2です。御神酒の余りを一杯もらいました。食事のあと、お手紙をみんなに読み聞かせ、大笑いしました。

夜になって、領助が来て余りの酒をふるまってあげ、そのうち山崎のおばアさも来て、お茶を入れ、皆で宵のうちまで喋っていました。鐐子の元気ものの話に大笑いしました。
おみきさのお手紙があまりによくできているので、誰か手伝ったんじゃないかって、お菊が言ってましたよ。

***
*1 `馬鹿なこと`
*2 `御平とふなすいもなすひ汁いもとふふ香の物`


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